カテゴリーアーカイブ:著作と講演

市町村アカデミーで講義

2022年7月13日   岡本全勝

今日7月13日は、市町村アカデミーで講義をしました。「管理職を目指すステップアップ講座」のうち、「目標設定と職場のマネジメント」の科目です。この研修とこの科目は従来からやっているのですが、今回、担当教授から「この科目を学長がしゃべれ」との指示がありました。

この研修は「人材育成・人事管理の在り方、行政経営、リスクマネジメント等に関する講義、演習等により、管理職(所属長)になった場合に求められる能力の向上を目指します。今後、管理職(所属長相当職)として活躍が期待される課長補佐等の職員を対象とします」ものです。いくつか実施している管理職研修の一つです。

管理職に必要な能力については、いろいろ話したいとがあります。今回は2コマ分(2時間半)あったので、かなり話すことができました。いつものように、私の体験談(失敗談)を豊富に織り込みました。骨子には要点を書いて重要なことは覚えてもらうようにしました。みなさん、千葉まで研修に来られるだけあって、熱心に聞いてくださいました。
参考。このホームページに書いている「明るい課長講座」。

連載「公共を創る」第122回

2022年7月8日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第122回「行政と官僚ー信頼回復への道筋」が、発行されました。
行政への不信についての説明を続けます。
国民が行政に何を期待するかによって、行政への信頼そのものも変わります。官僚への国民の信頼の低下は、官僚機構が国民の期待に答えていないことともに、国民が官僚機構に「間違った期待」をしている面もあるようです。

すなわち、経済発展を進める時代には、官が民を指導することに効果がありました。しかし、成熟社会になった今では、官が民を指導することは効果的ではありません。国民が統治の客体という意識から主体であるということへの転換が必要であり、官僚主導から政治主導への転換です。
行政手法としては、例えば1990年代と2000年代に進められた、事前調整型から事後監視型への転換です。行政による民間活動への不透明な指導や事前調整をやめ、規制の規則を明確にして民間の自由な活動に委ねます。違反した場合や紛争が生じた場合は当事者の反論を可能にした上で、裁決や裁判など第三者を含めた公正な手続きの下で決着をつけます。行政の任務を、透明な手続きにのっとって規制の規則を定め、それへの違反を監視することに転換しようとしたものです。

例えば金融界では1990年代半ばから金融ビッグバンと呼ばれる自由化が進められました。ところが、金融機関は新しい仕組みへの移行に戸惑いました。時あたかもバブル経済の崩壊を受け、苦境に陥った金融機関がたくさんありましたが、もはや護送船団方式による救済は受けることができませんでした。長期信用を担っていた銀行をはじめ、幾つもの金融機関が倒産することになりました。

報道機関や政治家、国民による官僚たたきの中には、今なお官僚主導を期待し、それができないことへの不満があるようにも思えます。事前調整から事後監視へという改革が、行政の改革以上に国民の意識と行動の改革であることが、まだ十分に理解されていないように思えます。

今回の改革は、明治維新、戦後改革に並ぶ「第三の改革」「第三の開国」とも呼ばれます。日本が経済力で世界の先進国となったのですが、それがはじけて停滞したのが平成時代でした。30年かけても、まだ改革の道筋が立っていません。それは、前二回の改革が指導者たちが手本を輸入することで達成できたのに対し、今回の改革は国民の意識と行動を変えるものだからです。

フィリピン国会事務局研修講師

2022年7月7日   岡本全勝

今日7月7日は、フィリピン国会事務局職員研修で、政策研究大学院大学に行ってきました。
対象者は、上下両院の事務局職員たち45人です。コロナ禍で来日することができず、オンラインでの研修です。私は日本語でしゃべり、同時通訳を介します。講義骨子や投影資料は、事前に英語に翻訳してもらいました。
フィリピン政府の研修では、昨年に次官級の研修講師を務めました。「フィリピン政府次官研修の講師

今回も要望は、東日本大震災での対応についてです。フィリピンも自然災害多発地帯ですから、日本の経験には興味を持ってもらえるようです。前回の経験を基に、資料と話の内容を少々入れ替えて話しました。質問や感想がたくさん出たので、うまく伝わったということでしょう。

読売新聞静岡版に載りました

2022年7月6日   岡本全勝

今朝7月6日の読売新聞静岡版に、私のインタビューが載りました。「元復興次官に聞く 熱海土石流 再建住民納得の議論を」です。
熱海市伊豆山での大規模土石流災害発生から1年が経ちました。街の復興にあたっての留意点をお話ししました。報道では原因となった盛り土の責任追及が大きく扱われているようですが、それはそれとして、住民にとって重要なことは、住宅と街をどのように再建するかです。

東日本大震災での復興でも、「国が決めれば、早くてよい案ができる」との声もありましたが、それは違います。自分たちの街をどのように再建するかは、住民と市役所が議論して決めることです。
もちろん、経験がない自治体には国などが技術的支援をする必要があります。東日本大震災では、いくつもの地区で、都市再生機構のお世話になりました。市役所職員も初めてのことでしょうが、住民が安心して暮らせるまちをつくることは、自治体の使命です。頑張って欲しいです。

人事院の初任行政研修講師

2022年7月4日   岡本全勝

今日7月4日は、人事院の初任行政研修・行政政策事例研究「東日本大震災事例」の基調講義に行ってきました。これは、去年行ったのと同じ講義です。「令和3年度人事院初任行政研修講師
今回は、北区西ヶ原の人事院の研修所で、90人のうち半数が対面で、半数は隣の部屋で画面で行いました。

この研修は、歴史的に意義が大きい過去の行政事例を題材として、当時の困難に対応した関係者の話を聞き、行政官として取るべき行動を討議します。
研修生たちは、東日本大震災発災当時は小学生です。説明の際に、当時の現地の写真が効果的です。みなさん、熱心に聞いてくれました。ついつい熱がこもって、時間が足らなくなりました。もっとも、これは織り込み済みです。質疑応答も適確な質問が出て、うれしかったです。
今年は、福島の被災地視察も行われるようです。津波被害と原発事故被害の現場を見て、その悲惨さを実感してください。

今日は基調講義をすると共に、研修生が討議する課題を3つ与えました。彼らは班別にこの課題の一つを議論し、14日の発表会に臨みます。