近藤和彦訳『歴史とは何か』

近藤和彦先生の新訳による、エドワード・カー『歴史とは何か』(2022年、岩波書店)を読み終えました。『歴史とは何か』は、清水幾太郎訳の岩波新書で何度か読んだので、「もうよいや。ほかに読まなければならない本もあるし」と最初は通り過ぎたのですが。
『歴史学の擁護』を読んだこともあり、近藤先生とはホームページ上でのお付き合いもあるので、読んでおこうと再考しました。なお、先生に引用してもらった私のページはその後ホームページのサイトを変えたので、次のページになっています。「覇権国家イギリスを作った仕組み

新書でなく、四六版で400ページと大きなものなので、少々根性を入れて読みました。もっとも本文は260ページほどで、清水訳とはあまり変わりません。紙の質が違うので、分厚いようです。
近藤先生の丁寧な訳注があり、また解説があるので、読み飛ばすわけにはいきません。「なるほどこういうことなのか」と思うところが多かったです。そのいくつかは、このホームページで紹介しました。「モノとコト2」「過去との対話と未来との対話

清水訳も何度か読み返したのに、今回学ぶところが多かったのは、次のような理由でしょう。
まず、寝転がらずに、本と正対して読んだこと。
清水訳の一部分は覚えていましたが、ほとんど忘れていたこと。
『歴史学の擁護』などの知識もあったので、理解が深まったことでしょう。もっとも、歴史学者は私以上に深く読まれるのでしょう。

歴史とは何か、事実を羅列した年代記と歴史学との違い、客観的な事実とは何か、歴史における因果関係とは何か(偶然と必然。クレオパトラの鼻が低かったら・・・)、自然科学と歴史学・社会科学との違いを考えたい人には、お勧めです。