カテゴリーアーカイブ:社会の見方

日本人の身長、伸びが止まった

2022年11月20日   岡本全勝

11月5日の日経新聞に「170.9センチの壁 日本人、すでに「身長の限界」に?」が載っていました。

・・・日本人の身長は戦後一貫して伸びてきた印象がある。しかし実際は30年近く横ばいが続き、すでに低下が始まっているという調査もある。日本人はもう大きくならないのだろうか。
文部科学省の学校保健統計調査によると、17歳の平均身長は1994年度に男性170.9センチ、女性158.1センチを記録して以降、2021年度まで30年近く横ばいが続く。平均身長は右肩上がりというのは思い込みのようだ・・・

男性平均は、縄文人159.1センチメートル、弥生人161.4センチ、古墳時代163センチ、江戸時代157.1センチだそうです。1896年から1996年の100年間に、男性が14.6センチ、女性が16センチ伸びました。これは、世界でも5指に入るのだそうです。
しかし、この30年間は伸びていません。経済成長と同じ傾向を示すのでしょうか。

外国語の本

2022年11月15日   岡本全勝

神田の古本市に行って、次のようなことを考えました。
外国語の本が少ないのです。いわゆる洋書(英語やフランス語)はいくつか並んでいました。ここで取り上げるのは、中国語(古典漢文ではなく)や韓国語をはじめとするアジアの本です。

一つには、日本人は、アジアの国々のことを勉強していないのか、ということです。もちろん、たくさんの本が翻訳されていますが、原書を読む人はいないのでしょうか。
明治以来、欧米先進国から学ぶことを「国是」としてきたので、アジアの事情は一部の関係者と関心ある人だけが勉強しました。英語は必須としても、大学で学ぶ第二外国語はフランス語やドイツ語が多かったのではないでしょうか。

もう一つは、日本にたくさんの定住外国人が来ています。その人たちは、どこで本を入手しているのでしょうか。古本市で求める人は少ないでしょうが、ベトナム語、タガログ語、インドネシア語、ベトナム語などを母語とする人たちは、どこで本を買っているのでしょうか。
その方面に詳しい知人に聞くと、各国の食材店に雑誌や本が置いてあると教えてくれました。
各地の図書館には、どの程度、外国語の本が置いてあるのでしょうか。全国各地にいる外国人が母国語の本を手にとって見ることができるには、どうすればよいのでしょうか。「日本に来たのだから、日本語を勉強せよ」でよいのでしょうか。

11月9日の日経新聞1面には、「日本語教室「空白地域」46% 教師の4割、東京に集中」が載っていました。
・・・外国人労働者やその家族らが通える日本語教室がない「空白地域」が自治体の46%に上ることが文化庁の調査で分かった。教師の4割超が東京都に集中し、地方では指導者が不足。山形・三重両県は教師1人当たりの生徒数が東京の約9倍に上る。日本語を学ぶ機会の確保をうたった日本語教育推進法の施行から3年たったが、環境整備がなお進まない現状が浮かんだ・・・

アメリカの文化戦争

2022年11月15日   岡本全勝

11月3日の朝日新聞オピニオン欄、ジェームズ・ハンター、アメリカ・バージニア大学教授の「文化戦争、懸念される暴力」から。

米国では「文化戦争」が長く続いてきました。代表例は人工妊娠中絶への賛否でしょう。時代とともにテーマは変わります。同性愛の権利や性的少数者の権利も長く争われてきました。最近では新型コロナ対策と、争点は無限にある。ただ根源には、米国民の世界観の対立があります。
何が善い人生で、何が善い生活なのか。米国は一つの国でありながら、文化が異なる二つの太陽系に住んでいるようなものなのです。

もともとは宗教派と非宗教派の争いでした。しかし、2008年のリーマン・ショックを経て、「階級間の文化戦争」に発展してきた経緯があります。高学歴で非宗教的なエリート層(進歩派)と、高学歴ではない中流階級や労働者階級の人々(保守派)との対立が現在の姿です。
この力学を利用したのがトランプ前大統領でした。16年の大統領選で、民主党のヒラリー・クリントン候補がトランプ支持者を「みじめな人々」と呼んだように、保守派は進歩的な人たちに見下されていると感じていた。そこにトランプ氏が現れたのです。

我々が実施した調査によれば、保守派も進歩派も、互いに相手が「存在しなくなればいい」とまで願っている。1990年代には見られなかった現象です。過去と異なり宗教色はかなり薄まり、むしろ、自分たちの「生き方」が危機に直面しているとの感覚が強まっている。だから文化戦争は激化しているのです。
物事は多面的であり、核となる合意がなければ社会は成り立ちません。連帯がなければ、一方が強制的に押しつけられる状況になる。それがいま起きていることなのです。

フランスの宗教対策

2022年11月14日   岡本全勝

11月1日の朝日新聞、大石眞・京都大学名誉教授、宗教法学会理事長の「カルト対策、一過性で終わらせず 先進国・フランスに学ぶこと」から。

――フランスでは2001年に同法(セクト規制法)が制定されました。
「私は、今のフランス社会と宗教との関係の特徴は、法整備にあるのではなく、情報の発信のしかたにあると感じています」
「1990年代から政府にセクト対策の監視団が設けられ、現在は02年に首相直轄の機関として設置された『関係省庁セクト逸脱行動に対する警戒・対策本部(ミビリュード)』があります。この機関は、『人権・基本的自由を侵害するか、公共の秩序の脅威となり、または法令に違反する活動』を行う団体の監視や分析、情報発信などの任務を担い、被害者本人からの相談も受け付けています」
「03年に年次報告書を出して以降、随時情報を更新しており、セクト的な性格を持つ活動に関する相談事例は年々増えていることがわかります。被害にあった当事者からだけではなく、学校や自治体などで被害者と接点がある公務員など第三者からも本部に通報が寄せられており、セクト的な逸脱行動への危機感が社会的に認識され、相談機関の存在が周知されている様子も伝わってきます」

――被害の相談を受けるだけではなく、積極的な注意喚起もしているのですか。
「未成年者向け、公務員向け、若者向けなど、それぞれ対象を想定して注意喚起を行うガイドブックなども出しています。宗教との向き合い方を多くの人が考えられるという意味でも、政府も関わって継続的に情報を収集し、発信する仕組みが整っている意義は大きいと思います」

――フランスには、宗教団体など問題がある団体を解散させる制度があります。
「対象となるのは、刑法・公衆衛生法・消費法で定められた特定の罪に該当する行為をしたことによって、『心理的・身体的な隷属』をもたらす団体に限られています。特定の団体そのものが悪いのかどうかということではなく、その団体が取っている行動について、法を逸脱する行為があったときには取り締まるようにする。団体の教義や特殊性に着目して判断するのではなく、個別の行為に着目するべきなのです」

――宗教団体による反社会的な活動は、過去にも問題となったことがありました。
「日本のマスメディアも行政も、この課題を一過性のものとして捉えてはいけない、と指摘したいと思います。国会も、同じです」
「フランス議会の下院では、これまで3度にわたって調査特別委員会が設けられ、そのたびに報告書が公にされてきました。日本では、継続的な注意喚起や情報収集、公開といった活動が足りていないのです」

足立区立郷土博物館「琳派の花園 あだち」

2022年11月12日   岡本全勝

足立区立郷土博物館「琳派の花園 あだち」を紹介します。新聞で取り上げていたので、行ってきました。琳派と足立区とは、どのようなつながりか。多くの人は不思議に思うでしょう。私もそうでした。
江戸後期に、琳派の絵師たちが現在の足立区で活躍したのです。そして、千住の有力町人たちが、その絵を買い求めました。それが、区内の住宅に残されているのです。個人が所蔵して楽しんだ物なので、小ぶりな物が多いですが、なかなか立派な作品が並んでいます。

絵画というと、王侯貴族や豪商が支援者となって所有した、それが美術館に納められていると思ってしまいます。しかし日本でも、藩主や有力武士、豪商だけでなく、有力町民や農家も支援者となり所有者だったのです。
明治以降、伝統文化を捨て、欧米文化に傾倒したこともあって、日本美術は正当な評価を受けてこなかったようです。その後、日本美術が再評価され、神社仏閣に保管されていた美術品は鑑賞の対象となりましたが、個人蔵の美術品は日が当たりませんでした。「お宝探偵団」が、それに日を当てました。

足立区の個人宅に残された名品が、このような形で展示されるのは、素晴らしいことですね。関東大震災と太平洋戦争の空襲がなければ、もっとたくさん残されたのでしょうが。
各地の小京都と呼ばれる地方都市でも、祭りの際に展示されることもあります。各地でさまざまな催しがなされることを期待します。

郷土博物館には、亀有駅からバスで行きます。亀有駅前では、あの「こち亀」の両津巡査長の銅像が出迎えてくれます。