カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

災害の映像アーカイブ

2010年4月6日   岡本全勝

消防庁が、防災についての知識や、災害時にどう行動すべきかを学ぶことができる、ウエッブサイトを作っています。例えば、大地震を3日間生き延びる方法や、津波の時にどう行動すべきかなどです。子供から大人まで、市町村職員や消防団員までもが、勉強できるようになっています。
防災・危機管理e-カレッジ」です。
今回、内容が追加され、また「災害の写真や映像」が掲載されました。災害の怖さや被害のひどさは、口でしゃべるより、絵で見た方がわかりやすいですよね。例えば阪神淡路大震災から15年経ち、知らない人も増えています。被災された方にとっては、見たくない、思い出したくないことでしょうが、次なる災害に備えるために、ご協力を頂いています。
このサイトには、動画や写真が、200点載っています。一度ご覧ください。また、これらは、自由に使って良いとのことです。講演などに使うには便利な、アーカイブができました。

日本大学での講義

2010年4月5日   岡本全勝

2010年4月から、日本大学法学部大学院で、非常勤講師を勤めています。
春学期は「危機管理特論」、秋学期は「公共経営論」です。

2010年春学期「危機管理特論」:土曜日第2時限(10:40~12:10)
授業の内容
災害や事故対策といった狭い意味での危機管理ではなく、広く、政府(中央と地方)による、社会のリスク対策を議論します。
政府の危機管理の法制や能力は、阪神淡路大震災や北朝鮮のミサイル発射などを教訓に、大きく進みました。一方、サイバーテロや国際金融危機といった、新しいリスクも生じています。さらに、災害や大事故といった古典的なリスクだけでなく、いじめや引きこもり、貧困や格差といった、社会生活・家庭生活の問題が、政府の取り組むべきリスクとなりました。これら社会のリスクとそれに対する政府の対応について、近年の変化、現状、課題を整理します。また、社会のリスクとは別に、行政組織でのリスク管理を議論します。
講師は、内閣総理大臣秘書官、総務省大臣官房総務課長、県庁総務部長を勤め、現在は消防大学校長の職にあります。その経験を基に、お話しします。

授業予定
4月10日 (開店休業
4月17日 はじめに―講義の概要とねらい
4月24日 第1部 社会のリスクの変化と行政の対応 第1章 リスクの分類
5月 1日 (大学院休み
5月 8日 第2章 政府の対応(その1)
5月15日 第2章 政府の対応(その2)
5月22日 第2章 政府の対応(その3)

5月29日 第3章 近年のリスクの特徴
6月 5日 (休講)
6月12日 第3章 近年のリスクの特徴(続き)
6月19日 第4章 行政の役割の変化
6月26日 (休講)
7月 3日 第4章続き
7月10日 第2部第1章 行政組織のリスク
7月17日 (補講)第2部第2章 「行政の危機」を管理する

消防大学校の授業、学生の目的意識

2010年4月3日   岡本全勝

消防大学校では、学生に、授業内容や講師を評価してもらうほかに、卒業前に、感想文を書いてもらいます。その中に、次のような感想がありました。
・・教室では一番前の席であったが、今まで、こんなに前の座席で良かったと思ったことはない。高校や大学の学生だったころには、考えられない心境である。教官や講師の話し方、細かな動作も、間近で見ることができた。遮るものがないことで、講義に非常に集中できた。後ろの座席の学生が、気の毒に感じた。講師のすべての言動が、まさにすべてお手本である・・
これは、新任教官科(新しく県の消防学校の教官になる職員のための課程)なので、自分が教官になって教壇に立つことを想定して、授業を受けています。その点を割り引いても、学生に教室の前に座る方が良いと考えてもらえる授業が、理想ですね。
少し話は違いますが、学校の英語の授業は身が入らないのに、お金を払っていく英会話学校は熱心だ、という話を聞いたことがあります。これは、英会話学校へ行くのは、それだけの目的を持っているからでしょう。
なお、授業では、学生がそれぞれ教官役で模擬授業をして、それをビデオに撮り、同僚に評価してもらうということもしています。自らの話し方をビデオで見ることは、すごく勉強になります。

下宿人のページ

2010年3月30日   岡本全勝

私のHPには、下宿人が二人います。というか、いました。

1 ワシントン特派員
一人は、ワシントン特派員「稲熊君」です。稲熊君は、私の元部下です。今、ワシントン大使館に勤めています。随時載せますので、乞うご期待。
ワシントン特派員報告終了
このHPを豊かにしてくれていた、ワシントン特派員が3年間の勤めを終えて、帰国しました。よって、特派員便りも終了します。ありがとうございました、稲熊君。(2005年4月17日)
ワシントン特派員報告のページへ

2 肝冷斎主人
もう一人は、中国古典に興味を持っていて「肝冷斎主人」と名乗っています。彼も元私の部下です。著作の一部を載せます。絵も彼の作です。長編がいくつもあるのですが、HPには不向きなので、短編を載せます。画像の処理は、渡邊IT技官・清重IT技官の協力を得ています。
肝冷斎は、自らHP「肝冷斎雑志へようこそ」を立ち上げました。ご覧ください。
(1)地仙ちゃんシリーズ
歌仙ちゃん登場の巻 ②象形文字「チセンチャン」 ③地仙ちゃんの楽器 ④カゼが吹く ⑤フンベツする ⑥清明節 ⑦追い込まれた鬱々庵
(地仙ちゃん旅行編)
チマキの秘密 ②おナカの減った地仙ちゃんはキケン ③食の意味 ④トモにする ⑤カミナリ落ちる ⑥カミナリを拾う ⑦オトコの依頼 ⑧戦士の宴会 ⑨地仙ちゃんのタノシミ ⑩ドンブリはドンブリに非ず ⑪何杯も食べる ⑫タタカイの場にマメはない ⑬とても丈夫な歯のコは何でも食べられる
(戦いの後)
勝敗は時のウンにもよる ②ライバルたちの正体判明する ③ぶすーとする ④市はトゲトゲと関係がある 町と村についても解説する ⑥ボカンと殴る ⑦都会は冷たくてコワい
(到着する)
おうちはブタ小屋? ②ココロにもアラずなのに悲しい
(2)コボルトシリーズ
怒れるコドモたち ②望んでも手に入らないモノ ③精霊の至宝 ④目ざましゲコ ⑤コボルト暦 ⑥大魔ジンの恐怖 ⑦トマト畑のワナ ⑧アナグマ商会あらわる

以下、肝冷斎の自己紹介です。

みなさんはじめましてです。
えー、「世の中は冷え冷えとしているので、志と血は温かくなければならないよ。世の中は忙しく騒がしいので、肝と腸は冷ややかでなければいけないよ」というコトバから肝冷斎と名乗ってから十年以上になります。
明・陸徳明の「酔古堂剣掃」の中のコトバだったと記憶するのですが、もしかしたら違うかもチレません。とにかく物覚えが悪くなってきているので、カナシいことです。間違ってたらごめんなちゃいです。
謝ったので間違っていてもいいでしょう。
で、爾来おりおりに書いた文章を、総体として自ら「肝冷斎文集」と名づけております。昔は古典和歌論やホントの随筆や儒学の紹介文だとかも書いていたのですが、別に内容が大したことあるものでもないので、中年以来、少しでも読みやすいモノを作ろうと思いまして、絵入りのおハナシものを書きためているのであります。
で、今回、「ちょっと敬愛」する岡本教授の御尽力でここに発表の場を得ましたので、掲載作品の簡単な紹介をさせていただこうと思います。

①「肝冷斎文集」の中から、現在進行中の二作を載せてもらうことにしました。一つは「歌仙ちゃんのニホン和歌教室」ですが、これはまだ一回分しかありません。「和歌の精霊」歌仙ちゃんを中心にして日本古典和歌を紹介していこうというものですが、設定その他これから肉付けしていく過程であります。
もう一つは「地仙ちゃんの漢字教室」で、二十回分ぐらいあるうちの一部を入れてもらいまちた~。
地仙ちゃんはチュウゴクの大地の精霊です。無職の貧乏文人・鬱々庵センセイのおウチの裏に住んでいて、鬱々庵センセイの漢字講義を受けているオンナのコです。
ヘビのニョロとサソリのサチョリがコブンです。地仙ちゃんが地主の陳さんのムスコをイジメたので、現在鬱々庵センセイはその責任をとらされて、陳さんから立ち退きを求められている状況にあります。
設定は万暦以降アヘン戦争前の江南地方、ただし王朝名不明、鬱々庵センセイは現代日本のことにも詳しい、といういい加減さです。

文中何の断りもしておりませんが、説文解字、康煕字典、周礼正義などのほか、白川静大先生、阿辻哲夫大先生、林巳奈夫大先生、水上静夫大先生、藤堂明保大先生、諸橋轍次大先生、チュウゴクの王力先生などの学説を参考にしています。中でも白川説がオモチロいので主としてこれによっています。時々わたしの自説が混ざってますので注意が必要ですね。

② チュウゴクとかニホン古典のハナシばかりしていると、オンナのひとには嫌われます。そこで欧州のことも書けるんや~、ということを示すために、別途製作しているのが「欧州奇談コボルトちゃん伝説集」であります。
コボルトちゃんは地仙ちゃんのハトコで、大地母神フレイヤさまのおんムスメゴの西洋の大地の精霊ですが、家出して欧州一帯に出没しています。ゲコ(カエル)がコブンです。
ともだちというかライバルにサラマンダちゃん、ゴブリンちゃん、ウンデネちゃんなどがいます。もう60回分ぐらい書いたのですがアホらしいので少しだけ載せてもらうことにしました。

ちなみにわたしは、岡本教授の本職(?)である公務員業務の経歴中で、かつて部下だったのことのある後輩でございます。先輩があの程度だから後輩はさらに・・・、と想像される向きもあろうかと思いますので、岡本教授のシゴトぶりを知らない学生諸氏及びご家族の方に一言申し上げておきます。
岡本教授は、本来は管理監督・行政実務指導の面のプロフェッショナルでありまして、おそらくその面では現在の我が国でも屈指、というと言いすぎなので、百番目ぐらいには入る「名人」なんでっせ。(とか言っていると傷の舐めあいになりますかね。)

(肝冷斎の著書)
このHPに、地仙ちゃんシリーズなどを連載していた、元下宿人「肝冷斎」が、本を出版しました。
肝冷斎雑志 中国古典うろうろ散歩」(2010年、パブリック・ブレイン)です。表紙を見ると、あの懐かしいイラストが出ています。
本人曰く、「中国古典を題材に、たいへん勉強になる本です。わかりやすくてちょっとひねくれていて、愛らしいカット入り。重要個所は、漢文、書き下し文、和訳も併録しています。「なぜ、大丈夫というのか」「狼狽の由来とは」などなど、30以上の項目があるので、これ一冊読むだけで、賢くなれる・・・かも」
新書サイズで、700円と値段もお買い得です。ただし、一般書店では取り扱ってないので、アマゾンで注文しなければなりません。
なお、肝冷斎は、ホームページの方も休まず、増殖中です。

救急車の出動・続き

2010年3月26日   岡本全勝

昨日(救急車の出動、消防大学校の機関誌「消防研修」を紹介しました。その中に、樋口範雄東大教授の論文があります。「救急活動と法の役割~奈良地裁判決を契機として~」です。
2009年4月27日に出た判決です。事案は、2006年11月に起きました。警察署の駐車場で、未明に男性が顔から血を流し酔った状態で、警察署員に保護されました。駆けつけた消防の救急隊員が、緊急性がないと判断し、男性の家族が到着したので、家族が男性を自宅に連れて帰りました。その後、男性は脳挫傷などがわかり、昏睡状態になりました。男性が、消防組合を相手取って提訴し、地裁は消防組合に1億4千万円の支払いを命じました。
いくつか興味深い論点があり、先生も指摘しておられるのですが、1点だけ紹介しておきます。
裁判で争われた大きな争点は、搬送すべき義務があったかです。そして、判決が敗訴で確定すると、救急隊員は次回から、軽傷であっても、なるべく搬送するように行動するようになるでしょう。しかし、誰でも運ぶとなれば、軽傷者が運ばれ、その間に後回しにされた重傷者が手遅れになる場合もあります。一方で、救急車にも限りがあるのです。
損害賠償請求裁判は損害の補填が目的ですが、その結果が、救急現場の問題解決にならないのです。先生はこの点を指摘し、解決策も提示しておられます。なお、公刊物として、樋口先生の「医療と法を考える―救急車と正義」(2007年、有斐閣)が参考になります。