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『証言とデータでみる総務省』

2026年3月30日  岡本全勝

縣公一郎・原田久編『証言とデータでみる総務省 支援型行政への変ぼう』(2026年、勁草書房)を紹介します。
宣伝文には次のように書かれています。
「総務省(旧総務庁系部局)は行政の基本的な制度の管理・運営を任務とする制度官庁だ。しかし近年、各省の政策立案や業務改革等の支援等を強化している。本書では、元総務次官や元総務審議官の証言や、研究者によるデータの分析、さらにはアメリカとの比較によって、その成果と課題を明らかにする」

第1章は山下哲夫・元総務事務次官へのインタビュー、第2章は堀江宏之・元総務審議官へのインタビューです。これまでの行政改革の歴史と、行政管理の役割の変化がよくわかります。一言で言うと、査定官庁から、各省の業務改革支援への転換です。行政評価も、評価自体に力を入れるのではなく(よく言われる評価表を埋めることに力を入れるのではなく)、どうすればよりよい業務になるかを考えるのです。これらの機能は「平時」のものであり、別に改革時(例えば省庁改革、規制改革など)に企画をすることも、行政管理の役割です。

人を減らし、組織を増やさないことが、かつての行政管理であり、行政改革でした。予算削減もこれに含まれます。しかし、人員削減も行き着くところまで行き、職員を募集しても定数が埋まらない状況になりました。
本来、行政管理とは行政組織がよりよい成果を出すためのものです。新自由主義的改革は、削減にばかり目を向けすぎました。
二人のインタビューを読むと、行政管理局の政策の転換が見て取れます。

p81に、行政事業レビューデーターベースで事業数が10年間で、4000あまりから5000まで増えているという指摘があります。
これとは別に、原田久・立教大教授が「行政国家論再論」(季刊「行政管理研究」2023年9月号、行政管理研究センター)で、2001 年の省庁再編時に各府省設置法に列記されていた858の所掌事務は、2021年度には935事務に増えていることを指摘しています。
「人口が減るのだから公務員数を減らすべき」との意見もありますが、すでに先進各国の中では日本の公務員数は少なく、さらに仕事を増やしていながら職員を減らせとは、無理な話です。