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同時代史は難しい

2026年4月23日  岡本全勝

連載「公共を創る」は、締めの第5章に入り、まずこれまでの振り返りをしています。といっても、250回あまりを振り返るのは大事業です。単に掲載記事を圧縮するのではなく、全体を書き終わっての地点から振り返り、欠けていたところを補ったりすることを心がけています。連載を続けているうちに、考え方が整理できた部分もあります。

それとともに、2019年4月から丸7年かけると、その間に社会も変わり、私の見方も変わります。それを考えていると、つくづく現在を理解することは難しいと思います。
過去との比較で、続いていることや変わった点は良くわかります。しかし、未来への予兆は把握しにくいです。誰も、明日の世界がどうなるのかは、予想できません。できたら大金持ちになっているでしょう。例えば20年前に、スマートフォンが普及して、老若男女ほとんどの人が持つと予想した人はいなかったでしょう。

社会科学での分析とは、比較が主になります。過去との比較か、同時代の他の地域・国などとの比較です。昭和後期の意味は平成時代になって明確になり、平成時代の意味は令和時代になってから明確になりました。未来との比較はできないのです。
現在の社会で芽生えている予兆が、将来大きく広がることもあるのでしょう。どれが広がり、どれが消えていくのか。それは、わかりません。

ドイツの哲学者ヘーゲルの有名な言葉に「ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏にようやく飛び始める」があります。この言葉は、哲学が遅れてやってくる、物事が終わってからわかることを表現したようですが、社会科学一般に当てはまるのでしょうか。