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改革は勢いでなされる
「改革は勢いでなされる」と思うことがあります。これには二つの意味があります。
一つは、改革が必要とされ、ある程度の改革案もできているのですが、先送りされていたものが、あるきっかけで動くことです。戦後改革の一つである農地解放は、戦前から企画されていたのですが、実行は難しかったのです。敗戦と占領軍による民主化の中で実現しました。
2000年の地方分権改革も、長年指摘されながら、なかなか動きませんでした。バブル崩壊後の日本の低迷、それまでの仕組みを変えようとした諸改革の一つとして動き出し、実現しました。時代の雰囲気と言ったらよいのでしょうか。令和8年の現在では、想像しにくいかもしれません。
もう一つは、突然動き出して、十分な検討なく成案ができることです。主たる目的である改革は実現するのですが、そのほかの部分まで十分な検討がなされないこともあります。急いでやるので、じっくりとは検討していられないのです。時間をかけると、改革自体が挫折する可能性もあります。
例えば昭和憲法です。地方自治を規定したことは特筆すべきことですが、私には検討が不十分だったと思えます。
憲法第93条は、地方公共団体の二元代表制(大統領制)を定めています。憲法が地方公共団体に二元代表制を義務 付 けたことは不思議です 。中央政府は議院内閣制です。ヨーロッパやアメリカでは、様々な形態が採用されています。議長が市長を兼ねるもの、複数の委員が委員会を作り立法と行政を担うもの、議会が「市管理人」を任命して専門職の人が執行を担うものなどです。じっくり時間をかけたら、二元代表制にするか議院内閣制などどのような機構にするかは、各地方公共団体が選べるようにしたでしょう。
コメントライナー2022年6月7日「憲法改正は地方自治の規定から」