カテゴリー別アーカイブ: 連載「公共を創る」

連載「公共を創る」第133回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第133回「市場経済への介入手法ーその特徴的な事例」が、発行されました。
財政支出以外の政府の手法について、近年の特徴的な手法を紹介しています。まず市場経済への介入手法で、今回は労働政策の変化、コーポレートガバナンス・コード、金融庁の新しい手法を説明しました。
労働政策は、労働者の賃金や肉体的労働条件の確保と向上から働き方改革に移っています。金融庁の監督は、規則を守らせることから、方向を示して金融機関に考えさせるものへと変わっています。

ところで、相手が事業者なら、このような手法も通じるのですが、国民の通念や考え方への介入は内容、手法とも難しい点があります。それを考えることが、行政の新しい課題です。

連載「公共を創る」第132回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第132回「政府による市場経済への介入手法」が、発行されました。

前回に続き、政府の経済的規模、公務員数といった「政府の大きさ」を説明するとともに、企業や非営利団体が公共サービスを担っている場合の扱いを説明しました。私立病院や私立学校は公立病院や公立学校と同じような公共サービスを提供していますが、政府部門には分類されません。医者にかかった場合の3割の自己負担、どのように国民経済計算に計上されているか知っていますか。

次に、財政支出以外の政府の手法の説明に入ります。まず、市場経済への介入手法についてです。この分野については経済学や財政学に詳しい説明があります。ここでは、そのような教科書に載っていない新しい手法を紹介します。私も、再チャレンジ政策や東日本大震災復興で、これまでにない手法を見てきました。それらを見ると、これまでの行政の手法や教科書の説明が「遅れている」と感じます。

連載「公共を創る」第131回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第131回「政府の「大きさ」をめぐる論点」が、発行されました。今回から、第4章2(3)「社会を良くする方法」に入ります。

前回まで、政府による社会への介入の歴史と実態、その問題点を見てきました。これまで政府は、社会の安全や秩序を確保すること、産業振興や経済発展への介入、公共サービス提供などについては大きな蓄積があるのですが、新たに生まれた成熟社会の不安には十分な対応がなされているとはいえません。新しい課題の把握に遅れ、対応手法も完成していません。
特に公私二元論という考え方に拘束され、孤独をはじめさまざまな個人の悩みを支援する意識や、社会を構成員の力で良くしていくために働きかけ、その動きを助成するという意識が少なかったことが原因の一つでしょう。ここでは、政府の社会への介入手法を幅広く考えてみます。

「大きな政府と小さな政府」という議論から始めます。政府支出や公務員数を、過去や他国と比べて、特に社会保障支出に関して使われます。この指標は一定の意味はあるのですが、予算や公務員数では見えない政策や、表せない効果が多いのです。
投入量(インプット)と産出量(アウトプット)と成果(アウトカム)の違い、予算(フロー)と資産(ストック)の違い、事業間の比較ができないことなど。私が若い頃に経験した事例も挙げて、説明しました。

連載「公共を創る」目次5

「目次4」から続く。「目次1」「目次2」「目次3
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第4章 政府の役割再考
2 社会と政府
(3)社会をよくする手法
10月6日 131社会と政府ー政府の「大きさ」をめぐる論点
10月13日 132社会と政府ー政府による市場経済への介入手法
10月27日 133社会と政府ー市場経済への介入手法ーその特徴的な事例
11月10日 134社会と政府ー政府の社会への介入─その新たな動き・手法
11月17日 135社会と政府ー「大きな政府」から「小さな政府」へー行政改革
12月1日 136社会と政府ー行政改革の分類ー目的別・効果別の歴史
12月8日 137社会と政府ー「小さな政府」「官の役割変更」ー行政改革の分類
12月15日 138社会と政府ーガバナンス改革─行政改革の分類
(2023年)
1月12日 139社会と政府ー行革を巡る近年の動き
1月19日 140社会と政府ー政治主導を巡る近年の状況
1月26日 141社会と政府ー近年の行政改革における問題点
2月2日 142社会と政府ー行政改革から社会改革へ
2月9日 143社会と政府ー「新しい課題」への対処法
3月2日 144社会と政府ー政策を体系的に示す─内閣・府省・自治体
3月9日 145社会と政府ー「新しい課題に対する新しい行政手法」とは?
3月16日 146社会と政府ーサービス提供における官民関係の変遷
4月6日 147社会と政府ー「新しい行政手法」─その特徴と課題
4月13日 148社会と政府ー「新しい行政手法」─NPOとの関係
5月11日 149社会と政府ー対立軸の変化
5月18日 150社会と政府ー現代日本の新しい対立軸
目次6」へ続く

連載「公共を創る」執筆状況

恒例の、連載原稿執筆状況報告です。8月末に書いたように、第4章2(2)「政府の社会への介入」が思いのほか長くなったので、後半を(3)「社会をよくする手法」として独立させることにしました。

(2)が9月29日で終わり、10月6日から(3)が始まります。それで、目次のページを新しくしました。
このあと、(3)の中をどのような構成にするか、いろいろと悩んでいるのですが。原稿を書いていくうちに整理できるだろうと、見切り発車しました。行政手法については、行政学の教科書にも詳しく載っていないのです。
右筆の意見と加筆のおかげで、原稿は10月13日号までゲラになっています。