カテゴリーアーカイブ:人生の達人

阪神ファンは忍耐強くなる

2026年5月23日   岡本全勝

先日、ある新聞記事に「阪神ファンを長年やっている人は、忍耐強くなる」という趣旨のことが書かれていました。
近年は阪神タイガースが強いですが、長い間、弱かったです。宿敵である巨人は、9連覇を達成するなど強かったです。近年は面影がありませんが。
強いチームを応援していると、負けると悔しく、元気もなくなります。しかし弱いチームを応援していると、負けても「いつものことか」と腹が立ちません。とはいえ、負け続けていると、ファンが離れてしまいます。

私は、かつては近鉄バッファローズ、それがなくなってからは楽天ゴールデンイーグルスを応援しています。そんなに熱心なファンではありませんが。
まだ達観できず、負けると悔しいです。忍耐強くなりません。
本当の野球ファンは、勝ち負けではなく、選手のプレーぶりを評価するのでしょう。「肝冷斎観タマ記

短時間正社員の導入を

2026年5月18日   岡本全勝

4月27日の日経新聞に「短時間正社員、育児だけでなく副業・介護でも 企業が優秀人材確保」が載っていました。

・・・「6時間勤務だが正規雇用」というような短時間正社員の働き方が、育児期だけではなく、副業や介護など様々な理由で勤務時間を短縮したい人の選択肢となりつつある。フルタイム正社員と時間あたりの基本給は変わらないのが原則で、時間短縮分以上に収入が大きくは減らず、正規雇用という安心感もある。人手不足を背景に、企業側も優秀な人材を確保するため、制度導入を進めている・・・

短時間正社員は、1週間の労働時間がフルタイムより短い社員です。基本給は労働時間に応じて少なくなりますが、福利厚生は同じ、賞与や管理職への登用に不利にはなりません。
育児・介護休業法に基づくものだけでなく、副業や学び直しなど多様な場合を認める企業も増えています。
企業としては優秀な社員を確保したいのです。

講師の効用

2026年5月17日   岡本全勝

講義や講演は、参加者に、講師の考えていることや経験を伝えることが目的です。それによって、参加者の知識や能力が向上します(するはずです)。ところが、講師にも大きな効果があります。

一つは、頭の中に考えていること、それを整理できることです。わかっているつもりでも、発言骨子を作成すると、いかに曖昧だったかがわかります。何を伝えたいかを考え、骨子をつくることで、頭の中が整理されます。わかっていること(わかっているつもりのこと)と、相手に伝えることとは、まったく異なります。

二つ目は、どのようにしたら、相手に伝わるかを考えることです。骨子に整理しても、それを話しても、相手に伝わるとは限りません。相手に伝えることと、相手に伝わることとは、異なります。
限られた時間内に、どれだけのことを伝えるか。工夫が必要です。人間の頭は、3つまでしか覚えることができません。
時間があればたくさん伝えることができるわけでもありません。人間の集中力は限られています。そしてしばしば、参加者は講師の話に興味を持っていません。職場研修は、このようなことが多いです。「人事課に言われて参加しました」とか。どのようにして興味を持ってもらい、伝えたいことを持って帰ってもらうか。これには、場数を踏む必要があります。

一方的に話すのではなく、参加型の講義にすると、参加者の注意も高まります。そして質問を取ると、何が理解されていて、何が理解されていないかがよくわかります。参加者が何を知りたいのか。その目線で考えると、良い内容になります。

いかに伝わっていないか、それを確認する方法があります。終了後に参加者の感想・評価を聞くことです。よくわかっている参加者もいますが、まったく伝わっていない参加者がいて、がっかります。
みなさんも、講師の機会があれば、どんどん引き受けて経験を積んでください。決して、無駄になりません。また、下手な講師を見て、どこが悪いのかを分析してください。

一仕事を終えた後に

2026年5月15日   岡本全勝

先日、ある職責を終えた人と、意見交換会をしました。その重責を負えても社員であるので、次の職に就いたのですが、前職に比べると荷が重くありません。本人曰く「3年間頑張って、燃え尽きました」と。いろいろと難しい場面もあり、それを乗り越えたようです。よかったです。
しかし、それを評価しつつも、私は次のように言いました。
「まだ気を抜いてはいけない。一つに、あなたが卒業した職を見守る義務がある。もう一つは、その経験を生かし、次の仕事の準備をしなければいけない」

日本は、経済成長で世界最高水準になったことに満足して、長期停滞に陥りました。「勝って兜の緒を締めよ」という名文句もあります。サッカーでは、持っていたボールを味方にうまく渡せると一安心ですが、そこで立ち止まると叱られます。「パスを出したら、次にボールをもらえる場所に走れ」と。

組織人間であるからには、自らが育てた組織と職員を見守らなければなりません。ただし、口を出してはいけません。嫌われるだけです。他方、あなた自身の将来を切り開かなければなりません。大きな仕事を終えても、人生は終わりではありません。

心の重い日、軽い日

2026年5月12日   岡本全勝

大型連休が終わり、仕事が再開されたでしょう。また、4月に採用された人や異動した人も、一月が経ちました。仕事の調子はどうですか。皆さんにも、経験があると思います。体調は良いのですが、心と体が重いと感じる日があります。5月病という言葉もあります。

現在の私は、重い仕事を抱えていないので、仕事で悩むことはなくなりました。ところが、連載原稿を抱えていてうまく進まないときや、引き受けた講演の構想がまとまらないときです。まだ締め切りまでに数日あっても、なんとなく気分が晴れません。
他方で、それらを形にできた日、右筆に原稿を送った日や、講演資料を主催者に送った日は、心も体も軽くなります。原稿も講演資料も眺めれば不十分な点があるのですが、「まあいいや」と踏ん切りをつけます。

講義や講演など人前で話すときも、話し始めるまでは、なんとなく体が重いです。どのように話せば聴衆に受けるかななどを考えるからです。しかし、一旦話し出すと夢中になり、また聴衆の反応を見るのに全力を使うので、その心配はどこかに行ってしまいます。そして講演が終わると、ヘトヘトになってしまいます。しかし、心は軽いのです。特に聴衆の反応がよかった日は、うれしくて心が軽くなります。

現役時代はどうだったんだろうと、思い返しました。出勤恐怖症になったとき(2度)が、最もしんどかったときでしょう。ところがそれ以外では、そんなにしんどいと思いませんでした。総理秘書官や大震災での被災者支援など、もっときつい仕事もしたのですが。一人で悩まない術を会得したことで、切り抜けることができるようになったのです。
そして毎日が忙しくて、しんどいとか言っておられなかったのでしょうね。悩む暇なく、次の仕事を処理しなければなりませんから。忙しいことは悩みをなくします。正確には、悩んでいる時間を与えてくれないのです。そして、どんな難しい仕事でも、期日が来ればそれなりに終わってしまいます。
一人で悩まずに、誰かに相談すると、多くの場合は切り抜けることができます。私たちの仕事とは、そんなものです。