投稿者アーカイブ:岡本全勝

正社員を守る労働組合

2017年12月12日   岡本全勝

朝日新聞連載「平成経済 グローバル化と危機」、12月10日は「ブラック企業を生んだ「分断」」でした。
・・・20年前の金融危機は、「大企業に勤めれば生涯安泰」という戦後の神話を崩壊させた。リストラは日常の光景となって、沈みゆく船に正社員はしがみつき、あふれた非正社員との間に「分断」をもたらした。その隙間をぬうように生まれたのが、若者を酷使する「ブラック企業」だった・・・
本文を読んでいただくとして、次のような記述もあります。

・・・正社員を守ろうとしたのは労働組合も同じだった。
このころ、金融危機後の景気低迷で完全失業率が最悪の5%台にのると、春闘は「賃上げより雇用」が合言葉になった。電機各社の労組でつくる電機連合は02年春闘で初めて、賃金を底上げするベースアップの統一要求を見送った。
当時委員長だった鈴木勝利さん(75)は「ITバブル崩壊で、電機各社には賃上げに応じる体力がなかった」と語る。同時に、正社員以外の雇用形態の人たちに、労組は目配りする余裕をなくしてしまった。
東芝労組出身の鈴木さんによると、高度成長期、余剰人員が出ると、労組から臨時工やパートの雇い止めを求めることさえあった。労組員の雇用を守るためだ。当時は再就職しやすいという判断もあった。だが、2000年代初めは人あまりの時代だった。
「やがて戦後の労働組合運動は、企業別労組に端を発した正社員のメンバーズクラブに変質した」。鈴木さんは指摘する・・・

マルク・レヴィンソン著『例外時代』

2017年12月11日   岡本全勝

マルク・レヴィンソン著『例外時代』(2017年、みすず書房)が勉強になりました。副題に「高度成長はいかに特殊であったか」とあります。20世紀後半の世界各国の経済を、経済成長という観点から分析したものです。
第2次世界大戦から1973年(石油危機)までを第1期とし、世界の多くの地域で異常なほどの好景気が見られた時期とします。
1973年から世紀末までの第2期は、成長が失速し、国によっては破綻します。

日本の高度経済成長については、私たちもよく知っています。そして、バブル崩壊後の低迷も。
この本は、世界各国(先進国、中進国、後進国)を各章ごとに取り上げ、成功と失敗を記述しています。よくこれだけ調べたものだと、感心します。そこから見えてくるのは、日本の経済成長も、決して唯一のものではなかったと言うことです。そして、戦後の世界各国での経済成長は、歴史的には例外の時代だったということです。
世界的視点から見ることで、日本の姿が相対化されて理解できます。長い歴史から見ることで、その時期の位置づけが分かります。

お勧めです。
みすず書房は、良い本を出しますねえ。

悪質クレーム

2017年12月11日   岡本全勝

12月4日の日経新聞夕刊くらし欄に、「そのクレーム 悪質の恐れ」が載っていました。副題は「ミスした従業員の解雇要求 傲慢な態度+「社長を呼べ」」です。悪質なクレームの例が載っています。
・「土下座して謝れ」と求める
・「担当者をクビにしろ」と要求
・「法律を変えろ」など実現不可能な要求
また、対応が膠着状態になってから20分程度を超える拘束で疑わしくなり、30分を超えると問題視になる可能性があるとも書かれています。
詳しくは、記事を読んでください。

労働組合UAゼンセンの「悪質クレームの定義とその対応に関するガイドラン」も紹介されています。
役所でも困っていることもあるでしょう。

12月

2017年12月10日   岡本全勝

12月も、10日になりました。時間が経つのが早くて困ります。
大学での講義の準備は、毎週追いかけてきます。そしてこの時期は、試験問題作成や来年度のシラバス作成の作業があります。

1月からの新しい連載を引き受けたので、その執筆。これは、順調に進んでいます。連載「明るい公務員講座」を単行本にする作業も、並行して行っています。こちらは、大々的に組み替えや加筆をしているので、難渋しています。
これらの資料を鞄に入れていて、隙間時間を見つけては、加筆しています。

さて問題は、年賀状です。ようやく、この春にいただいた年賀状を整理しました。去年届いた喪中葉書と、今月届いた喪中葉書をそこに足して、ひとまずグループ分けができました。今日は、ここまで。来週から、宛名書きをすることにしましょう。

なのに、毎週末、紀伊国屋書店に行っては、本を買ってしまいます。好奇心旺盛なことは良いことなのですが、読むことが追いつきません。書斎にいるときは、原稿書きとこのホームページ加筆で終わってしまいます。結局、布団に入って本を読むのですが、睡魔がすぐに襲ってきます。

大学の期末試験問題作成

2017年12月10日   岡本全勝

慶應大学法学部での授業は、順調に進んでいるのですが。期末試験の準備と、来年度のシラバス作成の時期です。
まず、期末試験問題を作りました。
私の授業は、学生さんを苦しめることが目的ではありません。地方行政の仕組みと、どのような課題があるかを、知ってもらうこと。また、自治体現場と全国的視点、時代による課題の変化とそれへの対応を理解してもらうことです。あわせて、勉強する際の基本や、ものを見る際の基本を、身につけてもらうことです。

それで、試験は記述式です。暗記に労力を使う(それだけでヘトヘトになる)ことを防ぐために、ノートや配付した資料の持ち込みを許しています。また問によっては、「××について、説明せよ。その際は、以下に掲げた単語を用いること。足らない語彙は適宜補うこと」という出題もします。
もっとも、文章を書くことになれていない学生には、少々負担になるでしょう。採点する私にも、負担になるのですが。しかし、「大学で、岡本の授業を受けました」と言ってもらうだけの「品質保証」は必要です。