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お知らせ

連載「公共を創る」目次9

目次8」から続く。「目次1」「目次2」「目次3「目次4」目次5」「目次6」「目次7」「全体の構成」「執筆の趣旨」『地方行政』「日誌のページへ

6月26日 226政府の役割の再定義ー政治家と官僚の関係
7月3日 227政府の役割の再定義ー官僚の意見を聞かない「政治主導」
7月10日 228政府の役割の再定義ー異論に耳を傾けることの大切さ
7月17日 229政府の役割の再定義ー英・独に学ぶ官僚の中立性確保
8月7日 230政府の役割の再定義ー上司・部下の関係と公務員のやりがい
8月21日 231政府の役割の再定義ー遅過ぎる質問通告、多過ぎる質問主意書
8月28日 232政府の役割の再定義ー「やりがい」低下の原因
9月4日 233政府の役割の再定義ー首相を支える事務秘書官の仕事
9月11日 234政府の役割の再定義ー「内閣官僚」の育成を
9月18日 235政府の役割の再定義ー
10月2日 236政府の役割の再定義ー
10月9日 237政府の役割の再定義ー
10月16日 238政府の役割の再定義ー
11月6日 239政府の役割の再定義ー
11月13日 240政府の役割の再定義ー
11月20日 241政府の役割の再定義ー

読売新聞「あすへの考」に載りました

今朝6月8日の読売新聞「あすへの考」に、私の発言「人口減令和の処方箋 地方創生本気で大胆に…」が載りました。吉田清久・編集委員の取材を受け、思っていることを話し、質問に答えました。話がいろいろなことに飛んでしまいました。記事を読んで、このように構成するのかと、発言した本人が感心しています。

この問題は即効薬はなく、長期的に取り組む必要があります。そして、モノを作るのではなく、国民の意識を変える必要があります。それは行政の不得意な分野で、行政だけではできず、企業や非営利団体などの力も必要です。私の経験を元に、復興庁でうまくいったことを説明しました。
中見出しに「創生本部を常設の「庁」に。中長期の具体的目標設定も必要」とあります。

・・・石破政権は最重要政策に「東京一極集中是正」と「地方活性化」を掲げた。「令和の日本列島改造」と銘打ち、地方活性化への取り組みに総力を挙げる。政府が地方創生を最初に看板に掲げ、司令塔に地方創生相を新設したのは2014年のことだ(第2次安倍政権)。初代の地方創生相は石破首相だった。しかし、目立つ成果は出ておらず、人口減少や地方の地盤沈下に歯止めがかからない。再生策に決め手はないのか。地方復興に長年取り組み、霞が関で「ミスター復興」と呼ばれた岡本全勝・元復興庁次官に「地方再生・令和の処方箋」を聞いた。(編集委員 吉田清久)・・・

・・・地方の地盤沈下の原因は〈1〉過疎化と東京一極集中〈2〉少子化と人口減少―が挙げられます。
「過疎化と東京一極集中」で留意すべきは、その背景にある心理的な側面です。
誰しも「大人になったら親元を離れ、きらびやかな東京に出てみたい」と思う。かくいう私も奈良県明日香村で生まれましたが、高校卒業後は村を離れたままです。
地方には働く場所が少ない。仕事がなかったら、地元を離れた人は戻らない。この事実は私が復興に関わった東日本大震災でも痛感したことです。
とくに若い女性が地域に根付かないと指摘されています。高学歴化が進み、女性も高校を卒業して東京の大学に多く進学するようになりました。地域に戻らないのは、若い女性が希望するような職場がないからです・・・

次のような位置づけも主張しました。
・・・政治家は国民に対し、国家のグランドデザインを明確に示すべきだと考えています。その意味で、石破茂首相の施政方針演説(1月)に注目していました・・・
・・・国民に、安心できる将来像を示すことは政治の大きな役割です。冒頭に述べた石破首相の「楽しい日本」の提唱もこの文脈で考えるべきです・・・
・・・国の針路を示す羅針盤を失い、向かうべき方向が定まっていません。地方再生が、かけ声だけで、問題解決に至らないのもそのためではないでしょうか。
「令和版・地方再生の処方箋」を見いだす鍵はそこにあります・・・

大きな記事で、見つけた知人からたくさん反応がありました。「中央省庁改革で組織の減量を担当した役人が、新しい役所の創設を提言するのか」「紙面下の長嶋さんの写真より大きいのは問題だ」とも。すみません。
全身像の写真の背景は、市町村職員研修所の中庭です。「どこかの料亭の庭かと思いました」「ホテルの庭ですか」といったメールも来ました。

「明るい公務員講座」3部作の解説

「明るい公務員講座」3部作を、改めて紹介します。私の経験を基に、次のような3冊を出版しました。
明るい公務員講座』(2017年、時事通信社)
明るい公務員講座 仕事の達人編』(2018年)
明るい公務員講座 管理職のオキテ』(2019年)

趣旨は、公務員や会社員の仕事の「教科書」を作ることです。
本屋にはビジネスコーナーがあり、たくさんの本が並んでいます。文書の書き方やパソコンの使い方といった「技能」に関するもの、挨拶の仕方や電話のかけ方といった「作法」に関するもの、そして自己研鑽など「心構え」です。このほかにリーダーシップ論などがあります。それぞれに価値はあるのですが、肝心のことを書いた教科書がないのです。
すなわち、技能や作法の全体像であり、「仕事の仕方」です。「これだけは覚えておくように」という仕事の基礎です。

3部作を読んでいただくとわかりますが、びっくりするようなことは書いてありません。仕事ができる人や出世した人なら、みんなが知っていることです。ところが、若い人は初めてそのような事態に遭遇して、悩むのです。「この仕事をどのように片付けたらよいか」「課長の了解をどのように取ろうか」「毎日忙しいのに、なぜ仕事が片付かないのか」「私のいうことを、なぜ相手は理解してくれないのか」とです。このような「小さいけれど重要なこと」が、書かれた本がないのです。
多くの先輩たちは、本を読むことなく、また研修で教えてもらうことなく、身につけたので、当たり前のことと思っています。「先輩の仕事を見て覚えなさい」でした。それらは言葉にするのが難しく、引継書や手順書にも書かれていないのです。それらを本にしたのです。

本屋には、能力向上のための本が、さまざまな分野でたくさん並んでいるのですが、「仕事の仕方」「仕事の基礎」そのものを書いた本は、意外と見当たりません。
管理職についても、たくさんの指導者論やリーダーシップ論があります。しかし、役所や会社の課長に必要なのは、古典に学ぶ指導者論やナポレオンや松下幸之助さんのようなリーダー論ではなく、職場管理の基礎です。
また、先輩たちがさまざまな本を書いているのですが、それらは経験談であり随筆に近いのです。
私は執筆に当たって、教科書を作ること目指しました。教科書だと、必要な項目を網羅し、それを体系的に並べる必要があります。教科書を目指したとはいえ、読みやすい文章にしました。
ありがたいことに、版を重ねています。また、職員研修講師にも呼んでもらっています。聞くと、このような仕事の基本、課長職の基本を書いたものがないようです。

『明るい公務員講座』は一般職員向け、
『明るい公務員講座 仕事の達人編』は係長や課長補佐向け、
『明るい公務員講座 管理職のオキテ』はこれから課長になる人や課長向けです。

知らないことが書いてあったら、参考にしてください。知っていることばかりなら、安心してください。それが教科書の役割です。
経験豊富な方も、時々読み返してもらうと、「そうだよな」と改めて気づくことがあると思います。あなたは忘れていますが、部下たちはそんなことに悩んでいるのです。部下の悩みを知るためにも、読み返してください。

主な著作

最近の主な著作です。その他の著作は「著作一覧」のページを見てください。最近の新聞記事などは「新聞記事など」のページをご覧ください。

【連載中】
・「公共を創る」時事通信社『地方行政』に2019年4月から毎週木曜日(月3回)掲載
・『時事通信社コメントライナー』に2022年1月から不定期掲載「目次」
・(大震災復興に関する記事の整理)2021年3月11日「復興10年での振り返りなど

【単行本など】

     『Public Administration in Japan』(2024年、Palgrave Macmillan)

 

明るい公務員講座 管理職のオキテ』(2019年、時事通信社)

日経新聞夕刊1面コラム「あすへの話題」連載(2018年1月~6月)

 

明るい公務員講座 仕事の達人編』(2018年、時事通信社)

明るい公務員講座』(2017年、時事通信社)

2016hukkou

東日本大震災 復興が日本を変える-行政・企業・NPOの未来のかたち
(2016年、ぎょうせい)