カテゴリーアーカイブ:著作と講演

ふくしま復興とSDGsを考える県民シンポジウム2025

2025年12月7日   岡本全勝

12月7日は、福島県の催し物「ふくしま復興とSDGsを考える県民シンポジウム2025」に行ってきました。場所は、Jヴィレッジです。

私の役割は、事例発表について意見を述べることです。
4人の方(女性3人、男性1人)は、被災地で起業しています。被災地出身の人も、外から移住した人もおられます。若くて(若いから)、企画力と実行力があり、頼もしいかぎりでした。大企業や役所のような、古くからある大きな組織には見られない力です。このような力が、新しい事業を興し、停滞を打ち破ってくれるのでしょう。困難もあるでしょうが、乗り越えていってほしいです。

福島県は総合計画にSDGsを取り入れています。これについては、連載「公共を創る」第244回(12月25日)で紹介しています。

マッセ大阪で講義

2025年11月28日   岡本全勝

11月28日は、マッセ大阪での講義に、大阪市に行ってきました。関西大学大学院と共催の「公共政策に関する特別セミナー」です。
私の講義は「2040年の市町村職員-確実性と不確実性-」です。林宏昭先生と相談の上、このような主題にしました。参加者に、現在と将来の課題を考えてもらうためです。 その後、3グループに分かれ、設定した議題について話し合いを行い、結果の発表とグループ間での質疑応答を行いました。
グループ討議は、初めて出会った職員たちですが、すぐに活発な議論になりました。

千葉県町村議長会で講演

2025年11月21日   岡本全勝

11月21日は、千葉県町村議長会での講演に、千葉市に行って来ました。
主題は「2040年、地域と役所はどうなるか~日本は転換中」としました。
日本全体での人口減少と東京一極集中、長期経済停滞、雇用格差、働き手不足と外国人労働者の増加など、地域社会はこれまでにない課題を抱えています。では、今後どのようになるのか。かなりの確実性を持って言える部分と、不確実なものがあります。それら課題を嘆いているのではなく、改善していかなければなりません。

連載「公共を創る」で主張しているように、長い歴史で見ると、日本は大きな曲がり角にあります。
1 長い弥生時代の終わり=地域の暮らしの変化。昭和後期の経済発展による、稲作と農村の暮らしの終わり。
2 長い明治時代の終わり=行政と経済手法の変化。経済発展の達成による、欧米を手本にした発展の終わり。
3 長い昭和時代の終わり=働く女性が増えたことによる、家族と働き方の大変化。
これらを基に、停滞から再生へ転換するために、どう考えるべきかをお話ししました。

連載「公共を創る」第241回

2025年11月20日   岡本全勝

11月20日に、連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第241回「政府の役割の再定義ー行政改革の成功に伴う負の遺産」が発行されました。新自由主義的改革の功と罪について議論しています。

いまだに政治家が「小さな政府」や「身を切る行政改革」を主張し、本来議論すべきこの国の将来像、国民に必要な政策とその優先順位などを議論しないのは、行政改革が成功したことの負の遺産でしょう。国鉄民営化に始まり、選挙制度改革、中央省庁改革、地方分権改革、各種の規制改革などが、反対派の抵抗を乗り越えて実現しました。それは、有識者と国民に達成感をもたらしました。そして、日本の再生と発展はこの延長線上にあると思い込んだのです。

さらに「小さな政府」論を続けたことの大きな罪は、最も大きな社会の課題である経済の停滞と社会の不安に取り組むどころか、それを拡大し長引かせたことです。経済停滞からの脱却のために、企業は「選択と集中」という事業の縮小、従業員数の削減、非正規化、給与の据え置きを進めました。しかし、その目的を達した後も、引き続き縮小を続けたのです。それでは、消費も拡大せず、経済も社会も発展しません。河野龍太郎・BNPパリバ証券経済調査本部長著「日本経済の死角」(2025年、ちくま新書)は、この点を明快に分析しています。
経済停滞には、需要と供給の両面の理由があるのでしょう。企業が設備投資を控え、事業を拡大しなかったことは、供給面です。他方で、需要の面では国民の所得が増えなかったことです。河野氏の著書は、この需要の面からの説明です。政府も、国・地方を通じて行政改革を進め、職員数を削減し、給与を据え置き、経済の縮小に手を貸したのです。また、少ない公務員を削減したことで、現場では悲鳴が上がっています。

企業は人件費を削減するために、正規労働者を非正規労働者に置き換えました。非正規労働者は、正規労働者に比べ、給与などで低い処遇に置かれています。この格差は、社会の不安と分断を生んでいます。「結婚できない、子どもを持てない」という若者の悲鳴は、社会全体の不安につながっています。社会の不安を減らし、国民の間の分断を避けるには、雇用格差を減らすことが緊要だと思われます。
麻生太郎内閣では、日本の目指す国家像と社会の姿として「安心社会」を掲げ、「安心社会実現会議」で検討した結果を「安心と活力の日本へ」として公表しました。暮らしの安心の中心は、社会保障制度ではなく、雇用です。社会保障は、安心できる生活ができなくなったときに救うものです。

国際協力機構「強靭な国・社会づくり」講師

2025年11月18日   岡本全勝

11月6日は、国際協力機構の「強靭な国・社会づくり」の講師に行って、「日本の発展を支えた行政機構」を話してきました。
参加国は、ボスニアヘルツェゴビナ、ブルキナファソ、エチオピア、パキスタン、フィリピン、ソマリア、南スーダン、スーダン、ウガンダの9か国です。
東京での座学研修のほか、広島と東北に現地視察が組まれています。座学研修企画には私も参加し、「日本の戦後復興と国土計画」は木村実・元国土交通省国土計画局長に、「持続可能な地方活性化政策」は末宗 徹郎・地域総合整備財団理事長にお願いしました。
13日は「東北復興」を講義し、最後の18日は全体振り返りにも参加しました。(12月24日記載)