
お知らせ
- 2026年3月27日連載「公共を創る」目次11
- 2021年9月20日「明るい公務員講座」3部作の解説
- 2017年3月1日主な著作
最近の記事
- 2026年5月1日福井ひとし氏の公文書徘徊12
- 2026年5月1日日本語研究はグローバル化ではない?
- 2026年4月30日2026年オランダ・ベルギー旅行4
- 2026年4月30日個人情報保護法改正案 事業者団体の圧力
- 2026年4月29日昭和100年記念式典
- 2026年4月29日縮む夫婦の年齢差、1歳以下が半数
- 2026年4月28日2026年オランダ・ベルギー旅行3
- 2026年4月28日孤立死2.2万人
- 2026年4月27日新・官僚の類型
- 2026年4月27日インターネットでの偽情報、企業被害
福井ひとし氏の公文書徘徊12
『アジア時報』5月号に、福井ひとし氏の連載「一片の冰心、玉壺にありや?―公文書界隈を徘徊する」第12回「石油の国・ニッポン」が載りました。詳しくは、記事を読んでいただくとして。
20世紀は、石油の世紀でもありました。動力源が人力や家畜から石油に、エネルギーが木炭や石炭から石油に、そして電力の源も石油に、自動車の燃料として、さらに化学製品へと、世界の活動は石油に浮かぶようになりました。今回の記事は、石油の世紀の幕開けに対応した明治政府(の公文書)から始まり、太平洋戦争(この戦争は石油を確保する争いでもありました)、戦後の石油確保の苦労、そして石油危機へと、話が進みます。
若い人はご存じないでしょうが、1978年に起きた石油危機(第一次)は、それはそれは大変なものだったのです。私は大学1年生でした。トイレットペーパーがなくなることを想像してください。もっとも、トイレットペーパー生産が停止したのでもなく、国民がたくさん使うことになったのでもありません。業者が便乗して値上げを狙って、出荷を抑えたというのが真相のようです。街からネオンサインが消え、暗い夜になりました。ただし、戦時中の物資不足を経験した父と母の世代は、衝撃は少なかったでしょう。
今回のイランとアメリカの戦争で、石油や石油製品の品不足が心配されています。石油危機に懲りて、日本政府は石油の備蓄に取り組みました。そのおかげで、現在のところ、大きな影響は出ていないようです。石油があることが普通の生活になじんだ若者には、なかなか想像がつかないと思います。しかし、少し歴史を遡れば、よく似た事案があります。
世界には石油備蓄が少なく、困っている国もあるようです。日本も余裕ある備蓄があれば、融通することができるのですが。そこまではありませんかね。
最後に「油断大敵」の語源が紹介されます。油がなくなることではないのですね。いつものことながら、執筆者の博学博識ぶりと、公文書を漁ってくる努力には脱帽します。