カテゴリーアーカイブ:著作と講演

図・公私二元論から官共業三元論へ(課題の認知)

2023年4月20日   岡本全勝

図・公私二元論から官共業三元論(サービス提供)」に続いて、第148回「「新しい行政手法」─NPOとの関係」に載せた「図・国家の役割の変化─社会課題の認知と取り組み」を再掲しておきます。

左側は図表2「サービス提供、公私二元論から官共業三元論へ」の右側と同じで、右は左の上下を反転したものです。左はサービス提供という視点で見ているのに対し、右は住民の問題を拾い上げるという視点で見ています。
仮設住宅での孤立防止の見守りや子ども食堂は、非営利団体が考えた仕組みです。子供の貧困と子ども食堂は、非営利団体が拾い上げ対策に乗り出しました。そしてその活動を、政府が支援しています。
公私二元論では、個人の困りごとは本人と家族が引き受けるもので、それを超えると行政が支援します。公共空間を行政が独占するという公私二元論の構図では、このような非営利団体の活動は見えてきません。行政も非営利団体も企業も社会を支えるという官共業三元論の見方では、すんなりと位置づけられます。

ベトナム政府幹部研修

2023年4月19日   岡本全勝

今日4月19日は、政策研究大学院大学で、ベトナム政府幹部研修の講師を務めてきました。20人が訪日されて、対面での講義でした。「リーダシップの理論と実践」で、大震災での私の経験をお話ししました。

ベトナムは台風や豪雨災害はありますが、地震と津波はないとのこと。写真を見せての講義なので、理解してもらえたようです。皆さん勉強熱心で、鋭い質問もたくさん出ました。新型コロナでハノイ市を封鎖した際に、物資を届けるのに苦労したとのこと。「私を呼んでくれればよかった」と宣伝しておきました。

通訳も上手で、笑いをとることもできました。ベトナム語も、難しい言語だそうです。母音がたくさんあり(10以上)、中国語の四声に当たるイントネーションが6つあるとのこと。

 

連載「公共を創る」第148回

2023年4月13日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第148回「「新しい行政手法」ーNPOとの関係」 が、発行されました。

新しい社会の課題に対する新しい行政手法について議論しています。
この課題の難しさは、どこにもお手本が無いだけでなく、個人や社会の目的が豊かさから幸福さに変わったことについて、政府を含め広く関係者が認識を共有しなければならないこと、その上で社会の仕組みを国民の同意を取りながらより適合したものに変えなければいけないことという二段階で、これまでの通念や成功体験を大きく変更する必要があるからでもあります。
そしてその転換は、大げさに言えば200年ぶり(我が国では150年ぶり)に、人間像と社会像を転換する大作業なのです。その一つは、自立した市民とそれが構成する社会という世界像からの転換です。もうひとつが、政府は個人の自由に干渉しないという関係の見直しです。

新しい課題と手法については、誰がそれを課題として見いだすかという論点もあります。行政が対応に遅れ、非営利団体が先に取り組んでいます。彼らの感度の良さと熱意に、公務員は負けていないでしょうか。

連載「公共を創る」第147回

2023年4月7日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第147回「「新しい行政手法」─その特徴と課題」 が、発行されました。

日本は経済成長に大きく成功し貧困を克服したのですが、成熟社会に入って新たな不安が生まれました。豊かさや便利さが自由をもたらしましたが、孤独を生みました。貧しく助け合って生きていた時代の通念や仕組みが、豊かで自由な暮らし方とズレを生んだことで、安全網が機能しなくなりました。「貧しさの解消」という課題に対しては、「モノとサービスの提供」が有効で、そのための政策が大きな成果を上げました。しかし、新しい国民の不安については認知が遅れ、取り組みも始まったばかりです。

新しい手法は、次のような点で、これまでの行政手法とは異なります。
・社会には、さまざまな困難を持った人がいることの認識
・視点を変える必要性
・組織でなく個人への支援が必要
・困難を抱えた人への支援
・行政の限界

連載「公共を創る」執筆状況

2023年4月5日   岡本全勝

恒例の連載「公共を創る」の執筆状況報告です。締め切りに追われつつも、遅れずに出稿することができています。
記事になったのは、第146回(3月16日号)までですが、あと2回分がゲラになっています。執筆の方は、「第4章2社会と政府(3)社会をよくする手法」を書き終え、右筆に預けました。

私は、「第4章3政府の役割の再定義(1)社会の変化と行政の役割」を書き始めています。これまでの記述を踏まえて、いよいよ結論部分です。(全体の構成
で、過去に集めた資料やその時々に書き散らした原稿の素を入れてある半封筒を引っ張り出して、並び替えを始めました。結構な分量です。すると、第4章2のために集めてあった資料なども出てきて・・・。「そういえば、こんな封筒もつくったよなあ」と思い出しますが、後の祭りですわ。古くなったもの、重複したようなものも多く、かなり捨てることができました。

2019年4月から4年近く連載してきました。かなり広い範囲と視野で書いてきたので、それを締めることは結構な力が必要です。骨子も主張もはっきりしているのですが、どこに何を書いたかを覚えていないのです。過去の記事を再度眺めながら、なんとか形を整えましょう。