外国語の本

神田の古本市に行って、次のようなことを考えました。
外国語の本が少ないのです。いわゆる洋書(英語やフランス語)はいくつか並んでいました。ここで取り上げるのは、中国語(古典漢文ではなく)や韓国語をはじめとするアジアの本です。

一つには、日本人は、アジアの国々のことを勉強していないのか、ということです。もちろん、たくさんの本が翻訳されていますが、原書を読む人はいないのでしょうか。
明治以来、欧米先進国から学ぶことを「国是」としてきたので、アジアの事情は一部の関係者と関心ある人だけが勉強しました。英語は必須としても、大学で学ぶ第二外国語はフランス語やドイツ語が多かったのではないでしょうか。

もう一つは、日本にたくさんの定住外国人が来ています。その人たちは、どこで本を入手しているのでしょうか。古本市で求める人は少ないでしょうが、ベトナム語、タガログ語、インドネシア語、ベトナム語などを母語とする人たちは、どこで本を買っているのでしょうか。
その方面に詳しい知人に聞くと、各国の食材店に雑誌や本が置いてあると教えてくれました。
各地の図書館には、どの程度、外国語の本が置いてあるのでしょうか。全国各地にいる外国人が母国語の本を手にとって見ることができるには、どうすればよいのでしょうか。「日本に来たのだから、日本語を勉強せよ」でよいのでしょうか。

11月9日の日経新聞1面には、「日本語教室「空白地域」46% 教師の4割、東京に集中」が載っていました。
・・・外国人労働者やその家族らが通える日本語教室がない「空白地域」が自治体の46%に上ることが文化庁の調査で分かった。教師の4割超が東京都に集中し、地方では指導者が不足。山形・三重両県は教師1人当たりの生徒数が東京の約9倍に上る。日本語を学ぶ機会の確保をうたった日本語教育推進法の施行から3年たったが、環境整備がなお進まない現状が浮かんだ・・・