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連載「公共を創る」第3回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第3回「想定外が起きた─政府の役割を考える(1)東日本大震災の衝撃」が、発行されました。

今回から、本文に入ります。全体構成では、次のような位置づけになっています。
第1章 大震災の復興で考えたこと
1 想定外が起きたー政府の役割を考える
(1)東日本大震災の衝撃

第1部では、東日本大震災にの際に私が考えた「行政の役割の再考」と「町とは何か」についてお話しします。この経験が、公共と行政を考え直す具体事例になりました。それまでも、このテーマで長く考えていたのですが、身をもって体験することになったのです。そして、かねて考えていた方針を、実行することができました。

あれから、8年が経ちました。若い人たちは、詳しく知らないのですよね。で、まず今回は、大震災の概要を説明します。

『ミッテランの帽子』

ミッテランの帽子』(2018年、新潮社)を読みました。
友人が勧めてくれて、買ってあったのです。私は、社会や政治に関心があって、それらの本を読むだけで時間がなくなります。とても、小説まで手が回らないのです。そして、作り話より、ノンフィクションの方が、面白いと感じるのです。とはいえ、たまには難しくない本を。

ミッテラン大統領が、レストランに置き忘れた帽子。持ち主が変わるたびに、彼や彼女の人生に幸運をもたらします。詳しくは読んでいただくとして。
フランス料理、香水、ブルジョアの暮らしなど、軽やかな文体ですが、緻密な表現がされています。フランス料理は私たちもなじみができましたが、香水やブルジョアの暮らしは、知らない世界です。
次はどの様な展開になるのだろうと、わくわくしながらページをめくります。私が書く文章と、小説との違いですね。事務文章は、次は何が出てくるのだろうと疑問を持たせたり、びっくりさせてはいけないのです。
たくさんの読者が、感想文を書いています。参考にしてください。「アマゾンでの感想文

「頭の上に帽子を乗せることで人は それを持たない人たちに 疑う余地のない威厳を誇示できるのだ」トリスタン・ベルナール。巻頭の題辞
「帽子は帽子をかぶる人にそれをかぶらない人以上の威厳を与える、とダニエルは思った」(P30)

私は、そこまで気取ってはいないのですが。まあ、中折れ帽を被って、変な行動はできませんわね。野球帽と中折れ帽(ボルサリーノ)では、立ち居振る舞いは異なります。被った当初は、ホテルやデパートで、「丁寧に扱ってもらっている」と感じるときはありました。
さて、私の中折れ帽(いま被っているのは、もう何代目かのものですが)は、私に幸せをもたらしてくれたのでしょうか。そうだと思いましょう。

ただし、帽子愛好家としては、疑問が残りました。この小説は、ミッテラン大統領がレストランに帽子を忘れる場面から始まりますが、この設定に難があります。
1 しょっちゅう忘れ物をする私でも、帽子を忘れることはありません。身についているので、帽子がないと、違和感を感じるのです。
2 大統領には、秘書官と警護官がついているので、忘れると指摘してくれるはずです。もちろん、お店も。

さらに付け加えると。帽子って、簡単に被れないのです。一つは、サイズが合わないことがある。靴と同じです。もう一つは、その人の顔や服装に合わせるのも、けっこう難しいのです。どれでもよいとは、いかないのです。

夫婦円満の秘訣

5月8日の福島民報1面コラム「あぶくま抄」「奥会津水力館」から。
・・・会津若松市の東北電力会津若松支社の窓口にパネルが並ぶ。その一枚に夫婦円満の秘訣は「一緒にいないこと」と記されている。初代会長を務めた白洲次郎氏の言葉だという。互いに信頼し、自立する。夫は女房の前でも、かっこつけるべきだとも書かれてある・・・

「亭主元気で留守が良い」という名文句もあります。

質問、再質問

NHKのウエッブニュース「城の石垣 半数以上が「修復必要」」(5月14日)。内容とは異なりますが、質問のあり方について考えました。

・・・NHKは「日本城郭協会」が選んだ日本100名城と続日本100名城を対象にことし3月、アンケート調査を行いました。
石垣のない城などを除く169の城について、管理している地元自治体などに用紙を送り、このうち73%に当たる124の団体から有効な回答を得ました。

はじめに城の石垣に関して日常的な観察や管理を行っているか尋ねたところ、92%に当たる114の団体が「行っている」と答えました。
「行っている」と答えた団体に頻度や実効性について問いかけると、「おおむねできている」が77と多数を占める一方で、「十分にできている」は5か所にとどまり、「あまりできていない」は32と、3割近くに及んでいました。
また、「現在、修復を要する被害や劣化は見られるか」と尋ねたところ、57%に当たる71の団体が「見られる」と答えました・・・

日常的な観察や管理を聞くと、9割が「行っている」と答えます。しかし、頻度と実効性を聞くと、3割はできていません。
これは、参考になります。ほかの問題でも、応用できます。「やっていますか?」と聞くと、「やっています」と答える場合があります。しかし、「では、どの程度やっていますか」を具体的に聞くと、形だけとか、実効的でないことがばれます。この質問は、具体的に聞く必要があります。「よくやっている」「ある程度やっている」といった、曖昧、主観的な選択肢では、意味がありません。

記者会見を見ていても、型どおりの質問をして、型どおりの回答があり、それで終わる、他の質問に移る場合があります。見ていて、残念な気持ちになります。「もっと、突っ込んでくれよ」と。
想定問答を準備している方も、再質問、再々質問を想定しています。突っ込みが足りないと、物足りないです。
その質問で何を聞きたいのか。それを考えて、質問と再質問を組み立ててもらいたいです。
余談ながら。事件や事故が起きたときに、質問に対し「詳細を把握していないので答えられない」「訴状を受け取っていないのでコメントできない」という答えがあります。ぜひ、数日後に、「その後どうですか」と聞いてほしいです。

データの国際管理

4月29日の日経新聞オピニオン欄、ジリアン・テット、ファイナンシャルタイムズ編集長の「データに国際的枠組みを」から。

・・・第2次世界大戦末期の1944年、国際通貨制度を安定させる枠組みの構築を目指し、連合国の代表が米ニューハンプシャー州ブレトンウッズに集まった。
参加者たちは平和の促進と経済の成長にはお金の流れを監視することが欠かせないと考えた。戦争が終結すれば世界経済を再生しなければならず、そのための国際組織が必要だと考えたのは当然かもしれない。国際通貨基金(IMF)の創設が決まり、以来数十年、何とか目的が果たされてきた。
75年間の国際協調はたたえられるが、IMFは今やお金以外にも目を向けるべきではないか・・・
・・・昨年のデジタル経済に関するIMFのセミナーで、バルシリー氏はIMFがデータ規制で各国の協調を促し、さらにIT(情報技術)の発展が社会や経済にもたらす影響に対しても国際戦略を策定する時が来たと主張した。同氏によると、米S&P500種株価指数の構成銘柄の企業価値のうち、1976年時点で16%が無形資産だったが、現在は90%近くに上る。
これはデータ管理が重要な政策課題になったということだ・・・

かつて経済力は、資源であり、生産品・生産力でした。次に、お金でした。それも、蓄えているだけではダメで、どのように流通させるかです。
ストックとともにフローが、重要になりました。そして、いまは、情報です。
記事にもあるように、モノでなく無形資産(情報)に価値が移っているのです。これも持っているだけではダメで、早く入手し、読み取り、どのように使うかです。
価値が、見えるものから見えないものへと転換しています。そして、ストックでなくフローにとです。