カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

在宅勤務で問われる管理職の指導力

9月15日の日経新聞「テレワークできてますか(3)」は「受け身の上司はいらない 「在宅」で問われる指導力 進む管理職改革、降格も」でした。
・・・できる上司とできない上司――。テレワークの広がりは、管理職の優劣も浮き彫りにした。リモートでも仕事を適切に割り振った管理職がいる一方、目の前に部下のいない状況に戸惑い業務が滞った人もいた。新型コロナウイルス後をにらんだ管理職改革が広がっている・・・

・・・「自己の役割ランクに応じた具体的な『役割』と『業務内容』を明記し、提出願います」。中堅機械メーカーの中西金属工業(大阪市)は7月中旬、全管理職約150人に通達した。管理職の役割を改めて自己分析してもらう狙いだ・・・まずは日報提出と部署内での共有を義務付けた。
日報を基に上司が部下に適切な助言をできれば。そんな思惑だった。ところがむしろ管理職の課題が明らかになった。例えばある管理職は「午前メール処理、午後資料作成」と書いた。実際に何をしているのか分からない。中西竜雄社長は「2割は部下への指示・助言も不十分で役割を果たしていなかった」と漏らす。
出勤していれば部下の様子は目に入る。誰かしらが相談や報告にやってくるし会議も多い。主体的に動かなくても一日が終わる。受け身の姿勢が染みついた管理職は、テレワーク環境で機能停止していた・・・

・・・内閣府の調査では、テレワークで生産性が落ちたとの回答が約半数を占めた。一因は上司と部下のコミュニケーション不全だ。
アデコが管理職と一般社員を対象に7月実施した調査によると、テレワークで部下とのコミュニケーションが減ったとの回答が約4割に上った。具体的な課題(複数回答)は「チーム間でのコミュニケーション不足」33%、「部下とのコミュニケーション不足」31%、「部下の仕事ぶりが分からない」22%など。部下側も「上司とのコミュニケーション不足」31%、「さぼっていると思われないか」28%など、上司と部下双方の不満がうかがえる・・・

・・・これまでのやり方を見直すのは楽ではない。中西金属工業も、すべての管理職が自分の役割を見いだせてはいない。会社は各自がまとめた「役割」「業務内容」などを基に全管理職と面談中だ。ベテラン社員が指導役になり、業務を「将来につながる仕事」「現状の業務に不可欠な仕事」「なくせる仕事」に分類し、将来につながる仕事の比率を高めるよう促していく・・・

日報と役割シートについて、よい記入例と悪い記入例も、載っています。これは、わかりやすいです。参考にして下さい。

広報の家庭教師

9月14日の朝日新聞夕刊「凄腕しごとにん」は、「広報の家庭教師」を自称する、舩木真由美さんでした。「広報担当者を育てた企業、約120社

・・・小所帯のベンチャー企業は、当初は広報担当者がおらず、メディアに情報を伝えるプレスリリース(発表資料)作成や情報提供自体をPR会社に外注することが多い。自身も、かつてPR会社で働いていた。
しかし、そこでたどり着いたのが「広報は、伝言ゲームのようになるよりも、企業理解や商品愛がある社内の人間がやった方がいい」という「自走」の思想だ。そのため、いつまでも黒衣として広報活動自体を手伝うのではなく、約1年で独り立ちできるように「広報の仕方」を伝えている。
広報の仕事と言えば、一般に思い浮かべられるのが、プレスリリースづくりやメディアの記者との関係づくり。でも、それ以上に難しいのが「どのネタをどう打ち出すか」という企画づくりだという・・・

・・・よく伝えるのが「米国の大手IT企業では、新規事業の決裁文書がプレスリリース形式になっている」という話。プレスリリースには、事業概要や立ち上げの背景、ターゲット層などをA4一枚で書くのが一般的だ。企画段階でプレスリリースを書けるか否かで、それが社会で必要とされている事業かどうか見極められ、本当に顧客や社会の求める事業につながると説いている・・・

・・・広報の指南役として社会の課題を知り、情報の目利き力を養うために「インプット」を大事にしている。毎朝、主要各紙をチェックし、ニュース検索のキーワードに「法改正」を登録して社会の変化をつかむ。ツイッターでは多様なアカウントを追いかけ、本を読み、評判の映画を月8本は見る。そうやって培った視点やノウハウも支援先に伝授する・・・

仕事をする上でのコツが、書かれています。広報担当者だけでなく、社員と職員に有用です。全文をお読み下さい。

職場でコロナ感染が出たらどうするか

9月11日の日経新聞に「社員がコロナ感染 心得は 専門家の話・企業の実例からみる」が載っていました。
「感染拡大の勢いは鈍ってきたが、新型コロナウイルスの収束はいまだ見通せない。今春と比べ出勤者が増えたことで、企業のリスクはむしろ高まっている。社員のコロナ感染を想定し、周到な準備が欠かせない。専門家への取材をもとに、具体的な心得やノウハウをまとめた」

参考になります。
世界中の職場で初めて経験する、感染症の拡大。ほとんどの人は経験もなく、事前の教育も受けていないでしょう。しかし、感染拡大から、半年以上が経ちます。さまざまなことがわかってきました。職場の管理職は、対応策について「知りませんでした」では、すまなくなりました。参照「明るい公務員講座 管理職のオキテ」P170。
一部を抜粋します。全文をお読み下さい。

・・・(1)行動追跡へ席固定
企業が対応を迫られるのは、感染による業務への影響が大きいからだ。
労働契約法は企業に対し「従業員全体に安全な就業環境を提供する義務を定めている」(アンダーソン・毛利・友常法律事務所の松村卓治弁護士)。感染者を出社させると他の社員の健康を損ないかねない。「職場内の感染をいかに防ぐか」が対応の焦点になる。
最優先は保健所との迅速な連携だ。社員が陽性判定を受けると、診断した医療機関は最寄りの保健所に届け出る・・・
・・・保健所と連携する第1の目的が、感染者と濃厚接触した社員の特定だ・・・保健所と連携する第2の目的が消毒だ・・・

(2)陰性証明は求めず
職場での感染連鎖を防ぐには、社員に自宅待機を命じる必要も出てくる。賃金の扱いや復帰までの期間は、感染者か濃厚接触者かで異なる・・・
安心のためとはいえ、自宅待機の解除にあたって陰性証明書や治癒証明書を求めるのは禁物だ。
PCR検査の実施能力には限りがあり、その精度自体にも課題があると指摘されている。専門家らは「陰性証明は実効性に乏しい」と口をそろえる。厚生労働省も「医療機関に発行を依頼する行為は控えてほしい」と訴えている。

(3)公表は同意の上で
企業によって判断が分かれているのが、社内に感染者が出た事実をどう開示するかだ・・・

働き方改革で増える管理職の残業

9月13日の朝日新聞に「飲食業界、悩み多き中間管理職」が載っていました。それによると。
日本企業の特徴として、プレイングマネジャーが多いのだそうです。産業能率大学総合研究所の調査では、部長の95%ほどが、プレーヤーとしての役割を担っています。管理するだけでなく、現場で汗をかいています。

しかし、部下の仕事の肩代わりをすることで、長時間労働になりがちです。
企業活力研究所の調査では、週60時間以上働き過労死ライン(月平均80時間超の時間外勤務に相当)に当たるミドルマネジャーが、4人に1人いました。残業時間の規制が強まったことで、部下に仕事を回せず、労働時間が延びた管理職もいます。
パーソル総合研究所の調査では、働き方改革が進んでいるとした企業では、管理職の62%が業務量が増えたと回答。進んでいないという企業の48%を上回っています。

そして、管理職は、残業代がもらえません。ただし、名ばかり管理職は、裁判で残業代が認められています。

子供が学校に行きたくないと言ったら

9月1日の日経新聞夕刊「不登校の兆しが見えたら 接し方見直すきっかけに 精神科医・宮島賢也さんに聞く 否定せず、冷静に耳傾け」から。

・・・子供が「学校に行きたくない」「今日は休みたい」と言い出したらどうすればよいか。学校に行き渋る、病院を受診しても異常がないといった小さなサインがあったら親は接し方を見直そう。自身がうつ病を克服した経験のある精神科医、宮島賢也さんの助言を日経BPの共働き世帯向け情報サイト「日経DUAL」から紹介する・・・

・・・絶対に避けたいのは子供を叱ること。つらい気持ちを抱えているのは子供自身。親からも問い詰め、責められると「自分の気持ちを分かってくれない」と心を閉ざし、逆効果だ。
その日の登校より大切なのは、まず安心させてあげることだ。親が心から受け入れ、学校に行かなくても大事な我が子であることに変わりないという姿を見せれば事態は好転していく。

不登校や行き渋りの兆候が表れると、親は理由を特定し、その原因を取り除けば変わると考えがち。しかし、仮に友達とのトラブルなど直接のきっかけがあっても、それは単なる表面上の原因で、根本原因ではない。友達とのいざこざは子供の成長につながる試練という場合もある。親が介入し解決しても再び同様の問題が起きたときに乗り越えられず、不登校や別の形で問題が噴出することもある。

根本の原因は子供が本来の自分を見失い、物事を悲観的に捉える癖が付いて生きる力が弱まってしまっていることだ。心は3層構造で顕在意識、潜在意識のさらに下に「本来の自分」があると考えられている。親は本来の自分を引き出すサポート役に徹してあげてほしい。心の癖が改善し、生きる力も回復するはずだ。
自分が本当に安心できる環境がないと本来の自分は引き出せない。親が心掛けるポイントは5つある・・・

・・・4つ目は夫婦関係を見直すこと。子供の不登校に相談に来る親の約9割は「夫婦関係」に問題を抱えている。本来、子供が安心して過ごせるはずの家が不安な場所になると、心配で学校に行けなくなる。夫婦の関係がこじれていると、関心が子供に集中し、窮屈な気持ちになる場合もある・・・

子供が「学校に行きたくない」と言い出したら、親はどうしてよいか困りますよね。原文をお読みください。