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予告、7月30日PHP総研フォーラム「官邸の作り方」に出演します。

7月30日のPHP総研フォーラム「官邸の作り方ー総裁選を前に政治主導の未来を考えるー」に出演します。オンライン形式です。

政治学でも、これまで研究されてこなかった主題でしょう。首相経験者の回顧録はありますが、この点は触れられていないでしょう。秘書官経験者は、「寡黙」をもって職業倫理としている人が多いようです。
研究者の方は、外から見たあり方を議論されます。私は経験者として、中から見た見方をお話しできればと考えています。首相秘書官の育成について、書いたことがあります。「首相秘書官の現実と課題」(時事総合研究所・コメントライナー、2023年3月24日)。

もちろん官邸の作り方は、首相の考え方に依存する面が多く、私の経験はその一つでしかありません。とはいえ、首相が代わっても共通する面があります。

デモのない日本

7月14日の日経新聞、峯岸博・編集委員の「ろうそくデモのない日本 政権批判めぐる韓国との差」から。

・・・「韓国なら間違いなく『ろうそくデモ』があちこちで起こっていますよ」。自民党派閥の政治資金問題で染まった先の通常国会のあいだ、韓国の政府やメディアの知人からしょっちゅう聞かされた言葉だ。
2016年の冬、いてつくソウルで、ろうそくを手に朴槿恵(パク・クネ)大統領の即時退陣を迫る大規模集会をもみくちゃにされながら幾度も取材した。
友人による国政介入事件を機に、国会での弾劾訴追から罷免、逮捕まで国家元首の転落はあっという間だった。当時、拘置所で朴氏が収容者番号「503」で呼ばれていると聞き、韓国政治の苛烈さを思い知った。

韓国の外交官らは非常事態のたびに日本人の振る舞いに驚かされてきた。
1万5000人超の犠牲者を出した東日本大震災で被災した人々の姿や、中東で過激派組織に拘束・殺害された被害者の家族が「国民や政府にご迷惑をおかけし、心からおわびする」と語った場面などだ。
「韓国では新型コロナウイルス禍でも何でもまずは政府に怒りがぶつけられる。日本政府がうらやましい」。そんな声を聞いた。

反政権デモが勢いづくのは成功体験に基づく。1960年の李承晩(イ・スンマン)大統領の退陣、87年の民主化宣言と憲法改正なども学生を含む市民の怒りがきっかけだった。
政治家や法律が間違っていれば変えたり、直したりするのが当たり前だと考える。「それが民主化運動の中で育まれた文化だ」と保守派の重鎮は語る・・・

フランスをはじめ先進国でも、街頭デモはしばしば起きます。日本で起きないのは、その成功体験がないこと、中心になる人たちや組織がないからでしょう。

なぜか忙しい

久しぶりの、ぼやきです。毎日が、早く過ぎていきます。なんで、こんなことになるのか。
金曜日に、翌週以降の日程を、職場とキョーコさんにそれぞれ伝えます。それを書きながら、「もう1週間も経ったのか」と嘆きます。職場には電子メールで、キョーコさんには紙で伝えるのですが、その感慨は紙に書いているときの方がきつく感じられます。キーボードとペンとの違いでしょう。キーボードは機械的ですが、ペンは肉体的で感情が伝わります。

他方で、原稿の締め切りや講演会の予定は、1枚の紙に書いてあって、しょっちゅう確認します。それを見つつ、職場の行事などを入れて、毎日、明日にしなければならないことを確認します。いろいろある日には、それを自分宛の電子メールに書き出しておきます。くせ者は、この締め切りが先の原稿や講演会の準備です。少しずつ進めておかないと、1日や2日頑張っても、できあがらないのです。

一つ一つの課題はそんなに難しくないのですが、それがいくつも重なると、しんどくなるのです。毎週締め切りが来る連載原稿執筆、毎月一回の勉強会の準備、次々とくる講演会の資料作成。その合間を縫ってこのホームページの加筆・・・。引き受けた私が悪いのです。仕掛かり品をたくさん抱えていると、精神衛生によくないです。
夜の意見交換会も、それなりに入ります。土曜日曜は、孫の相手もしなければならないし。冷たいビールや冷酒は、おいしいです。飲むと、勤労意欲は失せます。読みたい本や資料が、また机の上に積もります。
と、少々難しい原稿の校正をしながら、こんなことを書いています。肝冷斎は今日も、野球や現地調査に出かけているのでしょうね。

高齢化と災害医療

7月13日の朝日新聞夕刊に、阿南英明・神奈川県立病院機構理事長の「進む高齢化、災害医療のあり方は」が載っていました。

・・・神奈川県の新型コロナ対策を率いた救急医は1月、能登半島地震のDMAT(災害派遣医療チーム)の一員として、石川県庁でDMATや自治体間の調整役を務めた。過去の災害支援やコロナ下の経験をもとに、今後の災害時医療に求められることを聞いた。

「能登の避難所にいる高齢の被災者の衰弱が激しい。命を救うため、広域搬送が必要な人がまだいる。しかし、使いにくい法律がなんと多いことか」
広域搬送が必要になる人の大半は、お年寄りだ。医療を受けられる入院先の病院とともに、落ち着いて生活できる介護施設を見つけることが急がれていた。
しかし、介護保険法では、施設への入所条件は要介護認定に基づく。要介護3以上の人が対象の施設には原則、1や2の人は入れない。避難生活で急激に状態が悪化しても、容易に入所はできない。速やかな要介護度の区分変更が望ましいが、変更するには主治医が意見書を書く必要があった。
見直しの要望を厚生労働省に上げ、1月中旬には主治医でなくても意見書を作れるようになった。でも、認定作業には一定の時間がかかる。災害救助法の解釈には、省庁によるばらつきが目立った。

神奈川に戻った1月末。「フェーズは変わった」と語った。
「急性期の価値観はとにかく助けるでいい。でも時間がたつほどに多様性の重要性が浮き彫りになる。あなたはどうしたいのか? 能登を離れるのか、残りたいのか。それぞれの思いをくみとり、対処するのがあるべき姿」
被災地の病院の救急運営や高齢者の受け入れ先を見つけることに加え、地元の施設に物資や人を補い、再開や存続を支えることもDMATの目的になった。活動は1カ月を超し、異例の長期間となった。

6月。DMATの活動が長期化した主な理由を改めて問うと、「高齢化」という答えが返ってきた。
被害が深刻だった地域の高齢化率は、2011年の東日本大震災は20%台。これが能登半島地震では5割近くになっていた。
受け入れ先を探すのは困難で、復旧を担う側にも高齢の人が多い。離職者も増え、施設再開に時間がかかった。
高齢化はさらに進む。これから起きる災害では、医療やケアの存続が難しいという同じ問題がどこでも起きるのでは?
阿南さんはうなずき、続けた。「こういう社会に我々は暮らしているとまず、認識しなければならない。特効薬はない」・・・

市町村アカデミー、市町村長特別セミナー

市町村アカデミーでは、市町村長や議員へのセミナーも実施しています。7月18日、19日と、今年度第2回の市町村長・管理職特別セミナーを実施しました。北海道から沖縄まで、100人を超える方の参加がありました。

今回は、次の4方に講師をお願いしました。
牧原出・東大教授に、未来を見越した自治体経営について
小池信之・総務省公務員部長に、自治体が悩んでいる人材育成と確保について
成田悠輔さんに、人工知能が自治体に与える影響について
村山和恵さんに、お酒と地域振興について

牧原先生の話は自治体を取り巻く変化について、小池部長の話は自治体組織の問題であり、ともに首長さんたちの現在の大きな悩みについてです。成田さん、村山さんと、かなり広い分野から選びました。
毎回、受講者の希望を基に、現在の課題を考えて、教授陣が講師を選定しています。