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慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第12回目

2017年12月22日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第12回の講義。前回に引き続き、国の財政状況と、地方財政の赤字を説明しました。諸外国比較で、日本は高福祉低負担であり、その差を国債で埋めていることは、理解してもらえたようです。消費税や個人所得課税が、ヨーロッパ各国と比べ、低いのです。

ちょうど良い時期なので、先日閣議了解された「経済見通し」を説明しました。近年の日本経済がどうなっているか、GDPの見通しや、物価上昇率、失業率を説明しました。学校では習わないでしょうね。

さらに進んで、経済政策一般について解説しました。良い書物や解説がないので、経済政策に強い職員の知恵を借りて、レジュメをつくりました。
短期では、景気対策 です。需要創出の財政政策(ケインズ政策)と金融政策(金利誘導と資金供給)です。具体例として、ニューディール(1930年代、アメリカ)、リーマンショック対策(2008年、日本、世界)、アベノミクス(2013年~日本)を挙げました。すると、わかりやすかったようです。
長期・経済構造改革としては、国家政策として、
1 産業政策:特定産業の保護育成。補助金や関税障壁。
2 競争・規制改革:規制緩和や通商政策
3 財政政策:資源配分・所得再分配。大きな政府・小さな政府
4 生産性向上:人材育成
5 通商政策:関税引き下げ、知的財産権の保護
です。すっきりと分類できませんが。
具体例として、富国強兵(明治~)、所得倍増政策(1960年代、池田内閣)、新自由主義的改革(1980年代、サッチャー、レーガン、中曽根内閣)、TPPなどを挙げました。
ここは、学生から「よくわかった」と好評でした。この部分は、もう少し資料を精査して、今後も使いましょう。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第11回目

2017年12月15日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第11回の講義。公営企業と第3セクターの議論を発展させて、サービス提供について、行政・企業・非営利団体の3つの違いを説明しました。具体の事業を表にしてです。この表はかつて作ったのですが、今回、有識者に見てもらい加筆しました。学生には、「わかりやすい」と好評でした。

引き続いて、国の予算と赤字について。財務省に提供してもらったパンフレットを解説しました。社会保障費は伸びるのに、税収は伸びず、いわゆる「ワニの口」になっていること。先進国の中でも、赤字額、累積額が飛び抜けて大きいことなどを説明しました。これも、パンフレットのおかげで、理解してもらえたようです。

なお、レジュメ9を修正しました。修正後を使ってください。3ページ下から2行目。
「社会システム:自発、無償・有償労働、協力非営利」です。NPOも無償労働だけではありません。

放射線検査のジレンマ

2017年12月13日   岡本全勝

12月13日の福島民報が、「手間かかり重荷に 県産米の全量全袋検査」を伝えています。詳しくは記事を読んでいただくとして。
福島県産の米が安全だと確認するために、全袋を機械にかけて検査しています。これで、安全だということを示すことができます。
もう数年、基準値を超える米は出ていません。それで、いつやめるかが、課題になっているのです。
検査には、手間と費用がかかります。また、「検査しなければならないほど、心配なのですか。他の県ではしていないのに」という質問が出るなど、逆の効果も指摘されています。

これは、BSE牛の検査をいつまで続けるかについても、問題になりました。

大学の期末試験問題作成

2017年12月10日   岡本全勝

慶應大学法学部での授業は、順調に進んでいるのですが。期末試験の準備と、来年度のシラバス作成の時期です。
まず、期末試験問題を作りました。
私の授業は、学生さんを苦しめることが目的ではありません。地方行政の仕組みと、どのような課題があるかを、知ってもらうこと。また、自治体現場と全国的視点、時代による課題の変化とそれへの対応を理解してもらうことです。あわせて、勉強する際の基本や、ものを見る際の基本を、身につけてもらうことです。

それで、試験は記述式です。暗記に労力を使う(それだけでヘトヘトになる)ことを防ぐために、ノートや配付した資料の持ち込みを許しています。また問によっては、「××について、説明せよ。その際は、以下に掲げた単語を用いること。足らない語彙は適宜補うこと」という出題もします。
もっとも、文章を書くことになれていない学生には、少々負担になるでしょう。採点する私にも、負担になるのですが。しかし、「大学で、岡本の授業を受けました」と言ってもらうだけの「品質保証」は必要です。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第10回目

2017年12月8日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの講義。早いもので、10回目です。そこで、これまでの講義を振り返って、どのような視点で見ると分かりやすいか、どこが要点かを説明しました。
これまでに配ったレジュメを読み返し、教科書を読み直すと、全体像がよくわかります。最初読んだときには難しかった部分も、今読むと「なるほど」と思えるでしょう。部分を深めるだけでは、理解は進みません。常に、全体と部分を意識し、行き来しながら勉強してください。これは、本を読む際も同じです。少し読み進んだら、目次を見て、今どこを進んでいるのかを再確認しましょう。

特に地方財政は、個別自治体の財政と、1700団体全体の財政があります。ミクロとマクロです。そして、それを地方財政計画や交付税がつないでいます。さらに、日本経済の大きな部分を占める役割と、行政サービス提供・地域の均衡ある発展といった政治としての役割があります。財政は、経済と政治の接点です。このように、視点がいくつかあるのです。

今日は、地方債と公営企業、第3セクターを説明しました。鉄道、バス、下水道、病院など、身近なサービスを説明するので、学生も取っつきやすいでしょう。自治体が、様々な事業をしていることに驚く学生が多かったです。