連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第211回「政府の役割の再定義ー恒例化している大型補正予算」が、発行されました。
前回は、日本の財政は極端に悪化しているのに、予想外の事態に対する財政出動の際に、赤字国債を上積みしていることを取り上げました。今回は、毎年、巨額の補正予算が組まれていることを取り上げます。
構造的な赤字の中でも、近年は景気対策や物価高騰対策として、巨額の当初予算と補正予算が組まれました。手法の非効率や政策目的のずれなどが指摘されていますが、最大の問題は、財源を確保しないままに支出されていることにあります。
岸田内閣も、経済対策や物価上昇対策(定額減税と電気・ガス料金補助)に大型予算を組むとともに、防衛力強化や少子化対策などの政策にも大きな支出を決めました。
石破内閣も2024年11月11日に、事業規模39兆円、一般会計予算額約14兆円の大型補正予算を決定しました。主な項目は、日本経済・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心・安全の確保です。これらについても、財源は明示されないままに事業内容と規模が議論されたようです。補正予算の歳入は結局、約半分が国債です。
基金の多用も問題視されています。規模の大きさばかりが優先され、使われない金額が大きいのです。
そもそも補正予算が成立するのは12月や1月であり、行政実務からは3月までの年度内に執行することは難しいのです。