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2010年秋学期

日大大学院院生評価

昨日、日本大学法学部大学院の成績評価をしました。今回もレポートです。それぞれ立派なレポートで、読みやすく内容も良く、ありがたいことです。
この授業は、院生との少人数講義なので、お互いにかなり意思疎通ができています(と、私は思っています)。よって、院生のレポートも、的を外さず、私の関心に沿って書いてくれています。もちろん、私の説に沿う必要はなく、私とは違った意見や私の足らないところを指摘すると、評価は高くなります。

2011.01.15

今日は、日本大学大学院での、秋学期最後の講義でした。第7章組織の管理と、第8章大きな政府と小さな政府を、駆け足でお話しして、無事終えることができました。半年間おつき合いいただいた院生の諸君には、お礼を申し上げます。後は、レポートによる成績評価が、残っています。
中央政府と地方政府の組織管理については、いろいろ書かれたものがあるのですが、私には、どうももの足りません。実態、問題点、改善案。私は、これまでいろんな職場で、実際に経験させてもらい、考えさせられたので、様々なことが見えるようになったのでしょう。いずれ、これについても、考え方を整理したいですね。ただし、体験談、実践編、理論編が入り交じり、なかなか文章にするのは難しいです。

2010.12.18

今日は、日大大学院で講義。第6章「市民の満足」を、お話ししました。私の授業では、第2部で「地域の経営」をお話しし、第3部で「市役所の経営」を解説しています。
すなわち、公共経営を2つの分野に分け、前者の「地域社会の経営」と後者の「行政組織の経営」とを、議論しています。通常の行政管理論は、この第3部に当たります。しかし、行政の任務と目標が明快だった昔と違い、何が市役所の任務なのかから、問わなければならないのです。最近の公共経営論や公共管理論は、そこまで進みつつあります。
そして、第3部の組織管理論の講義も、市役所内部の組織管理(第7章)から、市民の満足(第6章)、さらに第2部の地域社会の経営を視野に入れた経営論(第5章)へと、範囲を広げています。 現実の行政学は、組織の管理や組織のスリム化効率化から始まり、成果を問う・市民の満足を上げるというNPM論に進化し、さらに地域の経営へと発展しています。その順に問題を発見してきました。
私の授業では、問題意識をはっきりさせるために、その逆の順に講義しています。すでに本に書かれていることを講義していては、私が教えに行く意味がありませんからね。特に第7章は、私の30年にわたる経験を基にした、「岡本行政管理論」です。
年内の授業は、これで終わり。新年にもう1回講義をして、終了です。

2010.12.11

今日は、日本大学大学院で講義。市役所の組織管理から範囲を広げて、地域の経営さらには社会の経営という視点が必要なことを、論じています。このホームページでも2007年頃書きため、その一部は連載「行政構造改革」に書きました。また、藤田宙靖先生の「近代ドイツ国家学における国家観と、アメリカ社会的考え方の違い」(2010年6月29日の記事)なども。いろんなところで、いろんなことを書いていたので、それらの集大成です。
ところで、授業はあと2回になりました。時間が経つのは、早いですね。

2010.12.04

今日は、日本大学大学院での講義。順調に進んで、第3章「市役所の経営」に入りました。狭い意味での行政経営論です。まず第5章は、「組織管理論から経営論へ」です。従来の「行政管理」から、近年は「行政経営」と、範囲も言葉も拡大しています。たくさんの書物が、出版されています。それらは、各自で読んでもらうとして、私の講義は、それらを全体としてどう位置づけるかです。
民間企業のコーポレート・ガバナンスとの対比、マネージメントとアドミニストレーション、ガバナンスの違い。住民に対する成果と、住民に対する説明責任。明治憲法下での統治と、昭和憲法下でのガバナンスとの違いなど。さらに、市役所の経営だけでなく、地域の経営という視点まで、広げるべきことを論じました。
院生諸氏からも、次々と鋭い見方が指摘され、充実した講義でした。いずれ、この講義も、活字にしなければなりませんね。ところが、講義が順調に進むと、講義ノートと配付資料の準備分がどんどん少なくなり、自転車操業が苦しくなります。将来の話でなく、まずは来週を、乗り切らなければなりません。