カテゴリーアーカイブ:著作と講演

連載「公共を創る」第71回

2021年2月19日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第71回「社会の課題の変化―暮らしやすい社会を作るために」が、発行されました。今回から、第4章「政府の役割再考」に入ります。

第1章「大震災の復興で考えたこと」では、町を復旧する過程で見えた、私たちの暮らしを支えている要素を説明しました。公共施設や公共サービスを復旧しただけでは、暮らしは成り立ちませんでした。
第2章「暮らしを支える社会の要素」では、暮らしを支えている要素を広く検討し、社会は公私二元論より官共業三元論で考える方が適切であること、施設や設備といったインフラだけでなく、社会関係資本や文化資本など、人のつながりや気風といった要素が重要であることを指摘しました。
第3章「転換期にある社会」では、日本は昭和後期に驚異的な経済成長を遂げたのに対し平成時代は停滞したこと、豊かで自由な社会を達成したけれど新たな不安が生まれていることを説明しました。豊かさと自由は、個人には、自己責任や孤立化といった問題を連れて来ました。社会では、格差拡大や社会参加の低下といった問題が生まれました。満足したことが停滞を生んでいることと、成熟社会に適合した生き方を模索していることを指摘しました。

第4章ではこれまでの議論を踏まえて、成熟社会で生まれている課題を、どのように解決するのかを議論します。暮らしやすい社会をつくるためには、何が必要か。この連載の結論部分です。
今回はまず、社会のリスクの変化を説明します。
かつて、月刊「地方財務」に「社会のリスクの変化と行政の役割」を連載しました(2010年10月号から2021年4月号)。それを基に、再度考えました。

農政ジャーナリストの会で講演

2021年2月8日   岡本全勝

今日8日は、農政ジャーナリストの会に呼ばれて、話してきました。大震災復興10年を振り返って、成果と反省、次への教訓を話しました。
会場には数人で、残りの人たちはオンラインで参加です。60人ほどが参加してくださったとのことです。質問も適確で、話しがいがありました。

補足
今日使った資料の多くは、「1月21日シンポジウム資料」で見ることができます。
教訓については「復興事業の教訓」以下4回の記事を、原発事故の記録と伝承については「原子力災害伝承館が伝えることと残っていること」以下を見てください。
復興に関する記事は「災害復興」の欄を見てください。ただし、累計1600ページを越えます。よく書き続けたものです。

連載「公共を創る」執筆状況

2021年2月5日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」、定例の執筆状況報告です。前回報告したように、第3章1を書き上げた後構成を変更しました。
先日、第4章1(1)「社会のリスクの変化」を書き上げ、編集長に提出しました。2月18日から3月4日までの3回分に仕上がりました。

新しい社会のリスクについては、かつて月刊『地方財務』に連載したことがあります。「社会のリスクの変化と行政の役割」2010年10月号から2011年4月号。連載途中に、東日本大震災対応に呼び出され、中断しました。災害などリスクについて頭の整理をしていたら、緊急事態対応の実践に投げ込まれたのです。
その原稿を元に考えているのですが、そのままは使えません。その後の変化を追いかけ、また今回の連載の趣旨に沿うようにと考えると、結局一から書いているのと同じです。今回も右筆たちに鋭い指摘をもらい、ひとまず安心して出すことができました。

続きも、難渋しています・・・いつものことです。常に宿題を抱えていることは、精神衛生上よくないですね。

連載「公共を創る」目次3

2021年2月5日   岡本全勝

連載「公共を創る」目次2から続く。「目次4へ
全体の構成」「執筆の趣旨」「目次1」「日誌のページへ

第4章 政府の役割再考
1 社会の課題の変化
(1)社会のリスクの変化
2月18日 71社会の課題の変化―暮らしやすい社会を作るために
2月25日 72社会の課題の変化―近年の社会で顕著なリスクの問題
(2)新しい不安への対応
3月4日 73社会の課題の変化―新たに生まれてくるリスクと不安
3月11日 74社会の課題の変化―新しいリスクにさまざまな対応策
3月25日 75社会の課題の変化―失敗しても再挑戦できる環境づくり
4月1日 76社会の課題の変化―再チャレンジ政策で考える行政のあり方
4月15日 77社会の課題の変化―さまざまな問題の発生とその対策
4月22日 78社会の課題の変化―支援の形態に新たな展開
5月13日 79社会の課題の変化―成熟社会で模索する生き方
5月20日 80社会の課題の変化―多くの社会生活問題に共通の背景
5月27日 81社会の課題の変化―子どもと定住外国人の格差問題
6月3日 82社会の課題の変化―雇用形態格差がもたらす貧困と不安
6月17日 83社会の課題の変化―格差縮小へ正規雇用増と最低賃金引き上げ
6月24日 84社会の課題の変化―成熟社会が生みだした孤独と孤立
7月1日 85社会の課題の変化―増える引きこもりに居場所の確保を
7月8日 86社会の課題の変化―自由な社会で重要な他人とのつながり
7月15日 87社会の課題の変化―孤独・孤立問題に政府の取り組み
7月29日 88社会の課題の変化―格差と孤立問題解消に向けた新しい手法
8月5日 89社会の課題の変化―仕組みを変えれば国民の意識も変わる
8月19日 90社会の課題の変化―顔の見える関係を基に手を差し伸べる
8月26日 91社会の課題の変化―新たな課題対応のために生活省の設置を
9月9日 92社会の課題の変化―生活省は「制度」より「課題」に取り組む
(3)個人の責任と政府の責任
9月16日 93社会の課題の変化―「弱者発見」とその対応の拡大
9月30日 94社会の課題の変化―「個人救済」担い手と手法の変化
10月7日 95社会の課題の変化―「政府が家庭に入る」─公私二元論の変容
10月21日 96社会の課題の変化―孤独・孤立問題と近代憲法の限界
目次4」に続く。

「明るい公務員講座 管理職のオキテ」第3刷

2021年2月4日   岡本全勝

明るい公務員講座 管理職のオキテ」が、第3刷になりました。奥付では、2月11日付けになっています。初版が2019年4月です。順調に売れているようです。

課長になることは、職員の一つの目標であり、うれしいことです。あなたの仕事ぶりが評価されて、課長に昇任したのです。でも、よい課長は、よい課長補佐の延長にはありません。
毎年たくさんの管理職が生まれます。自分が部下だったとき、上司を見てお手本としたり、反面教師としたりしたでしょう。しかし、課長としての役割の全体像を、教えてもらうことは少ないです。あるべき姿やしてはいけないことは、個別には指導されたり書物もあるのですが、課長職全体を整理した「教科書」は意外とありません。本書はその教科書を目指しました。

不安なこともあるでしょう。この本で課長職の全体像をつかみ、また私の経験を読んで、少しでも悩みが少なくなったらうれしいです。