カテゴリーアーカイブ:旅行記

オランダの歴史に学ぶ

2026年6月3日   岡本全勝

2026年オランダ・ベルギー旅行4」の続きです。
岡崎久彦著『繁栄と衰退と: オランダ史に日本が見える』(1991年、文藝春秋。1999年、文庫版)を再度、買って読みました。岡崎さんは、オランダの盛衰に日本は学ぶべきだという視点から、1906年にイギリスで出版されたエリス・パーカー著『オランダの興亡』を紹介する形で、16・17世紀のオランダの興亡を語っておられます。元は1990年に雑誌に連載されたものですが、当時の日本はバブル経済に踊っていました。やがて来る衰退に、警鐘を鳴らしておられたのです。

大国の盛衰を語る際に、16世紀をスペインとポルトガル、17世紀をオランダ、18世紀・19世紀をイギリス、20世紀をアメリカが覇権を持ったと見るのがわかりやすい説明です。オランダの場合は、それまで他国の支配下にあった、そして自然条件にも産物にも恵まれない小国が、どうして世界の大国になったのか。歴史家だけでなく、興味があります。そしてなぜ、衰退したのか。学ぶべきことがあります。
一国の盛衰は、国内要因とともに、対外的な要素もあります。競争相手がいないときや、競争相手に勝って覇権を取ります。しかし、豊かになることで製造業から金融業に移行し、また挑戦することが少なくなり、産業力が低下します。他方で、他国から挑戦を受けた際に、舵さばきを誤って負けていきます。指導者たちは、対外的な危機とともに、それを認識していても統一できない国内意見とも戦わなければなりません。この項続く。

2026年オランダ・ベルギー旅行4

2026年4月30日   岡本全勝

2026年オランダ・ベルギー旅行2」の続きです。今回の旅行で改めて感じたことの一つに、オランダの国力と広さについてがあります。まず、広さから。

オランダの面積は 約4万km²、日本は38万km²ですから、日本の約9分の1しかありません。人口は 約1,800万人で、日本の7分の1です。人口密度は約500人/km²で、日本の340人/km²より多くなります。しかし可住地面積で比べると、オランダは約3万km²に対し、日本は約10万km²です。オランダの国土の7割が可住地であるのに、日本は3割でしかありません。日本は山が多いのです。可住地面積で比べると、日本の方がはるかに人口密度は高くなります。

オランダが広く感じられる理由は、都市と農村の風景にあると思います。都市では、3~4階建ての細長い建物が、隣家との隙間がなく建っています。あの特徴ある建物です。他方で、街を離れると、広い農地が広がっています。日本は、どこまでが街でどこからが農村なのかわからないように、住宅地が続いています。
オランダは、国土の約4分の1が干拓地で、「世界は神が創ったが、オランダはオランダ人が造った」と言われます。国土の4割が農地とのことです。この農地が、広く感じる要因でしょう。都市と農村で、人口密度が極端に違うのです。

オランダの一人あたりGDPは約74千ドル、日本は36千ドルです(2025年、IMF)。倍の開きがあります。有名なチーズとチューリップでは、こんな高い経済力は達成できません。天然ガスも採れますが、金融・流通を中心としたサービス産業、半導体、化学産業が支えています。かつて世界を制覇した国ですが、その後、覇権をイギリスに奪われます。しかしこの30年間も、停滞する日本を横目に、着実に成長を続けているようです。
岡崎久彦著『繁栄と衰退と: オランダ史に日本が見える』(1991年、文藝春秋)を読んで、なるほどと思った記憶があります。どのような内容だったか確認しようと思いましたが、先般の古書整理で捨ててしまいました。もう一度、買いますかね。

2026年オランダ・ベルギー旅行3

2026年4月28日   岡本全勝

2026年オランダ・ベルギー旅行1」の続きです。「今回も「日本に貸し出し中」の絵がありました」と書いたら、福島県の方から、「福島に来ています」とのお便りをもらいました。
福島県立美術館に、クレラー=ミュラー美術館の名品が来ているのです。「夜のカフェテラス」「自画像」「アルルの跳ね橋」など。こんな目玉作品を貸し出すのですね。
14時間も飛行機に乗って(高いお金を払って)行ったのに、見ることができなかったのです。お好きな方は、ぜひ日本で見てください。

買ってきたチーズは、おいしいです。日本酒のつまみによく合います。自分で運んできた(直輸入)と思うと、重かったことも良い思い出です。

2026年オランダ・ベルギー旅行2

2026年4月26日   岡本全勝

2026年オランダ・ベルギー旅行」の続きです。
歳を取ったせいか、経験を積んだせいか、旅行をしても「新たな発見」「驚き」を感じることが少なくなったようです。かつては、景色を見ても店を覗いても、発見がありました。写真も撮りました。

近年は、写真を撮ることがなくなりました。まず、写真機を持っていきません。私はスマートフォンを持っていないので、それでの撮影もしません。
写真を撮らなくなった理由は、たぶん次のようなものです。
一つには、どのような景色を見ても感激しなくなったことです。きれいな街並みは、日本にはないものです。お城や名所も。しかし、よく似た景色をすでに見ているのです。ある人が言っていました。「テレビで見たわ。番組の方が、詳しく見せてくれて解説してくれる」と。もちろん、実物と映像とは違います。
もう一つは、写真を撮っても、後で見ないことです。特にデジタル写真になって枚数が増え、ますます見ることがなくなりました。そしてこの歳になると、自分の顔を見てもねえ・・・。キョーコさんは写真を撮るのも、写るのも好きです。私は、景色を目に焼き付けるようにしています。必要なときは絵はがきを買います。

景色とともに、食事にも感激しなくなりました。たいがいのものは食べたことがあります。その土地土地の名物は「なるほど」と思うことがありますが、びっくりすることはありません。そして欧米の食事は、単調でかつ盛りが大きすぎます。途中で飽きてくるし、食べきれません。
日本食の繊細さには勝てないでしょう。日本食は、世界に誇ることができる料理です。欧米人が日本食の良さを知ったら、好きになると思います。これから、世界中で日本食の店が増えるでしょう。今は、ラーメン屋と寿司屋ですが。フランス料理店とイタリア料理店が世界中にあるように、日本料理店も世界を席巻してほしいです。普通の家庭料理から高級な懐石料理まで。うどんもおいしいですが、あの出汁の味はわかるかな。和菓子も。
料理など日本らしさを、世界に売り込みましょう。これまでは、西欧のものをありがたがって輸入していましたが、彼らも日本の良さを理解できるようになりました。日本を訪れる人も増えるでしょう。急速な観光客の増加は困りますが、世界的な観光地は客であふれています。

ベルギーは、数多くの種類のビールが有名です。息子に薦められ、日本でもベルギービールを飲むことがあります。度数が強く、独特の味わいです。今回も現地で、昼夜に違った種類を飲みました。これは良かったです。世界のお酒が日本にも輸入されていますが、味が違うように感じます。お酒は現地で飲むのが一番ですね。

次にお土産です。かつては職場や知人に配るお土産を買って帰りましたが(半ば義務でした)、最近はそれもしなくなりました。旅行会社が、海外で買ってこなくても、日本でお土産を売ってくれました。大昔は、海外旅行に行くときは餞別ももらいました。今回の旅行前に「ベルギーはチョコがおいしいですよね」と土産をそれとなく催促したみなさんにも、買ってきませんでした。すみません。
私は、記念になるようなもの(小さな文鎮に使えるようなものなど)と絵はがきを買います。今回は適当なものがなく、オランダで地元で売っているチーズ(塊)を買ってきました。いくつか買うと重いのですが、スーツケースに入れて。ベルギーはチョコレートが有名なので、これも有名店でなく、スーパーで安いのを買いました。オランダはダイアモンドの加工で有名ですが、これは店にも行かず、買っても帰りませんでした。小さくて軽いのですが(苦笑)。
あとは、美術館の切符ですかね。きれいなので、本のしおりとして使っています。思い出にもなります。

2026年オランダ・ベルギー旅行

2026年4月24日   岡本全勝

4月17日から24日まで、オランダとベルギーに行ってきました。パック旅行で、効率的です。今回も私はキョーコさんの後ろをついていくだけ、スーツケースを引っ張る係です。この時期のオランダは寒いのですが、チューリップを見たいとのことでした。アムステルダム、ブリュッセル、ブールージュ、アントワープ、ハーグ。
ルーベンス、レンブラント、フェルメール、ゴッホの絵をたくさん見てきました。日本で見たことのある絵もあって、日本に「出稼ぎ」に行っていることがよくわかります。今回も「日本に貸し出し中」の絵がありました(笑い)。

事前の天気予報は、曇りや雨が多かったのですが、雨は1度だけ、それも短い時間でした。朝晩は予報通り寒かったです。5度くらい。昼は15度くらいですが、風があると体感温度はもっと寒かったです。冬の服装です。
チューリップは見頃でした。そして、桜(八重咲き)がたくさん咲いていました。チューリップ公園にも、戸建ての庭にも。日本から持ち込まれたようです。

今回のツアーの参加者は5組の夫婦10人で、私たちを含め高齢者ばかり。なんと、高校の10年先輩がおられました。話しているうちに、わかりました。日本でも会うことはないのに。さらに、奥さまは、キョーコさんの高校の先輩。こんなこともあるのですね。
余裕のある行程です。朝昼晩三食を食べると、苦しくなります。ふだんは、こんなに食べていませんから。で、数回食事を抜きました。そして、日本の方が、おいしいものを食べることができます。お風呂も、トイレ(ウオッシュレット)も、日本が良いです。
どの観光地も、たくさんの観光客であふれていました。そして、高齢者がほとんどです。他人のことを言えません。
前回の海外旅行で学んで、タッチ式のクレジットカードを持っていきました。ほぼすべて、それですませました。現金が必要だったのは、お城のトイレで、おばさんが「キャッシュ・オンリー」と、50セントを徴収していました。前回の残りのコインで払いました。紙幣は一度も使うことなく、それをくずす機会もなかったです。添乗員さんと「これから、コインはどのようにして手に入れるのだろうね」と悩んでいました。
物価は高く、概ね2倍以上です。円の価値と日本の経済力の低下を実感します。

飛行機は、行きは北極圏回りで14時間。シベリア上空を通る経路に比べ、2時間半くらい余計にかかります。困ったものです。帰りは南回り。ロシアとイランを避けて、黒海上空を通る経路です。こちらは13時間。
海外では、NHKニュースをインターネットで見ることができません。これは不便でした。

この間に掲載されたホームページの記事は、事前に書いて予約しておいたものです。また、連載原稿も事前に書きためて、編集長に提出して行きました。パソコンは持っていくので作業はできますが、そんな気にはなりませんね。電子メールで、いくつか仕事を処理しましたが。