投稿者アーカイブ:岡本全勝

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第10回目

2017年12月8日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの講義。早いもので、10回目です。そこで、これまでの講義を振り返って、どのような視点で見ると分かりやすいか、どこが要点かを説明しました。
これまでに配ったレジュメを読み返し、教科書を読み直すと、全体像がよくわかります。最初読んだときには難しかった部分も、今読むと「なるほど」と思えるでしょう。部分を深めるだけでは、理解は進みません。常に、全体と部分を意識し、行き来しながら勉強してください。これは、本を読む際も同じです。少し読み進んだら、目次を見て、今どこを進んでいるのかを再確認しましょう。

特に地方財政は、個別自治体の財政と、1700団体全体の財政があります。ミクロとマクロです。そして、それを地方財政計画や交付税がつないでいます。さらに、日本経済の大きな部分を占める役割と、行政サービス提供・地域の均衡ある発展といった政治としての役割があります。財政は、経済と政治の接点です。このように、視点がいくつかあるのです。

今日は、地方債と公営企業、第3セクターを説明しました。鉄道、バス、下水道、病院など、身近なサービスを説明するので、学生も取っつきやすいでしょう。自治体が、様々な事業をしていることに驚く学生が多かったです。

官僚の信頼を低下させたもの

2017年12月7日   岡本全勝

朝日新聞連載「平成経済 グローバル化と危機」、12月3日は「大蔵接待「料亭は飽きた」」でした。
内容は、原文を読んでいただくとして。1990年代に、官僚への信頼が急速に低下しました。
その要因の一つは機能であり、もう一つは清潔さでしょう。
機能については、明治以来、先進国の先端行政を輸入し、効率的に日本に広めることに、官僚機構は良く役割を果たしました。
しかし、先進国に追いついたことで、この手法は終わりました。官僚主導、行政指導、護送船団行政は、時代遅れになったときに、批判されるものとして使われた言葉です。
新しい国家目標、新しい手法を提示できなかったのです。変わらなければならないときに、変えることができなかったのです。
清潔さについては、かつては「官僚は安い給料で夜遅くまで、国家のために働く」という評価を受けていました。その信頼が、記事にあるような一部の官僚の非常識な行動で、崩れてしまったのです。

新しい時代での役割を考え、国民の信頼を取り戻すこと。これが、官僚に期待されています。

自治体と企業との連携

2017年12月6日   岡本全勝

福島県と三井住友海上火災保険が、包括連携協定を結びました。大震災からの復興と地域の活性化のため、さまざまな協力をしようというものです。
資料を見ていただくと、具体的には次のような項目が並んでいます。
・会社のお客様向けウエッブ配信サービスを使って、県の情報を定期的に配信すること
・ロボット分野での、事業者の紹介
・会社の県内代理店(620店)を活用した地域見守り活動
・県内市町村の業務継続計画策定への支援

企業は、さまざまな道具や技術を持っています。それを、地域の活性化に活かそうというものです。ありがたいことです。
ところで、自治体は、企業がどのような技術を持っているか、何を提供してくれるか、情報を持っていません。他方で、企業は、持っている技術を使って、どのように地域に貢献できるか、よく分かりません。
課題は、自治体と企業を結びつけることです。
具体的に取り組みが成果を上げれば、世間の人に認知され、他の企業にも広がると思います。

「先送り」から「先取り」へ

2017年12月5日   岡本全勝

12月2日の日経新聞1面「ポスト平成 新しい日本へ」、原田亮介・論説委員長の「「先送り」から「先取り」の時代へ」から。
・・・平成が2019年4月末で終わる。何度も危機に見舞われた停滞の時代である。1945年以降の昭和が復興と高度成長の時代だったのとは対照的だ。
経済の停滞は金利の動きで明らかだ。長期金利は改元の翌年秋、8%台のピークを付けた。その後は急坂を転げ落ちるように下がり続け、山一証券などが破綻した97年に1%台に突入した。以後20年、超低金利がすっかり定着したのである。
停滞が続いた理由は何か。不良債権問題が典型だが、政府も銀行も企業も、問題解決を「先送り」し、無駄に時間を費やしたからではないか。
地価がまた上がるという希望的観測に頼ったり、自らの責任を免れるために痛みを伴う解決に逃げ腰になったり。結局、金融危機から脱出するのに平成の前半15年間が、まるまる消えていった・・・

「先送りから先取りへ」は、簡潔で良い表現ですね。原文をお読みください。