カテゴリーアーカイブ:著作と講演

連載「公共を創る」目次8

2024年9月16日   岡本全勝

目次7」から続く。「目次1」「目次2」「目次3「目次4」目次5」「目次6」「全体の構成」「執筆の趣旨」『地方行政』「日誌のページへ

(3)政治の役割
9月19日 199政府の役割の再定義ー国民の不安・不満と政治意識
10月3日 200政府の役割の再定義ー官僚機構と「政府・与党」
10月10日 201政府の役割の再定義ー「官僚主導政治」の実態
10月17日 202政府の役割の再定義ー官僚主導の限界と国民意識の転換
11月7日 203政府の役割の再定義ー政治主導は成果を出しているか
11月14日 204政府の役割の再定義ーうまくいっていない「政治主導」
11月28日 205政府の役割の再定義ー「官邸主導」の問題点
12月5日 206政府の役割の再定義ー内閣の政策立案と「官邸主導」
12月12日 207政府の役割の再定義ー政策の優先順位付けと利害調整
12月26日 208政府の役割の再定義ー最低賃金、国民の負担と政治主導
(2025年)
1月9日 209政府の役割の再定義ー財政健全化と国民の負担
1月16日 210政府の役割の再定義ー大規模な財政支出とその財源
1月23日 211政府の役割の再定義ー恒例化している大型補正予算
2月6日 212政府の役割の再定義ー財政規律と「この国のかたち」
2月20日 213政府の役割の再定義ー政策の大転換と重要課題への対応
2月27日 214政府の役割の再定義ー成熟社会にふさわしい政策への大転換
3月6日 215政府の役割の再定義ー政策の大転換に必要な意識改革とその手法
3月13日 216政府の役割の再定義ー地方分権改革における審議会の機能
3月27日 217政府の役割の再定義ー政治主導を阻む与党事前審査制度
4月3日 218政府の役割の再定義ー政策の大転換に必要な党内の支持確保
4月10日 219政府の役割の再定義ー政治主導を阻む全会一致の慣習
4月17日 220政府の役割の再定義ー国家像を議論する共通基盤
5月8日 221政府の役割の再定義ー成熟国家への転換期における苦悩
5月15日 222政府の役割の再定義ー政治家に求められる将来像の提示
5月22日 223政府の役割の再定義ー与野党の政策立案能力の低下
6月12日 224政府の役割の再定義ー議論が乏しい「ムラの慣行」
6月19日 225政府の役割の再定義ー政治家に求められる能力
目次9」へ続く

連載「公共を創る」第198回

2024年9月12日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第198回「政府の役割の再定義ー官僚という職業を選んでもらうために」が、発行されました。

若者が公務員を選ばず、国でも地方自治体でも公務員が不足していることを議論しています。
役所はこれまで、人事政策を重要視しておらず、人事政策の専門家がいなかったと評価しました(第170回)。もちろん人事課長以下の人事担当者はいました。しかし、彼らの仕事は人事異動表を作成することが主で、職員の処遇や働き方の改善には積極的に取り組んでいたとは言えません。

土木、保健などに従事する職員について企業との奪い合いが起こっており、処遇が理由で官庁より企業が選択されることが起こっているようです。特に業務の電子化に関する専門家は、民間企業でも国際的に奪い合いになっているほどで、公務員として提示できる給与では太刀打ちできないのです。
外部委託にする方法もありますが、その仕事に通じた職員がいないと、発注と完成検査ができず、相手の言いなりになってしまいます。清掃や印刷など労力が主な仕事は、外注に向いています。しかし、業務の電子化は、プログラムを書くことは外注できても、何をどのように電子化するかの判断は、組織の業務に精通してなければできません。

公務員を若者に選んでもらえる職業にしなければなりません。しかしその問題の前に、日本全体の労働力不足があるのです。

コメントライナー寄稿第19回

2024年9月10日   岡本全勝

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第19回「行政改革と縮み思考から卒業を」が9月10日に配信され、iJAMPにも転載されました。

歴代内閣は、行政改革に取り組んできました。中曽根行革では国鉄の分割民営化、橋本行革では中央省庁改革、小泉行革では郵政民営化や規制改革など。現内閣も「政改革推進本部」を設置しています。しかし、現在の行政改革は、何を目的として行われるのでしょうか。国民も「小さな政府」や「身を切る改革」といった言葉を支持します。その中身はなんでしょうか。

1990年代には、経済停滞からの脱却のために、企業は事業の縮小や従業員数と給与の削減を進めました。ところが、その目的を達したのに、引き続き縮小を続けたのです。それでは消費も拡大せず、経済も社会も発展しません。一方、政府も予算と職員の削減を続け、社会に生まれてきていた新しい課題に取り組むことができませんでした。

やがて「縮小の思考」は社会の通念となり、企業や役所が新事業へ挑戦することや、新しい政策を企画することをためらわせました。30年間も続くと、現在の企業や役所の幹部は、入社・入庁以来、挑戦や成長を経験したことがないのです。それが、経済停滞と社会の不安を長引かせたのです。
この間に、一人あたり国民所得は経済開発協力機構加盟38カ国中21位に落ち、アメリカの3分の1、ドイツの2分の1になってしまいました。

ようやく物価、給与、株価が上昇し始めました。成長のためには、政府も行政改革を卒業し、国民に向かって縮み思考から脱却することを宣言すべきです。

長崎県庁幹部研修

2024年9月6日   岡本全勝

昨日9月5日は、長崎県庁で、部長次長研修の講師を務めました。会場に約40人、出先機関のオンライン参加を含めて約90人が話を聞いてくれました。

素晴らしいと評価された昭和の職場と働き方が、この30年でなぜ評価を落としたのか。それは、社会が大きく変わったのに、私たちの仕事の仕方が変わらなかったからです。今の日本の職場は、その転換期です。
今回の聴衆は、部長と次長という幹部です。そこで幹部と課長以下の管理職との役割の違いを強調してきました。目標による評価が導入され、長崎県庁でも定着してるとのことです。しかしそれが機能するのは、課長以下の場合です。
部長の目標は、誰が設定するのか。知事の意向も確認しつつ、部長自らが課題を考え、対策を考えなければなりません。所管業務の運営と管理を考えているだけではダメなのです。それらは、課長たちと目標確認をすれば進みます。そこから漏れ落ちている問題を考えること、10年先の長崎を考えることが、幹部の役割です。

皆さん熱心に聞いてくださって、反応が良いので、ついつい話が脱線しました。ありがとうございました。帰りの飛行機は、適度の疲れと達成感で、心地よかったです。

久しぶりの長崎です。長崎新幹線に乗りました。乗り心地は良いですね。早いですが、トンネルが多くて、景色は楽しむことができません。
県庁舎が最近新築され、とてもきれいで、開放的でした。お金をかけると容れ物(建物)が最新のものとなるように、中身の職員の仕事も良くなるとよいのですが。お金では解決しない問題です。

連載「公共を創る」第197回

2024年9月5日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第197回「政府の役割の再定義ー成熟社会の到来と変化する国のかたち」が、発行されました。

前回から、若者が公務員を目指さないこと、採用されても早期に退職する者が増えてきていること。その背景に、転職自由社会が到来し、社員や職員の人事政策の前提としていた日本の労働慣行 が崩れつつあることを説明しています。

早く必要な技能を身に付けて、自分の考えを実現していきたい人。会社を否定するわけではないが、自分の職業人生のための過程(ワンステップ)にすぎないと早期の転職を考える人が増えています。これは、年功序列による職員の選抜と技能や経験の蓄積という、従来の企業側の戦略とは相いれない思考です。

このような変化は、職場だけでなく、私たちの暮らしのかたちを変えました。暮らしを形作る主要な枠組み、修学、働き方、家族の形が、昭和後期の経済成長期とともに、平成時代にも大きく変わったのです。それぞれ自由になり、選択肢も広がったのですが、その結果、従来の日本人に安心を提供していた血縁、地縁、社縁が薄くなりました。