カテゴリーアーカイブ:科学技術

鳥の保護活動がカラスに利用され裏目に

2026年9月29日   岡本全勝

9月17日の日経新聞有価に「絶滅危惧種の渡り鳥コアジサシ、観察減らすと繁殖成功 福島の営巣地」が載っていました。保護活動が逆効果だったのですね。

・・・絶滅危惧種の渡り鳥「コアジサシ」が今夏、福島県いわき市の夏井川河口で繁殖し、20羽以上のひなが巣立った。東北の太平洋側では貴重な営巣地だが、2年前まで15年間、カラスの捕食被害などで巣立ちは確認されていなかった。
会員減による人手不足に悩む保護団体が、窮余の策で観察日を減らし「知らんぷり」したところ、人間の姿で巣の場所を特定していたカラスの攻撃を受けにくくなったとみられる・・・

・・・県は毎年5〜8月、河口の立ち入りを規制しているが、ひなは親鳥が餌の小魚を捕りに巣を離れている間に、たびたびカラスに食べられていた。
一方、同支部では近年、会員数が最盛期の半数近くまで激減。人手が足りず、観察する日を限定して放任することにした。
すると昨年、2009年以来となる5羽が巣立った。原因を調べると、一端は「人間の姿」。立花博支部長代行は「カラスは会員らが向けたレンズの先にひながいることを覚え、襲っていた」と振り返る・・・

人工知能データセンターは電気の缶詰

2026年9月1日   岡本全勝

8月16日の読売新聞に、大塚隆一・編集委員が「データセンター 重工業化加速」を書いておられました。

・・・人工知能(AI)向けの大規模データセンターが次々と建てられている。産業史上で屈指の巨額投資も相次ぐ。AIデータセンターとはどんな施設なのか。なぜ大量の電気と水が必要なのか。建設ラッシュの先には何があるのか。インフラ(社会・産業基盤)の歴史も踏まえて考えてみた。

数千のラックが並び、その棚には計数十万個もの画像処理半導体(GPU)が収まる。GPUは猛烈な計算で二つの仕事をする。
一つは大量のデータからAIモデルを作る「学習」。もう一つはチャットGPTのような完成したモデルを使い、利用者の質問への回答を生成する「推論」だ。その際にGPUは大量の電気を使い、大量の熱を出す。
米エヌビディアの最新GPUである「B300」の場合、本体は手のひらに収まるほど小さいのに電気ストーブ以上の電力を消費する。この電気エネルギーはほとんどが熱として放出される。
GPU72個が入るラックはどれほど熱くなるのか。ラック内部は衣料品店の試着室を縦に二つに割ったほどの広さ。図の右側の計算が示す通り、その空間に電気ストーブ100台分の熱が発生する。
そのうえ発熱はわずか数平方センチほどのGPUに集中する。エアコンのような「空冷」ではGPUは焼き切れかねない。だから大量の水でがんがん冷やす。この冷却にも大量の電気が使われる。

現時点で最大規模のAIデータセンターは米スペースXがテネシー州に建設した「コロッサス2」だ。最大消費電力はGPUなどのIT関連機器だけで約1ギガ・ワット。これは原発1基分の電力に相当する。
1施設当たりでこれほどの電力を使う産業はほとんどない。「電気の缶詰」とされるアルミニウムの精錬工場に迫る水準だ。

ここまで来ると重厚長大産業や重工業と肩を並べるレベルだ。もはや単なるネット企業ではない。
重厚長大産業は文字通り、鉄鋼や造船など重くて大きいものを作る。一方、IT業界が扱うデータは重さも大きさもゼロだ。個々の計算などに要する電気は微々たるものだが、処理量の激増で電力消費は無視できなくなってきた・・・

都心のカラス、25年で8割減

2026年8月26日   岡本全勝

8月8日の日経新聞に「都心のカラス、25年で8割減 野鳥の生態系にも変化」が載っていました。
・・・かつて社会問題化するほどいた東京都心部のカラスがこの25年で8割以上減り、スズメの存在感が増している。全国では急減している野鳥も少なくなく、生態系が変わってきた・・・

民間の研究会が都心3か所で実施した調査では、カラスの数は一番多かった2000年に比べ、2025年では84%減ったとのこと。東京都による40か所での定点調査でも8割減です。理由は、生ゴミの管理が徹底され、食べ物が減ったことだそうです。

確かに、我が家の周りでも、減ったと思います。しかし、まだ残党がいて、電柱の上で鳴いています。餌になる生ゴミがあるということですね。

鎌田先生解説、熊本地震と今後の巨大地震

2026年8月12日   岡本全勝

鎌田浩毅先生が、8月6日のテレビ朝日「モーニングショー」に出演して、「“大地変動の時代”突入?熊本地震も一環か 専門家「南海トラフの前兆」指摘も」を解説しておられます。ウェッブで見ることができます「大地変動の時代 南海トラフ地震関連は?」。約30分あまりの番組です。
すごくよくわかる説明でした。

「週刊エコノミスト」の連載「役に立つ地学」第261回の熊本地震の解説(8月12日掲載)も、無料で読むことができます。

革新的な科学の発明10

2026年5月23日   岡本全勝

5月16日の日経新聞別刷り「何でもランキング」は「人類を飛躍させた科学の発明」でした。ウエッブでは「インターネットは何位? 人類史に残る「不連続」イノベーション10選」という表題です。
・・・世界人口が雪だるま式に増えたこの300年あまり。人類の発展の背景には、それまでの常識を全く過去のものにしてしまう革新的な発明があった。人々の暮らしを変え、人類史に大きなインパクトをもたらした科学技術のイノベーションのうち、いま知っておきたいものを専門家が選んだ・・・

それによると、第1位は窒素肥料。農作物の収穫量を大幅に改善し、食糧難を乗り越えました。
第2位は、ワクチン。過去半世紀で1.5億人の子どもを救ったとのことです。
第3位は、蒸気機関。産業革命の推進力になりました。
第4位は自動車、第5位は抗生物質、第6位はインターネット、第7位は発電機、第8位は転炉、第9位はトランジスタ、第10位はマイクロコンピュータです。
みなさんなら、何を挙げますか。