カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

テレワーク、心の不安

12月21日の読売新聞夕刊に「テレワーク 話せぬ不安 心の不調訴え」が載っていました。
・・・新型コロナウイルスの感染拡大で急速に広まったテレワーク。時間や場所にとらわれない柔軟な働き方として歓迎される一方、コミュニケーション不足や、仕事とプライベートの区別がつきにくいためにストレスを抱える人も増えている。心身に不調を来す「テレワークうつ」をどう防げばいいのか・・・

・・・「ずっと家にいて気持ちが晴れない。食欲不振になり、体重も減っている」「最近、仕事中に涙が出て止まらない」
人事コンサルティング会社「ピースマインド」(東京)には、在宅勤務の長期化で心身の不調を訴える相談が増えている。感染拡大で出社を控える動きが広がった当初は、在宅勤務への戸惑いや感染への不安といった声が多く寄せられたが、8月以降、相談内容の傾向が変わってきたという。
不調の原因は、テレワークならではのストレスだ。自宅で一人でパソコンに向かい、仕事の報告をしたり、指示を受けたりするのはメールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が中心。職場で顔を合わせているのと違い、上司に相談するタイミングも計りづらい。そのため仕事が進まず、焦りや不安を抱えるようになってしまう。

「オフィスでは、何げない会話でコミュニケーションをとっている。相手の顔が見えないテレワークでは、定期的に話す機会をつくって、不安感や焦りを減らしていくことが大切」と同社の臨床心理士、武田英彦さんは指摘する。
企業の総務部門の担当者向け専門誌を発行する「月刊総務」(東京)が9月、全国の総務担当者を対象に調査を実施したところ、回答した255人のうち73・3%が「テレワークの方が従業員のメンタルケアが難しい」と回答した・・・

休み明けの憂鬱

12月22日の日経新聞夕刊Bizワザ「休み明けの憂鬱解消術」から。

・・・老若男女を問わず、休日の前後に体の不調を感じるほか、気持ちが憂鬱になる人は多いだろう。特に働いている人は仕事を考えればなおさらだ。こうした症状を「一時の不調」と我慢して乗り切ることもできるが、実はちょっとした行動でも改善できる。
まず、日曜日の夕方あたりから翌日の仕事などを考え気分が沈む場合を考えよう。この時間帯に放映するアニメ番組にちなみ「サザエさん症候群」とも呼ばれる。精神科医の堤多可弘氏は「予期不安といい、まだ起きてもいないことを先取りして過剰に不安視すること」という。

「週明けのプレゼンが緊張する」「提出済みのリポートを上司に注意されるのでは」――。いずれも事前に悩んでも対応できないが、不安を解消しようと無意識に考えてしまう。仕事の自由度が少ない人ほど、こうした不安に陥りやすいという。
堤氏は「不安を感じる内容をメモに書くなど、表に出してほしい」という。文字にすることで、冷静に現状を確認できる。メモなどは仕事の際に目のつく場所に置けばよい。あとはリラックスし、仕事までは極力メモの内容は忘れてしまおう・・・

・・・日曜日の夕方に感じる不安とならび、多くの人が悩むのが「ブルーマンデー」とも呼ばれる休み明けの体の不調と憂鬱感だ。月曜日の朝は目覚めが悪く、会社に行っても体が重く仕事に身が入らない、という経験をした人は少なくないだろう。
原因の一つとされるのが「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)」だ。ジェットラグ(時差ぼけ)は日本と時差が大きい国に行った際、就寝時間が変わり体内のリズムが崩れて体調不良になることだが、平日と休日の起床時間が大きくずれても同じことが起きる。

週末夜更かしをして、土日に朝寝坊するのが一因だ。この習慣を続けることは、毎週末に時差が大きい国に旅行するようなもので、体は休まらない。
大事なのは土日の朝寝坊を少しでも減らすこと。休日の午前中に予定を無理やり入れるのも手だ・・・

低い在宅勤務の生産性、2

12月13日に「低い在宅勤務の生産性」を紹介しました。記事に出てくる、経済産業研究所の調査は、「コロナ危機下の在宅勤務の生産性:就労者へのサーベイによる分析」です。簡単には、「ノンテクニカルサマリー」がわかりやすいです。

在宅勤務の生産性(主観的評価)は、平均値で職場の約60%、中央値で70%です。新型コロナを契機に開始した人の在宅勤務の生産性は平均約58%で、平時から行っていた人約77%に比べて低下が大きいです。
在宅勤務の生産性が職場に比べて低下する理由としては、フェイス・トゥ・フェイスでの情報交換の欠如、自宅の情報通信設備の制約、法令や社内ルールによる制約などが挙げられています。

社長の謝罪

日経ビジネス2020年12月21日号は、特集「謝罪の流儀」です。毎年年末に特集しているとのことです。記事の「経営の神様・松下幸之助 その奥の手は謝罪だった」を、日経新聞のネットニュースで読むことができます。

・・・いざ会議が始まると、議論はもめた。販売側は「松下の社員は相手の立場になって考えることを忘れている」などと批判を重ね、松下側も「売る方の経営姿勢に甘えがないのか」と迫る。幸之助氏は事前に「共存共栄」と書いた色紙を参加人数分用意していたが、対話はお互いの主張をぶつけ合う形で平行線をたどった。
そして、最終日に飛び出したのが、幸之助氏の謝罪だった。「原因は私どもにある。松下電器の体たらくは申し訳ない不始末だ。報恩の念に燃えて、経営の一切の立て直しをしなくてはならない」。時折ハンカチで目頭を拭い、途切れ途切れに語る「経営の神様」の姿。会場が粛然とした空気に包まれた、と参加者らの声も集めて作成した同社の百年史は伝えている・・・

・・・過去の企業トップの謝罪で真っ先に浮かぶのは何だろうか。「かつては当局が挙げた案件に対して企業が会見で謝るという流れが一般的だった」と電通PRの黒田明彦・企業広報戦略研究所フェローは振り返る。その流れを変えたのが、2000年の雪印乳業(現雪印メグミルク)の集団食中毒事件だった。記者会見後のエレベーターホールで時間延長を求めた記者に対し、当時の社長が「私は寝てないんだ!」と口走ってしまった一件だ。
この言葉が翌日の新聞紙面に踊り、1万5000人近い食中毒被害者を出した惨事に対する企業トップの認識不足が白日の下にさらされた。「あれ以降、企業の不祥事会見が数字の取れるコンテンツとして、メディアで取り扱われるようになった」(危機管理コンサルタント)
2000年代半ばには期限切れ原材料の使用など食品偽装が次々と発覚。そして07年、料理の使い回しなど不適切な運営で窮地に立った高級料亭、船場吉兆の記者会見で「劇場化」はピークを迎えた。女将の湯木佐知子氏が隣に座る息子の湯木喜久郎取締役に「頭が真っ白になったと(言いなさい)」などと小声で話すシーンがテレビで繰り返し放送され、「ささやき女将」が時の言葉となった・・・

記事で「かつて在籍した吉本興業において同社のリスク管理を一手に引き受け「謝罪マスター」の異名を取る竹中功氏」が出ておられますが、このホームページでも紹介したことがあります。

腰掛けシニア

12月12日の日経新聞1面連載「ニューワーカー 新常態の芽生え」「腰かけシニアは限界」から。

・・・「腰掛けシニア」。こんな言葉が企業でささやかれている。定年後にやる気をなくしたまま企業にしがみつく社員のことだ。企業活力研究所(東京・港)の調査によると「意欲を持って働いている」と答えた60代は54%と半数にすぎない。働き手としてもう一度輝いてもらおうと、一律の処遇をやめ、仕事の内容や成果を給与に反映するといった取り組みが広がっている・・・

・・・60歳以上が労働人口に占める比率は2019年時点で21%と、10年で3ポイント上昇した。大量採用したバブル世代が役職定年に差しかかるなか、中高年の生産性向上は企業にとって死活問題となった。中央大学大学院の佐藤博樹教授は「定年後などもマインドを変えられない管理職経験者が増えており第二の『新人教育』が必要だ」と指摘する・・・