カテゴリーアーカイブ:著作と講演

コメントライナー寄稿第8回

2022年12月28日   岡本全勝

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第8回「それは首相に質問すること?」が、12月27日に配信されました。
今回は、10月の国会での、岸田文雄首相の答弁を取り上げました。宗教法人法第81条に定める宗教法人への解散命令について問われた首相が、1日で解釈を変更したことが話題になりました。しかし、首相はこのような個別の条文解釈を自分で考えたのではなく、事務方の用意した答弁案に沿って答えたのでしょう。

各法律は各省大臣が所管しています。細かい条文解釈は各省の担当者に聞けば正確に答弁します。大臣に聞くならその運用のあり方であり、首相にはそれを踏まえて大臣にどのような指示をするかという方針を問うべきでしょう。失礼ながら、この法律解釈を巡るやりとりは、国会の機能からみて「少し変だよ」と思わざるを得ませんでした。
官僚として、首相や大臣の答弁を補佐する仕事を続けて来ました。その経験からみて、国会質疑は政治家同士のやりとりの場であり、事務的な内容なら政府参考人から答えた方がいいものも多々あります。

あわせて、信教の自由をどのように議論するかについて述べました。国民の思想や世界観に関わる問題で意見の相違がある場合に、それを統合するのは国会の役割です。それは、既定の法律の解釈を確定するということではなく、問題となっている事柄に対して国家や社会がどう対処すべきなのかについての合意形成です。これは明らかに政治の出番です。その例として、脳死を例に出しました。

連載「公共を創る」執筆状況

2022年12月20日   岡本全勝

恒例の連載「公共を創る」の執筆状況報告です。
先日、1月19日号の原稿を、編集長に提出しました。これで、年内の原稿提出は終わりです。
今年も、締め切りを守ることができました。頑張ってくれる右筆のおかげです。
とはいえ、次の締め切りは1月6日。あまり余裕はありません。

連載「公共を創る」第138回

2022年12月16日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第138回「「ガバナンス改革─行政改革の分類」が、発行されました。
前回に続き、1990年代と2000年代に行われた行政改革の項目を説明しています。今回は、「官の役割変更・経済活性化」として、会社法改正、事前調整から事後監視へ、行政機関の改廃、規制手法の変化を取り上げ、「ガバナンス改革」として、公開と参加、訴訟手続きの改革、政治主導、公務員制度改革を取り上げました。

こうしてみると、これまでにない大きな改革が、たくさん行われたことが分かります。原稿を書いていて、改めて思い出し、大きな改革が続いたことをかみしめています。前後を経験した官僚の一人として、1990年代と2000年代の改革によって、行政はそれまでとは別の「世界」になったと思います。

私にとっては、これらの改革は参画した仕事であったり動きを見ていた改革で「同時代史」ですが、若い方には歴史に属することでしょう。しかしまだつい先日のことなので、学校でも職場でも、教えてもらっていないと思います。研究者が、わかりやすい本を書いてくださることを期待しています。

年内の発行は、これで終わりです。右筆と二人三脚で、今年も乗り切ることができました。新年の発行は、1月12日号からです。

連載「公共を創る」第137回

2022年12月9日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第137回「「小さな政府」「官の役割変更」ー行政改革の分類」が、発行されました。

前回、第3期(1990年代と2000年代)の行政改革の分類表を載せました。今回は、その表に沿って、各項目を説明します。
まずは、「小さな政府」を目指す改革で、予算組織定員の削減、財政再建、官から民へ、業務の効率化です。
次に、官の役割変更と経済活性化で、国から地方への分権、規制改革です。

連載「公共を創る」第136回

2022年12月2日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第136回「行政改革の分類ー目的別・効果別の歴史」が、発行されました。

前回から、戦後の行政改革の歴史を振り返っています。1960年代の第1期、1980年代の第2期に続き、今回は1990年代からの第3期を説明します。第3期は、行政機構の減量化や民営化といった「小さな政府」を目指すことにとどまらず、行政の仕組みの見直しにまで広がりました。
1990年代と2000年代は、「改革の時代」と呼んでよいでしょう。それは、順調に発展してきた日本の経済と社会の行き詰まり、これまでの官僚主導手法の行き詰まりを背景にしたものでした。
かつて私は、北海道大学公共政策大学院年報に、それら改革の広がりを目的別に分類した表をつくり、解説しました。今回はそのおさらいをします。