カテゴリーアーカイブ:著作と講演

講演の準備3

2022年11月13日   岡本全勝

講演の準備2」の続きです。準備と言うより、講演の難しさです。
聴衆に理解してもらえる話し方と板書の仕方は、若くして自治大学校教授になったときに部長教授に指導され、先輩の授業を見たり本を読んで勉強しました。これは役に立ちました。自己流ではダメだと気がつきました。

聴衆と視線を合わせることが、一つのコツです。
話している際に、「どれくらい理解されているか」を測るために、聴衆の目を見ながら話します。全員を見るわけには生きませんが、会場全員の目と顔をしばしば見渡し、食いつきの良さそうな人を重点に見ます。笑って欲しいところで笑ってもらえると、うれしくなります。
全員に簡単な質問をして手を挙げてもらい、参加意識を高める場合もあります。個別に難しい質問をすると嫌われます。注意を引くために、重要なことを骨子や資料に書かず、白板に書くこともします。眠そうな人も、起きて書き取ってくれることもあります。

研修には、意欲のある人ばかりが参加しているわけではありません。そうでない人の方も多いでしょう。眠そうな人や参加意欲の低い人に、どのようにしたら話を聞いてもらえるか。全力を込めて努力します。
そのためにも、私自身の「電圧」を上げる必要があります。なので、立ったままで話します。

私は、講演は聴衆との対話だと考えています。独りよがりの話をするのではなく、聴衆の反応を見て話の内容に自信を持ったり、反省したりします。
聴衆がいない録画は嫌いです。聴衆は、録画をみる方が寝やすいでしょうが(苦笑)。
どうしてもという場合は、目の前に何人かの人に座ってもらいます。落語家や漫才師は、無観客で演じることができるのでしょうか。

連載「公共を創る」第134回

2022年11月12日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第134回「政府の社会への介入─その新たな動き・手法」が、発行されました。
政府の手法について、近年の特徴的な手法を紹介しています。前回までに紹介したように、経済分野でも新しい手法が編み出されています。他方で、社会の各分野への介入は、その全体像が整理されていないこととともに、手法もまだ整理されていません。

私が経験した仕事での新しい手法に、再チャレンジ政策でのニートやフリーター支援、東日本大震災での孤立防止があります。他方で、少子化や地方の衰退は政府が力を入れている割には効果が上がっていません。難しいのは、人を動かすこと、人の意識を変えることです。
最近の事例では、保育園の送迎バスに用事が取り残される事件です。国は安全管理を求める通知を出しました。しかし、事故は起きています。このような場合に、通知の効果は少ないのです。役所は通知を出すことで「仕事をした」ことになりますが、現場での効果がない限り「仕事をした、成果が出た」ことにはならないのです。

慶応ビジネススクールで講義

2022年11月11日   岡本全勝

今日11月11日は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネススクール)で講義をしてきました。日吉で、18:30から21:20まで。社会人が金曜夜に授業を受けるので、熱心です。反応もよく、楽しく話しができ、力が入りました。終了後も質問が続き、21:40までかかりました。
事前に、学生に考えてもらう課題を出し、今日私がお話しし、その後に学生が課題の回答を提出するという段取りです。

EMBAプログラムは、
「次世代経営リーダーとして期待される職務経歴15年相当以上の中核ミドルの方々を対象とし、企業経営の内外に課題を見出し先導する、グローバルな視点を持った人材を育成することを目指しています」。
私が話した「経営者討論」科目(パンフレット10ページ)は、「本プログラムの核となる授業の一つであり、「先人に学ぶ経営哲学・人間学」をテーマに、学生が「人」「事」「物」の捉え方、考え方、リーダーとしてのマインドセットを実学として体得することを目的としています」。

学校からの要望は、東日本大震災での私の判断です。想定外の危機が起きた、これまでにない対応をしなければならない、行政だけでなく企業や非営利団体と協働することなどです。

仙台市役所で講演

2022年11月10日   岡本全勝

今日11月10日は、仙台市役所で講演してきました。仙台市では、局の次長や副区長を統括人材育成推進員と位置づけて、人材育成に取り組んでいます。その人たちを相手に、「市役所の人材育成」をお話ししました。

要点は、次の3つだと私は考えています。
1「課題」 日本が成熟社会になって、市役所の任務が、公共サービス充実から地域の課題解決に変わりました。
2「手法」 それとともに分権改革もあり、手法が、国の指示の実行から地域の課題を拾って解決することに変わりました。他方で、地域の課題を拾うことについて、非営利団体に負けていないか。
3「能率」 日本の労働生産性は、先進国では最低です。役所も同じでしょう。どのようにしたら効率よく仕事ができるか。また、働き方改革とともに、仕事は増えるのに職員は増えないという制約をどのように乗り越えるのか。
すると、対策も見えてきます。

今日の持ち時間は60分。用意していった内容のいくつかを、泣く泣く捨てました。しかし、内容を絞り込むと、要点を絞ることができました。
郡市長とも、久しぶりにお会いしました。

コメントライナー寄稿第7回

2022年11月9日   岡本全勝

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第7回「社風をつくる、社風を変える」が11月7日に配信されました。8日にはiJAMPにも掲載されました。

今回は、組織の文化「社風」を取り上げました。
毎日のように、会社や役所での不祥事が報道されます。横領や情報漏洩は個人が引き起こす不正ですが、性能偽装や統計不正は組織ぐるみの行為です。後者は、そのような不正を生む「社風」と不正を知っていながら止めない「社風」の両方がないと起こりません。他方で、社員が働きやすい職場、進取の気風など、よい社風もあります。

会社や役所によって、この社風は異なります。難しいのは、合併会社や混成部隊からなる組織です。放っておいても社風はできるのですが、それはよいものにはなりません。
社長の号令でよい社風ができるものではなく、幹部が訓示を垂れてもよい社風はできません。鍵を握るのは現場が見えている課長や課長代理です。その人たちを通じてよい社風をつくることが、幹部の最も重要な能力でしょう。
各自治体は購読しているので、詳しくは原文をお読みください。
参考「組織運営の要諦2