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『Public Administration in Japan 』に分担執筆

Public Administration in Japan』(2024年、Springer Palgrave Macmillan)が出版されました。私は、「第19章 Crisis Management」を分担しました。この本は、インターネットで読むこともできます。

国際行政学会が、各国の行政を紹介する本を出版するとのことで、すでにドイツが出版されています。日本では、縣・早稲田大学教授、稲継・早稲田大学教授、城山・東大教授が編者になって作られました。

前書きに、次のように書かれています
“Public Administration in Japan” was first edited and published in English in 1983 by TSUJI Kiyoaki, one of the most important founders of the discipline of Public Administration in Japan. No further monographs or edited volumes have been publicised in English since. Over the past 40 years, Japanese public administration has undergone considerable reform and modernisation in the areas of organisation, human resources, finance, and information in order to adapt to the diverse dynamics and changes in domestic, international, and global society. Therefore, this book is an attempt to describe and analyse the current situation of public administration in Japan by looking at the central and local levels of governmentGovernments in terms of institutional framework, internal structures, and external relations.

Considering more dynamic aspects,… crisis management in general, and a special case of Fukushima should be included in our discussions.

2年前に、稲継先生から執筆の依頼を受けました。「第20章 東日本大震災なら、書けますが」とお答えしたのですが、「危機管理について書ける人が見当たらないので」とのことでした。本格的な英語の論文を書くのは、初めてです。内容や表現なども、稲継先生の指導をもらって書きました。

政治学や行政学では近年まで、危機管理は対象とされていませんでした。戦後の日本では、台風を除き大きな自然災害は少なく、国際的にも平和でした。1990年代に入って、大規模自然災害が多発し、東アジアの国際緊張が高まり、さらにはパンデミックが襲いました。それに応じて、政府の対応も強化してきました。
近年は、行政学研究者も実務者も、危機管理について書くことが増えましたが、全体を見渡したよい文献がありません。私は自然災害対応は知見があるのですが、安全保障などは専門ではないので、後輩や知人の力を借りて(最新の資料をもらい、意見をもらい)書き上げました。もちろん日本語です。これを知人や関係者に読んでもらい、意見や指摘をもらって加筆しました。改めて、御礼を言います。
危機管理全般についてバランスよく書くのは、難しいです。もっといろいろと書きたかったのですが、分量の制限があるので、断念。このような書物の性格上、仕方ないですよね。

それを業者に英語に翻訳してもらったのですが、(専門外の人なのか)できばえがよくなく、稲継先生が手を入れてくださいました。息子も英語ができるので、目を通してもらいました。さらに出版社が、英語を母語とする人に見てもらって、ようやく完成しました。
最初の日本語原稿が完成したのが2022年秋ですから、それから2年もかかっています。その間に実態が変わった部分は、途中で加筆しました。

こんな立派な本に書かせてもらって、光栄です。ほかの執筆者は大学教授です。私は日本行政学会会員ではあるのですが。
少々値段が高いですが、日本の行政が世界にどのように紹介されているか関心のある方は、買ってください。本棚に飾ると、格好良いですよ(笑い)。『Public Administration in Japan』の右上から直接買うこともできます。「アマゾンで購入」
その2」に続く。

令和5年の回顧2、執筆や講演

今年の回顧、その2は執筆や講演についてです。

まず、執筆です。連載「公共を創る」は、172回まで続きました。月に3回、12か月で36回です。1回あたりが400字詰めで15枚、6000字余りです。右筆の助けを借りて、締め切りに遅れることなく書くことができました。2019年4月から4年半以上、よく続いたものです。去年の年末にも「来年中には完結しますかね」と書いたのですが、今年も同じ台詞を書いておきます。
昨年から引き受けた時事通信の「コメントライナー」、今年は7回寄稿しました。官僚の経験を生かして、報道などとは少し違った分析、そして出来事ではなくより長い時間での社会の変化を書くようにしています。いかがでしょうか。こちらは1200字、言いたいことを短い分量に納めるため、文章をそぎ落とすことに苦労しています。

講演は、今年もたくさんのお呼びがありました。国や自治体の職員研修、東日本大震災の教訓などです。後者は、外国の方に説明する機会も多いです。今春から行政学者に官僚経験を話すことが始まり、毎月呼ばれています。
そのほかの出番も入れて合計すると、人前で話すことは40回を超えていました。新聞記者などの取材も、いくつか受けました。官僚のあり方についての質問が多いです。

このホームページも、毎日欠かさず記事を載せました。多くは事前に書いて、掲載を予約しておくのです。結構、時間を取られています。毎日ほぼ2本、年間で合計700本を超え、累計では1万本を超えました。
カウンターは400万を突破し、413万まで来ました。年初に389万でしたから、延べ24万人の方が見てくださいました。ありがとうございます。

令和4年の回顧2、執筆や講演

今年の回顧、その2は執筆や講演についてです。かつては「副業」と言っていましたが、最近は「第二の仕事」です。今年も繁盛しました。

まず、執筆です。連載「公共を創る」は、138回まで続きました。2019年4月から3年半以上、よく続いたものです。毎回、細かく手を入れてくれる右筆や、意見をくれる知人たちのおかげです。最近は原稿を書きためることができず、締め切りに追われる自転車操業です。来年中には完結しますかね。
今年から新しく、時事通信の「コメントライナー」の執筆を引き受けました。今年は8回寄稿しました。官僚の経験を生かして、報道では見過ごされている事実や、報道とは少し違った分析を書くようにしています。「このような見方もあるのだ」と知ってもらえればうれしいです。

講演は、今年も結構な数のお呼びがありました。ありがたいことです。新型コロナ下で、延期やオンライン方式や録画方式もありました。目の前に聴衆がいないと反応が分からず、いまいちですねえ。

このホームページも、毎日欠かさず記事を載せました。年間で合計700本を超え、累計では9600本を超えています。時間のあるときに書いておき、ホームページ作成サイトに予約投稿しておきます。すると機械が、決められた日時に公開してくれます。カウンターは年初に370万人でしたから、延べ19万人の方が見てくださいました。ありがとうございます。

生産ではないのですが、読んだ本についても書いておきましょう。通勤電車は時間があるのですが、新聞切り抜きなどを読むので終わってしまいます。原稿執筆に必要な本を読むのに精一杯で、好きな読書は寝る前の布団の中が主になっています。難しい本は進みません。「生産の読書、消費の読書、貯蓄の読書
その中でも今年は、近藤先生の新訳によるE・Hカー『歴史とは何か』とリチャード・J.エヴァンズ著『歴史学の擁護』が勉強になりました。歴史やものの見方がよく分かり、私の見方に自信を持つことができました。その点では、ミルズ著『社会学的想像力』も社会学と政治の役割を考えるに際して、役に立ちました。「実用の学と説明の学」。長谷川公一先生のおかげです。

ついでに、生産を支える器具についてです。自宅のパソコンやルーターを、10年ぶりに買い換えました。記録を見ると、前回の買い換えは、2012年でした。松島社長に、すべてをお願いしました。いくつか便利な機能もつけてもらったのですが、まだ慣れません。

私の書き初め

お正月といえば、かつては、書き初めがありましたよね。毛筆がすたれた現在では、少なくなったのでしょうか。
私にとっての書き初めは、原稿書きです。これは、風情がありませんねえ(苦笑)。

新聞社などから、1月掲載用に短い記事を2本、求められていました。締めきりはまだ先なのですが、抱えて年を越すのは嫌なのと、片付けることができるものから片付けないと他のものも進まないので、年末に原稿を出しました。一安心。
他にも原稿依頼や講演の依頼を受けていて、準備が必要なのですが、それは後回し。

まずは、連載の続きに、めどをつけなければなりません。ということで、新年早々、「公共を創る」の執筆に取り組んでいます。
今回も専門外の分野で、私の頭の整理や、事実の確認に時間を費やしています。それとともに、文章の構成に悩んでいます。ある項目を、あっちに持っていったり、こっちに持ってきたり。いつものことです。
このような執筆は、先が読めない、いつまでにどれくらい書けるか時間の予定が立たないのです。方向はある程度定まっているのですが、地図のない、道の分からない道を歩いているようなものです。それでも、年末に悩んでいた一つの壁を突破できたので、少しははかどるでしょう。壁というより、泥沼から抜け出て小さな峠にたどり着いて、先が少し見えたという表現がよいですかね。

そのほか、このホームページの記事の執筆もあります。これは思いついたときに書いて、貯めてあります。

令和3年の回顧2、執筆や講演

今年の回顧、その2は執筆や講演についてです(かつては副業と言っていました)。今年も繁盛しました。

まず、執筆です。連載「公共を創る」は、103回まで続きました。細かく手を入れてくれる右筆たちのおかげです。休むことなく続けたことは誇らしいのですが、締めきりに追われる毎日で落ち着く日がありません。精神衛生に良くありませんねえ。

マスコミの取材もたくさんありました。
3月は東日本大震災から10年ということで、いくつもマスメディアの取材を受けました。私としてもこれまで、その時々に考えたことを発信したのですが、改めてこの10年を振り返る良い機会でした。震災復興の公職を離れたこともあり、ひとまず区切りです。
官僚のあり方についての発言も、求められました。5月の日本記者クラブ「政と官」、8月の読売新聞「総理秘書官の役割」が代表でしょうか。

講演は、新型コロナで延期や中止もあったのですが、けっこうな数をこなしました。オンライン方式や録画方式もありました。
力が入ったのは、内閣人事局の幹部候補研修(係長級、課長補佐級)です。1月から配信するとのことなので、視聴した若手官僚たちがどのような反応を示すか、楽しみです。

このホームページも、毎日欠かさず記事を載せました。年間で、合計700本を超えています。週末などの時間のあるときに書いておき、ホームページ作成サイトに予約投稿しておきます。すると、決められた日時に公開してくれます。
カウンターは年初に350万人でしたから、延べ19万人の方が見てくださいました。ありがとうございます。
今年も充実した1年でした。