カテゴリー別アーカイブ: 世界

国家ブランド指数、第1位

2月9日の日経新聞「私見卓見」は、ナンシー・スノー、カリフォルニア州立大学フラトン校名誉教授の「日本はブランド力を生かせ」でした。

・・・アンホルト―イプソス社が毎年発表している「国家ブランド指数」で、昨年、日本が初めて60カ国中1位となった。このランキングは世界的にどのように認識されているかによって各国をランク付けするもので、フランスの市場調査会社イプソス・グループが6万人以上を対象に実施したインタビューに基づいている。
国家ブランドとは、単にその国の良い評判のことだ。特定の企業や人に良い評判や悪い評判があるように、国にも良い評判や悪い評判がある。日本の国家ブランドの将来性は高まっている・・・

日本が総合ランキングで1位になったのは、製品の信頼性と他国にはない魅力です。世界経済のリーダーという項目でも、総合2位です。
もっとも、スイスのビジネススクールIMDが毎年発表する「世界競争力ランキング」では35位です。政府とビジネスの効率性、上級管理職の国際経験、語学力、デジタル技術力が最下位に近いようです。

製品の信頼性が高いのはよいのですが、性能偽装のニュースが続くようでは、これも危ないです。

海外に増える和食店

2023年の海外における日本食レストランは約18.7万店で、2021年の約15.9万店から2割増だそうです。農水省資料「海外における日本食レストランの概数」(2023年10月13日)

2006年には2.4万店でした。2013年に5.5万店、2017年に11.8万店、2019年に15.6万店と急速に増えています。地域別では、北米28,600店、欧州16,200店、アジア122,000店です。
フランス料理店や中華料理店は、世界にどれくらいあるのでしょうね。

フランス語に「我慢する」はない

日経新聞1月7日の別刷りに、カルティエ・プレジデント(会長ということでしょうか)のシリル・ヴィニュロンさんの経験が載っています。

日本人である妻から、「我慢する」のフランス語訳を聞かれて、困惑したそうです。「なぜなら、フランス人は我慢しないから。すぐに文句を言ってストライキするから。我慢の仕方を知らない」

一方で、日本人は愛の表現が苦手だそうです。愛を表現するフランス語は、数多く存在するとのこと。

エッセイとessay

エッセイと聞くと、随筆と考えますよね。でも、英語のessay、フランス語のessaiは随筆ではないのです。
インターネットで、Oxford Learner’s Dictionariesをひいてみたら、「a short piece of writing by a student as part of a course of study」とあります。

色摩力夫書『黄昏のスペイン帝国ーオリバーレスとリシュリュー』(1996年、中央公論社)342ページに詳しく書かれていました。「フランス語の明晰性とその限界
ラテン語のexagiurnを語源として、本来の意味は「試みること」で、文書の上では「試論」です。純然たる学術論文ではなくて、必ずしも根拠をすべて明示せずに書かれた論文だそうです。日本語では「評論」と言えるとのこと。
モンテーニュの「エセー」は、随筆ですが。

ロシアの禁書

12月27日の日経新聞夕刊コラム、ロシア文学者・奈倉有里さんの「未来、ストルガツキー」に次のような話が載っています。
ソ連時代は書物の検閲が厳しく、体制を批判する書は読むことができませんでした。ペレストロイカが進み、読めるようになったのですが、ウクライナ侵攻後、2022年から再び検閲が厳しくなったとのことです。

図書館から撤去された図書を見て、驚きます。
ジョージ・オーウェル「1984」、フランツ・カフカ「城」、オルダス・ハクスリー「すばらしい新世界」、レイ・ブラッドベリ「華氏451度」などはまだ理解できますが。
サン=テグジュペリ「星の王子さま」、ドストエフスキー「罪と罰」、トルストイ「戦争と平和」、シェイクスピア「オセロー」となると、誰が何の基準で選んでいるのかと疑問になります。
ドストエフスキーとトルストイは、ロシアの誇りではないのですかね。