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被災地の話題

仙台市にできた災害公営住宅で、コミュニティーの再生を願う盆踊り大会があったと、河北新報が伝えています。「災害公営住宅で盆踊り 笑顔の輪拡大」。新しい町で住民が孤立しないように、コミュニティ再建は重要です。
原発事故で避難指示が出ている飯舘村に、セブンイレブンが、コンビニを出店してくださいました。飯舘村は、立ち入りは自由で、昼間は事業所も再開しています。夜の宿泊が原則認められていませんが、お盆期間は許可が出ています。昼間活動している方や、臨時宿泊している住民には、お店がないと不便なのです。ありがとうございます。

大島理森先生の読書

8月2日の日経新聞の読書欄に、大島理森・衆議院議長の読書が紹介されています。忙しい政治家が、どのようにして本を読んでいるか、また読んでこられたか。ご関心ある方は、お読みください。

戦災孤児

朝日新聞生活欄が、7月28日と29日に、「戦争孤児の70年」を載せていました。
28日:両親失い「野良犬」と呼ばれた
29日:心押し殺し、親戚宅で生きた
過酷な生活を思うと、涙が出ます。1948年時点で、12万人だったそうです。大人ですら生きていくのが大変だったときに、子どもだけでは・・。最近の本に、石井光太著『浮浪児1945―戦争が生んだ子供たち(2014年、新潮社)があります。
その人たちに、日本国政府はどのような支援をしたのか。満洲を始め海外に置き去りにされた多くの日本人も、同じです。私が、昭和21年に官僚だったら、何をしたか。

復興予算の決算

7月31日に、昨年度(平成26年度、2014年度)の決算を公表しました。26年度単年度では、執行率は約6割です。毎年この程度です。ほかの予算と比べて、執行率が低い、すなわち使い残しが多いです。これは、現地で予算が足らなくならないように、多め・早めに予算を自治体に渡しているからです。現地で、地権者の同意が取れなかったりすると、その年度に使い切れず、翌年に繰り越されます。そして、翌年度に事業が執行されて、執行済みになります。
今年は、平成23年度から26年度までの4年分の執行率を公表しました。すると約8割になっています(朝日新聞記事)。単年度の予算で見ると6割の執行ですが、その予算は翌年度にはほぼ執行されます。すると、平成23年度から25年度までの3か年分の予算は、一部の不用を残してほぼ使われ、26年度だけが6割の執行率なのでこれを足し上げると、8割の執行率になったのです。26年度予算も、27年度末までには、ほぼ使われます。
事業が遅れる見込みの時点で、一度国に使い切れない予算を返還してもらい、翌年再度交付するという手続きをとれば、執行率は100%になります。ただしそのための手間が、大変なのです。自治体からは、「その手間をなくして、数年間で使わせてくれ」との強い要望があって、このように「合理的」にしています。数年かかる事業も、予算制度が単年度になっているので出てくる「低い数字」ともいえます。数年かかる事業の予算を前渡しするのは、単年度予算制度の下での柔軟な執行の試みなのです。例えば「2年間予算制度」とか「5年間予算制度」があれば、単年度の執行率はさほど問題にならないでしょう。しかし、より視野を広げると、当該年度の予算を使い切ったかどうかではなく、どれだけ現地で成果が出たか、例えばどれだけ住宅ができたかが、本当の評価なのです。
「不用額もあるではないか」との指摘もあります。これは、発災直後に急いで復旧事業の予算を見積もったので、完全には正確に計算できなかったこと、事業を見なおす場合があることなどによります。時間をかけて予算を正確に見積もるのか(それだと、事業着手が遅れます)、少々予算が繰り越されたり不要が出ることを覚悟で早め早めに予算を自治体に渡すのか。今回は、後者をとっているのです。もちろん、無茶や手抜きはしていません。国民の税金ですから。不用になった予算は返却してもらい、翌年度以降の財源に使います。
民間の方には、少し理解しがたいかもしれません。会社でも家庭でも、同じ成果を出すなら、予算は少ない方がよい、余った予算は別に回すのですから。行政の場合は、しばしば予算が多いほどその事業に力を入れていると評価され(昨年度との伸びの比較が記事になります)、一度決めた予算はその通りに執行するのがよいと考えられています(使い残しが出ると、あたかも悪いことかのように書かれます)。予算=事業であり、成果は予算で評価するという「形式主義」が、はびこっているからです。もちろん、財源は税金であり、議会による民主的統制に服するという点で、企業や家庭とは違うのですが。行政での「予算偏重」の弊害は、拙著『新地方自治入門』p247で解説しました。

暑い日、涼しいコンサート

8月になりました。東京も暑い日が続いています。皆さん大丈夫ですか。私は、夜は我慢してエアコンをかけずに寝ているので、朝起きると汗びっしょりです。毎朝シャワーが気持ちよいです。今日も午前中、我慢してたら汗だく。何度も水シャワーを浴びましたが、遂に冷房を入れました。
午後は、サントリーホールまで、ベートーベンの第九を聞きに行ってきました。高校時代の友人のK君が、60の手習いと称して、合唱を始めたのです。毎週土曜日に練習に行っているのだそうです。1人では、できませんものね。新日鉄住金の職員やOBでつくっている、オーケストラと合唱団です。彼もOBです。今日の晴れ舞台のために、練習をして、蝶ネクタイも買って。合唱団の前から3列目、右から3人目で、口を大きく開けていました。どの程度の声が出ていたかは、遠くてわかりませんでしたが(失礼)、よい趣味を見つけましたね。
1,500円で、サントリーホールという大きな空間、冷房も効いて、気持ちよい2時間を過ごすことができました。隣のおじさんも、気持ちよく寝ていました。