私は、ITは嫌いですが、インターネットと電子メールは便利ですね。ところで、つい最近、もう一つ便利なことを知りました。予定表の管理と共有です。
私の日程(予定)は、K秘書が管理してくれています。パソコンの「予定表」でです。これは便利で、私のパソコンでも見ることができます。見るたびに、「あっ、また予定を入れたな」と気づきます。帰宅するときは翌日分を印刷して、金曜日には翌週分を印刷して渡してくれます。前日に渡してくれるときは、すかすかの日程なのに、K秘書が当日次々と仕事を入れることについては、何度も書いているとおりです(苦笑)。
しかし、私とK秘書だけでなく、復興庁内の職員がみんな、私の予定をそれぞれのパソコンで見ることができるのです(アウトルック、スケジュールの共有)。これは便利ですよね。一々私の秘書に電話をかけたり、歩いてきて私の空いている時間を確認する必要がありません。それぞれのパソコンで私の空いている時間を確認した上で、私の秘書に予約(アポイントメント)を入れれば良いのですから。
K秘書や職員に聞いたら、「そんなの、とっくの昔から使っていますよ」(知らないのは、岡本統括官だけです)と、笑われました。
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生き様-仕事の仕方
怒濤の1週間
3月1日から続いた、長い1週間が終わりました。この間、被災地視察(2泊3日)、宮城復興局(仙台)出張、大阪でのシンポジウム2回。東京では、自民党と公明党のそれぞれの加速化本部会議、連合での講演など。その上に、3.11を控え、記事や連載に力を入れてくれている、マスコミ各社の記者さんからの質問への対応。でも、関心を持ってもらえ、そして正しく伝えてもらえるなら、ありがたいことです。
昨日土曜日は、久しぶりに職場に休日出勤ができて、資料の片付けが進みました。たまっていたメールへの回答。積み上がった資料は、高さで15センチメートルは処理できました。あと25センチほど、残っていますが。実り多い1週間でした。
働く高齢者
2月18日の日経新聞に、「高齢者、働く人の1割に」という記事が載っていました。
65歳以上の就業者数は、2013年に636万人で、前年に比べ7%も増え、就業者全体に占める割合が初めて1割を超えたとのことです。
2012年で比べると、日本の9.5%に比べ、アメリカが5.1%、イギリスが3.2%、ドイツが1.9%、フランスは0.9%でしかありません。日本の高齢者の雇用が、際立っています。
また同じ調べで、65歳以上人口のうち労働力率(仕事に就いている人や働く意欲のある人の割合)は、日本は19.9%、アメリカは18.5%ですが、イギリスは9.2%、ドイツは4.6%、フランスは2.3%です。
これは、日本の高齢者が元気だからとか、生きがいがあると喜んで良いのか、それとも高齢者になっても働かなければならないと悲しむべきことなのでしょうか。かつて、西欧の労働者たちは、早く引退して年金生活でゆっくりしたい人が多いと、聞いたことがあります。
70歳くらいまでは多くの人が元気ですから、65歳以上とひとくくりにせずに、65歳から70歳までの数字、そして70歳以上の数字が知りたいですね。
私は、元気なうちは、そして社会に役立つのなら、何らかの形で働きたいですね。でも、「迷惑だから出てこないでください」と、言われないようにしなければ(参考「働く高齢者」2006年7月3日)。
組織の能力、7。仕事の割り付け
組織の分割と編成(2月12日)を効果的にするために、その前に、組織が成し遂げなければならない使命の明示と、そのための仕事の分割と道のりの明示が必要です。仕事をどのように分けて、誰に担ってもらうかです。
被災者生活支援本部では、「現地の課題と支援本部の取組み(分類)」(例えば平成23年4月7日)を作り、毎週改訂していました。復興庁でも、例えば1月に「26年度の取り組み方針」を示しました。
これで、関係者に「何が課題で、復興庁は何をしようとしているか」を理解してもらえます。また、職員にも「自分の仕事は、全体の中でどう位置づけられているか」わかってもらえます。職員にとって、自分の仕事の位置づけを理解することは重要です。
もちろん各担当責任者は、この分類の下に、自らの担当部分の仕事の工程表を持っています。復興庁には本庁で、約30人の参事官がいます。普通の省に置き換えれば、30もの課があるということです。班編制は、さらにたくさんになっています(一人でいくつもの班に、属しています)。
このような表は、仕事の体系であり、地図です。優先順位をつけることでもあります。どうってことのない表ですが、目に見える形にすることで、認識を共有してもらえます。よく言われる「見える化」です。私は、震災以来、こればかりやっているような気がします(苦笑)。
もちろん、事後には、どれだけできたかの検証も必要です。例えば「復興の取り組みと成果」「復興の現状」。
組織の能力、6。仕事の仕方と社風を作る、2
被災者生活支援本部は発災直後の混乱時期でもあり、政務職と事務職があつまり、毎日の会議で多くの事案を即断即決しました。職員もそのほか関係者も、「早く何らかの手を打たなければならない」という意識でした。また、世間全般が、そのような雰囲気でした。前回に述べた「公務員の欠点」は、出る幕がありませんでした。
まずは、どのような要望も意見も受け付ける。直ちに処理できるものは、そこで決める。直ちに返事できないものは、その旨を報告し、急ぎ検討してもらって、その結果を報告する。部下からの報告を待つのではなく、トップダウンで決めて進める。情報を待つだけでなく、こちらから聞きに行く。そのような仕事の仕方と社風ができ、それを、復興本部、復興庁に持ち込んだのです。
その結果、いくつも新しい解決を編み出してきました。もちろんこれは、国会や関係府省のご理解と協力のおかげです。
復興庁は今も、とてもフラットな組織で、統括官(局長)、参事官(課長)、企画官、補佐、係長、係員が、テーマごとに集まって議論をし、方向を決めています。通常の府省だと、係長や係員にとって、局長室は「遠い」です。
また、統括官や参事官が自らペンを持って、職員に指示を出します。ボトムアップを待つことなく、トップダウンで課題を解決するのです。業務が定型化してくると、ボトムアップになります。でも、次々と新しい課題が出てくるので、トップダウンにならざるを得ないのです。復興庁の参事官たちは、霞が関の課長の中でも、最も多くペンを持ち、パソコンで文章や資料を作っていると思います。
そして職員は、しばしば現地に足を運んで、現場を見ています。机上の空論でなく、現場で答を出すのです。あわせて、市町村長や自治体職員と、頻繁に意見交換をしています。これが、信頼関係を作っているのだと思います。それが、先日紹介した市町村長アンケート結果「復興庁の評価」に出ているのでしょう。
復興庁で仕事をした多くの職員が、このような仕事の仕方と社風に驚いて、「勉強になった」と言ってくれます。「親元の省では、新しい事業を考えても、予算要求の枠があり、上司を説得してと、なかなか実現できません。復興庁では、こんなに早くできるとは」とか「新しいことができ、結果が出せるので、うれしかったです」とか。もっとも、もれなく「仕事は大変です」という言葉も、ついています(苦笑)。