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対面と遠隔、出勤と在宅勤務

新型コロナウィルスの感染拡大で、在宅勤務や遠隔会議が進められています。いろいろと長所があって良いことだと思います。しかし、難しい場面もありますね。新聞などでも取り上げられ、このホームページでも何度か書いたのですが。何が違うか、再度考えてみました。

まず、仕事の性質によります。1人でできる仕事と、そうでない仕事があります。
翻訳や校閲のような仕事なら、どこでも一人でできます。しかし、ある課の新しい企画立案は、一人で悩んでいても、よい知恵は出てこないでしょう。そして、みんなで問題点を指摘してよい案にすることは、できません。職場には、指示を受けて一人でできる仕事と、みんなで作り上げる仕事とがあります。

自宅では仕事が進まない理由に、「職場でない」ということもあります。
狭い家では、仕事の部屋がありません。子どもが邪魔をします。新聞記事では、お風呂場、自動車中でやっている人、喫茶店に行っている人もいます。
そして、自宅では気分が転換しません。
私は書斎を持っていて、子どもの邪魔もないのですが、仕事の気分になかなかなりません。ネクタイを締めて出勤することで、頭と体が「仕事するぞ」という態勢になるのでしょう。「家ではゆっくりするもの」と、体が覚え込んでいるようです。

対面と遠隔の、相手とのやりとり効果の違いも大きいです。
会って話をするのと、電話やオンライン会議とでは、何が違うか。文章(事実や意思)の伝達なら、それほど違いはないと思います。少々時間がかかりますが。しかし、対面で話をしているのは、文章を伝達しているだけではありません。それとともに、相手の反応を見ています。人間関係をつくっているのだと思います。
「目は口ほどにものを言い」の世界です。これが、初めて会う人と親しい人との意思疎通の違いです。私の仕事でも、職員以外に、政治家や民間の方と会うことが仕事の大きな部分を占めていました。何度か会って、その人との信頼関係をつくる、「この人ならここまでしゃべっても大丈夫」という関係をつくることが必須でした。これは、対面でないと、私には難しかったです。

これは、新人や若い人の教育にも現れてきます。在宅勤務で、職員指導ができるでしょうか。多くの職場で、それは難しいと思います。

民主主義が機能する社会経済条件、2

民主主義が機能する社会経済条件」、待鳥聡史・京都大学教授の「民主主義再生、政党改革が鍵 危機克服への道筋」の続きです。

・・・だがこうした構図は1970年代以降、次第に崩れていった。先進各国は労働集約型・資本集約型(製造業)から知識集約型(金融・サービス・知的財産などの業種)へと主要産業を変化させ、90年代以降のグローバル化やIT(情報技術)化はその流れを加速した。経済的豊かさを得た人々は社会文化的少数派の権利や環境問題などの新しい争点へと関心を移した。人口構成の少子高齢化や経済格差の拡大も生じた。主要政党は政策面でこうした変化に対応できず、支持基盤の縮小と不安定化が進んだ・・・

・・・以上のことから、代議制民主主義に対するポピュリズムや権威主義の挑戦は社会経済構造の変化に起因するところが大きく、特定の政治指導者の退場で消え去りはしないだろう。それだけに深刻な課題といえる。
挑戦を退け、代議制民主主義が魅力と活力を取り戻すには、マスの政治参加と統治エリートの迅速な政策決定を従来にもまして両立させるとともに、社会や経済が直面する課題への応答能力を示す必要がある。

ここで重要になるのが政党のあり方だ。代議制民主主義には政党政治が不可欠だが、その政党が社会的基盤を失い、狭い範囲の強固な支持層のみに依存する状態に陥っている。主要政党が人々の価値観の多様化を踏まえ、若年層など従来とは異なる人々の党内過程への参加を認めて新しい支持基盤を形成することは、とりわけ社会文化的課題への応答能力を高める・・・

民主主義が機能する社会経済条件

1月8日の日経新聞経済教室、待鳥聡史・京都大学教授の「民主主義再生、政党改革が鍵 危機克服への道筋」から。

・・・最も正統性の高い政治的意思決定の方法として、民主主義が広く受け入れられるようになったのは19世紀半ば以降のことだ。それは代議制、すなわち普通選挙と議会の組み合わせの定着による。代議制民主主義は、有権者である一般市民の意向を議会の構成や大統領の選出に直接反映させながら、個々の政策決定は多くを政治家の判断に委ねることが基本原則である。
代議制民主主義を安定させた要因は、一般市民(マス)と政治家や官僚などの統治エリートのどちらか一方が圧倒的な影響力を持たないこと、マスの間に存在する多様な考え方を政権交代や権力分立により表出すること、統治エリートの専門能力を活用した判断を日常的には尊重し、有権者は選挙を通じて評価することにある。これらの組み合わせにより、迅速な政策決定と特定の勢力の過大な影響力排除を両立させてきた。
ところが今日、代議制民主主義を否定的に評価し、それとは異なる意思決定方法を追求する動きが先進諸国など各地で表れている・・・

・・・代議制民主主義の隆盛の出発点には、19世紀に生じた2つの決定的変化、すなわち国民国家の形成と産業革命があった。
前者は、地理的に区分された国家という領域内で、政治・経済・社会の活動がほぼ重なり合って行われ、そこに住む人々が国民としての意識を共有することを意味していた。普通選挙の広がりもこの文脈の上にある。
後者は、経済活動の中心が農業から商工業に変わり、特に工業部門で資本家・経営者と労働者の区分が生じることを意味していた。

国民国家の形成と産業革命により、政治の争点は一国内での経済的利益配分にほぼ集約された。20世紀に入ると、都市部での資本家・経営者と農村での地主の利益を代表する保守政党と、労働者や小作人の利益を代表する社会民主主義(社民)政党の対立が各国の政党間競争の基本構図となった。第2次世界大戦後には、政権交代を伴いつつ保守政党と社民政党が競争して、安定した経済成長とその果実の配分による生活水準の向上や社会保障の拡充が図られた・・・
この項続く

子どもの嘘にどう対処するか

1月12日の日経新聞夕刊に「子供の嘘 親はどう対処 保身目的はSOSの可能性」が載っていました。
・・・嘘をつくのは悪いことと考えている人は多いだろう。しかし、子供の嘘は「つかざるをえない何らかの事情がある」と心理学では考えるという。子供が嘘をついたとき、どんな対処が望ましいか・・・

そこに、見逃してはいけない3つの嘘が載っています。
1 保身のための嘘。試験の成績が悪かったときに、「まだ答案が戻ってきていない」と話す。
2 自分を大きく見せるための嘘。チーム全員が褒められたのに、「自分だけが褒められた」と話す。
3 わがままを通すための嘘。約束した宿題が終わっていないのに、「終わった」と言ってゲームをする。

「嘘を言ってはいけない」と教育されますが、嘘を言った場合の教育は教えてもらっていません。叱るだけでは、改善されない場合もあります。
これは子供の例ですが、職場にも当てはまる場合があります。原文をお読みください。

肝冷斎、一部復活

長く更新されなかった「肝冷斎日録」。一部復活したようです。
どうやら、以前のホームページは故障したままで更新されず、新しくホームページを立ち上げたようです。見ていただくと、11月9日以降は、新しいホームページで日録を閲覧できます。それ以前のページには、リンクがつながっていないようです。いずれ、このいきさつも、ホームページに載るでしょう。
また、現地調査にも活躍しています。肝冷斎が元気でいたこと、またホームページが更新できることを喜びましょう。

私のホームページでも、かつて同じ事故が2度起きました。どうやら、分量が多くなって容量を超えたようです。素人には何が起こっているかわからず、いろいろ試みてみるのですが、事態を悪くしているようです。本当に困るのですよね。
私の場合は、専門家に頼んで、過去のデータを新しいホームページに移植してもらいました。