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なぜエスカレータの片側を空けるのか
なぜエスカレータの片側を空けるのか。それは日本人が、規則や合理性でなく、世間の目を気にして行動するからです。
日本人は助け合いの精神や、街をきれいに保つという公共心が強いです。国に強制されなくても、新型コロナではマスクを着用し、外出を控えました。関係資本や文化資本が強い、「この国のかたち」です。ところが、それらの行動が規則に従っているか、合理的かと言えば、そうでもないのです。
エスカレーターの片側を空けるのは、急いでいる人を通すために導入され、多くの人が守るようになりました。しかし、エスカレーターを駆け上るのは危険なことと、片側を空けるのは効率的でない(2人並んで乗ることに比べて輸送量が減る)ことから、2列で立ち止まって乗ることを鉄道会社は呼びかけています。
ところが多くの地域で、片側(東京では左側)に並び、他方(右側)を空けています(名古屋市では条例もあり、歩かないことが定着しているようです)。すいている時は片側に並ぶのはよいとして、右側が空いているのに左側に列を作って並ぶことは非合理です。そのような場合、私は右に立ちます。
ある新聞に、読者に聞いた結果が載っていました。「みんなが並んでいるのに、一人だけ違うことをするのは嫌だ」という意見がありました。そうなのです。規則に反しても、合理的でなくても、「他人と違うことはしない」「みんなと同じ行動を取る」のです。出る杭は打たれるので、なるべく目立たないことが処世術でした。