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時代は進む
連載「公共を創る」は、本文はひとまず書き終え、まとめに入るために、これまでの議論の振り返りに入っています。そこで、これまでの執筆を再度眺めて、考えています。すると、時代は進み、社会は変わってきたと実感します。
連載「公共を創る」は2019年から書き始めましたが、その出発点となる文章は富山県総務部長時代(1994~1998年)に始まっています。小冊子「地方自治50年 私たちの得たもの忘れてきたもの」(1997年、富山県職員研修所)に、当時の考えをまとめたのです。
交付税課長補佐時代に『地方交付税・仕組みと機能-地域格差の是正と個性差の支援』を書いて交付税の機能と成果を考え、戦後日本社会の発展と地域の発展を評価しました。ちょうど戦後50年でした。富山県に赴任し、地域の実情も確認できたので、それをも含めて考えを整理しました。「公共を創る」第41回の図表2「富山県の変化」はその時、県職員の協力を得て作ったものです。豊かな社会、全国で一律の行政サービスを達成し、次は何をするべきかを考えていたのです。
「経済成長外国比較」の図も、その時から使っています。元は経済企画庁の資料です。まさに鯉の滝登りのように、右肩上がりで成長し、アメリカに追いつき追い抜きました。1991年にバブル経済が崩壊したのですが、この図では1995年まで成長しています。円ドル相場の影響もあります。当時は、「経済成長を遂げた日本」という誇りと「この経済成長が続くとして、次に何をするのか」かが、私の問題意識でした。
その後、長期停滞に入り、「経済成長外国比較」の図では1995年から横ばいになります。「経済成長の軌跡2024」も、作りました。戦後の経済成長を「高度経済成長期」「安定成長期」の2期に分けて説明し、第3期はいずれまた復活するのだろうと思っていました。ところが「失われた10年」は「失われた20年」になりました。
第1期、第2期とも偶然18年間だったので、第3期も18年の2009年が区切りがよいと思ったのですが、そうはなりませんでした。それどころか2008年はリーマンショックが起きて、さらに悪くなりました。「経済成長の軌跡2024」では、経済専門家の意見を聞いて、2012年を仮の区切りとしています。
さて、最初の議論に戻ると、「戦後日本社会の発展と地域の発展」は、最初は「素晴らしい成功を収めた日本」として書き始めたのですが、現在となっては「その後は長期停滞し、国際的にも中位の国になった」と書かざるを得ません。成長した第1期と第2期を会わせて36年です。その後の長期停滞は2026年で35年になり、ほぼ同じ期間なのです。いつの間にか、経済成長は遠い昔になりました。35年前は、若い人にとって大昔でしょう。「経済成長の軌跡2024」では4期に分けていますが、今作るなら、1991年を境に前期と後期の2つに分ける方がわかりやすいでしょう。
「公共を創る」も、書き続けているうちに、内容や主張に変化を加えなければならなくなりました。今、これまでの議論を振り返り要約しているのですが、構成なども変える必要があるなあと考えています。あらためて「時代は進む」と思います。
この項続く