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周りを見回して立ち位置を決める日本人

10月21日の日経新聞文化欄、三島由紀夫50年後の問い、社会学者・宮台真司さんの「空っぽの日本を何で埋めるのか」から。

・・・日本人は敗戦後、一夜にして民主主義者に変わった。近年では一夜にしてLGBT(性的少数者)主義者に、ダイバーシティ(多様性)主義者になった。日本人は周りを見回して自分のポジションを保ちたがる、空っぽで入れ替え可能な存在だと三島は見抜いていた・・・

累計8000記事

このホームページに書き続けている記事の数が、いつの間にか8,000を超えていました。この画面左側についている、カテゴリー別の記事数の合計です。7,000記事が、2019年4月でした。「祝、7000記事」。
最近は、1日に2本掲載することも多く、累積数が増えたようです。もっとも、日記や新聞記事の紹介など、内容の薄いものが多いのですが。新聞記事紹介はそれなりに考えることがあって取り上げているのですが、私が解説することが少なくて、申し訳ありません。

読者からは、「毎日よく続きますねえ」「毎晩大変でしょう」との言葉をいただきます。そうですねえ、よく続いています。趣味を超えて、ほとんど日課になっています。そして結構、時間がかかっています。頭に考えていることを文章にするのは、そう簡単ではないのです。文章にしてからも、推敲を重ねますし。

記事は、毎晩書いているのではありません。休日や時間のあるときに、書きためておきます。
かつては、夜に書いていたのですが、酔っ払って書くと危ないので、事前執筆に変えました。できたものを、順次「予約投稿」の欄に入れておくと、指定した日時に自動的に掲載されます。優れものです。ただし新聞記事紹介は、数日遅れで紹介すると「もっと早く紹介してください。その日の新聞は捨てました」との苦情も来ます。

未完成の下書きも、たくさんたまっています。中には、数年前のものも。時間が経つと、旬を過ぎてしまうのですよね。

時代と時機を読むことの重要性

日経新聞私の履歴書、10月は小野寺正・元KDDI社長です。巨大独占企業であった電電公社から第二電電(DDI)に転職し、KDDIに育てた方です。特に、23日「破談 非常識な要求に合併白紙 KDDのプライドがあだに」、24日「IDOと連携 携帯通信エリア 全国に わだかまり超えドコモに対抗」、25日「3社合併成立 KDDと予想外の再交渉 時機読むことの重要性を痛感」が勉強になります。

1980年代の通信事業の自由化によって、新しくできた新電電各社が競争します。その中で、DDIは最も弱小でした。国際通信を独占していた国際電電系のKDDとの合併交渉が、すんでの所で破談になります。その理由がとても興味深いです。原文をお読みください。
次に、トヨタを親に持つIDOと合併の交渉に入ります。この2社は競争相手ですが、NTTドコモとの競争上、そんなことを言っておられなくなります。
・・・最後にこの再編を促した陰の主役にも触れておきたい。NTTドコモの初代社長の大星公二さんだ。電電公社の出身でありながら、外部の人材をうまく起用し、「iモード」を生み出した人物。私も個人的に敬愛する人だが、ビジネスの勘が鋭く、相手方に大星さんのような知恵者がいる以上、DDI・IDO陣営も統合を急ぎ、ドコモと互角に戦える基盤を早急につくる必要があった・・・
合併当事者でなく、双方の競争相手の強敵を意識して、仕事をされたのです。

そして、一度は破談になったKDDとの合併が進みます。一度目はKDDが強く、DDIはいくつも譲歩をします。ところが、二度目の合併交渉では、力関係が逆転していました。
このような劇的な話を読むと、常に思うのですが。失敗した側の人の話を聞いてみたいです。難しいでしょうが。

10月下旬のアサガオ

わが家のアサガオ。10月下旬になったというのに、まだ花を咲かせています。小さな花で、元気はありませんが。しかし、これ以上育てているわけにも行かず、かわいそうですが引き抜くことにしました。
長期にわたって、楽しませてくれました。種もたくさん取れたので、来年も孫と一緒に育てましょう。

連載「公共を創る」第60回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第60回「日本は大転換期―急速に変化した個人の暮らし」が、発行されました。
引き続き、成熟社会になった日本の問題を、議論しています。「成熟社会の生き方は」(連載第51回から第54回まで)で、経済成長の低下、目標の喪失、自由が連れてきた責任と孤独といった社会の問題を取り上げました。続く「成熟社会の生き方は その2」(連載第55回から第59回まで)で、満足したことによる活力の低下とともに、日本の驚異的発展を支えた日本型雇用と教育が問題を抱えたことを取り上げました。経済発展に適合した仕組みは、成熟社会では足を引っ張ることになりました。労働が個人の生き方と社会の形を表し、教育が日本社会を再生産します。この二つは、個人と社会との接点です。

社会の問題、個人と社会との接点に続き、今回からは個人の生活の問題を議論します。個人の暮らしとそれを取り巻く世間が急速に変化し、私たちの意識はそれに適合できていません。これが、日本の活力低下と不安の根底にある原因です。今私たちは、成熟社会での生き方を模索しているのです。それを、次の三つに分けて説明します。家族の形、居場所、信念と道徳です。

今回は、家族の形についてです。家族の人数の減少、結婚しない人の増加などです。結婚や子どもの数は、個人の判断です。国家や社会が介入する話ではありません。しかし、急速な変化はこれまでの慣習で育ってきた人たちを戸惑わせます。そして個人の安心を縮小し、将来の日本の不安要素になる恐れがあります。