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官僚は国家を考えることができるか
連載「公共を創る」第253回「政府の役割の再定義ー官僚に仕事をさせるために」(3月26日号)で、各省各局の分担管理に収まらない新しい課題をどのように官僚機構が取り上げるのか、全体を見る仕組みが必要であることを主張しました。
しかし、ここに一つ難しい問題があります。明治から昭和後期まで、官僚が存分に力を発揮し、日本の発展に貢献しました。それは分担管理原則に沿って、各官僚と各局が所管行政を整備拡充したからです。発展期には、部分最適が全体最適になりました。もちろん、すべての部門が同じように拡大したのではなく、濃淡はありました。
ところが発展期が終わると、限られた資源(予算や人材)を配分するのに優先順位をつけなければなりません。部門によっては、縮小や廃止もあります。これは、分担管理原則ではできないことです。そこで、これまでに取られた手法は、一律削減です。
また、これまでにない分野に仕事を広げなければならないこともあります。それが「楽しいこと」ならよいのですが、「嫌なこと」「難しいこと」なら、既存組織は手を出しません。また、それらにつぎ込む資源を生み出すために、既存予算を削減することにも抵抗します。
全体を見渡して、優先順位をつけること。そのような部門をつくり、役割を与えれば、官僚は案を作ることはできます。しかし、民主主義では、その決定は官僚にはできないことで、政治家の仕事です。他方で、政治家は各種の利益団体を代表しています。ここにも、難しさがあります。
部分ではなく、全体を考える官僚をどのように育てるか。そのような組織と仕組みをどのようにして組み込むか。それが課題です。
同じことは、会社員にも言えます。それぞれが、自分の部門の業績拡大を考えていると、拡大期にはよいのですが、選択と集中をしなければならないときには、縮小の判断ができません。「新・官僚の類型」