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慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第9回目

2017年12月1日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第9回目でした。
地方交付税の果たしている機能について、説明しました。あわせて、戦後日本の発展について、政府の政策と効果についても。
1950年代以降、工業化の進展と経済成長にしたがって、太平洋ベルト地帯への人口集中が進み、過疎と過密が進みました。また、商工業と農業との所得格差も。
政府は、産業政策(米の買い支え、工場再配置)と、公共政策(公共事業、国庫補助金、地方交付税による均霑化)を行いました。これによって、地方でも働く場を確保することとともに、全国各地で一定水準のインフラと公共サービスを提供しました。しかし、過疎と過密を解消することはできませんでした。

もっとも、交付税による財源保障と財政調整がなければ、豊かな地域と貧しい地域で、もっと大きな差がついていたでしょう。
中国やアジアの国の政府関係者が、日本の交付税制度の勉強に来られ、説明したことを思い出します。彼らにとっても、切実な課題だったのです。「これらの政策で、どの程度成功したのか」とか「日本は、このほかに人口移動を制限していないのか」という質問もありました。

その後、国際化でこのような産業政策は無理になり、財政の逼迫で公共事業も削減が始まりました。
バブル崩壊とアジアの追い上げで、日本は、産業・経済・社会で新しい局面に入りました。その転機が、1990年~2000年代でした。社会の変化や国際化が、経済と財政に影響を及ぼすこと、そして行政の役割が変わることも、話しました。
教科書に書かれていない話、視野の広い話なので、学生からは「おもしろかった」との評価をもらいました。

復興状況、国会報告

2017年11月29日   岡本全勝

東日本大震災からの復興の状況を取りまとめ、国会に報告しました。年に一度、報告しているものです。
概要を見ていただくと、状況が簡潔に分かるようになっています。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第8回目

2017年11月17日   岡本全勝

10日金曜日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第8回目でした。
先週の地方財政計画の解説に続き、今日は地方交付税の解説をしました。この分野は、かつて私の専門分野でした。説明に力が入ります。
詳しく話すと複雑になるので、なるべく簡単に話したつもりですが。

学生のアンケートをみると、地方交付税の算定方法は、理解してもらえたようです。地財計画の歳入歳出を1700団体に輪切りにしたのが、基準財政需要額と基準財政収入額であること。多くの自治体が交付税の交付を受けていることや、不交付団体がどのような税源で税収が多いかなども。
基準財政収入額の算定の際に、税収の全額ではなく75%を算入することについて。「難しかった」という人は、例えば神野・小西『日本の地方財政』p104以下を読んでください。

学生諸君
来週24日は、学園祭でお休みです。次回(12月1日)授業は、この積み残しをお話しした後、地方債の話に入ります。準教科書は、地方債の部分を読んできてください。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第7回目

2017年11月12日   岡本全勝

10日金曜日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第7回目でした。先週は祝日で休みだったので、リズムが狂いますね。
講義は、調子が出て来ました。レジュメと資料は印刷して配布しますが、ポイントは黒板に書きながら説明します。これが、学生によくわかってもらえる方法のようです。
資料を配って説明するだけでは、眠くなるでしょう。板書だけでは、「私の字が読めないところ」もあるでしょう。それにしても、小学校や中学校、高校の先生方は、黒板に、丁寧にきちんとした文字や図表を書いておられましたね。

前回から、日本経済の中での政府の役割を話しています。
今回は、中央政府と地方政府の、予算の大きさ、その内訳、両者の関係を解説しました。国の予算編成の仕方や、地方財政計画を見積もる方法なども。
これは、学生諸君には初めて知ることだったでしょう。「国の税収がこれだけも地方に交付されていることを知りました」「国の直接の歳出って、少ないのですね」といった感想が多かったです。
では、なぜこのような仕組みが必要か。それについては、次回詳しく説明します。
「こんなに借金して、大丈夫ですか」という質問も多かったです。これも、12月には説明しましょう。

学生諸君
授業で教えた新聞の読み方は「わかる日経」を参考にしてください。例えば、読むのにかけている平均時間は30分、20%の人は15分です。p14左下。