教員の長時間労働

3月11日の朝日新聞オピニオン欄「記者解説」、「先生を、教育の質を守る 給与や長時間労働、予算かけ抜本策を」が、教員の長時間労働や精神疾患を取り上げています。詳しくは記事を読んでいただくとして。そこに、各国の中学教員の1週間あたりの労働時間が図になって載っています。

経済協力開発機構(OECD)の「国際教員指導環境調査2018」によると、中学校教員の1週間の仕事時間は、OECD加盟国のうち調査に参加した31カ国の平均が38・8時間だったのに対し、日本は56・0時間。アメリカが46・2時間、韓国は34時間です。
書類作成などの「事務仕事」は、参加国で最長の週5・6時間だそうです。

なぜ、こんなことが長年にわたって放置されているのでしょう。先進諸国を手本に発展を遂げた日本が、いつの頃からか、独自路線を歩んでいます。それがよい結果をもたらしているならよいのですが、これはひどいですよね。教育分野でも成功を収めた日本が、慢心したのでしょう。
予算がないというなら、文科省と財務省の責任は重いです。与党はどうしたのでしょう。年金や公共事業費も重要でしょうが、未来の日本人をつくることがより重要だと思うのですが。

沖縄県市町村職員講演

昨日3月27日は、沖縄県市町村課に呼ばれて、那覇市まで講演に行ってきました。自治体での働き方改革~人材の育成と確保についてです。100人を超える市町村職員が熱心に聞いてくれました。どの市町村でも、悩んでいることです。

補足、講演で紹介したものは次のページを見てください。
稲継先生の日本記者クラブ会見「地方自治体の担い手不足の現状と打開策
総務省の通知「人材育成・確保基本方針策定指針
管理職が管理職の仕事をしない
その他「明るい課長講座

昨日朝の東京は6度、那覇の昼は23度。冬から夏への移動です。想定してコートは着ていかなかったのですが、暑かったです。飛行機は家族連れなど観光客でいっぱいでした。皆さんコートを着ていましたが、現地では荷物になったでしょうね。

中高生の児童館

3月13日の読売新聞東京版に「中高生の児童館 存在感 調布市「キャプス」 音楽、運動、学習…自由に」が載っていました。第三の居場所は、重要です。こども家庭庁も乗り出しているようです。

・・・全国的にも珍しい中学・高校生世代に特化した児童館「調布市青少年ステーションCAPS(キャプス)」(調布市上石原)が、注目を集めている。国が、子どもが自宅や学校以外に安心して過ごせる「第3の居場所」作りに力を入れていることもあり、全国からの視察も相次ぐ。キャプスの関係者は「常に安心安全で過ごせ、社会とつながれる施設であり続けたい」と話している。

京王線西調布駅から徒歩5分、甲州街道沿いに立つビルの3、4階にキャプスはある。中に入ると、照明は薄暗く、一般的な児童館と違って大人っぽい雰囲気が漂う。そこでの過ごし方は十人十色。ギターを鳴らしながら歌う女子生徒もいれば、ダンスの練習に汗を流す4人組もいる。学習スペースで自習する生徒、スポーツエリアで卓球に熱中する男子生徒の姿も。それぞれが自由な時間を過ごせるのが、キャプス最大の特徴だ。
「家や学校でできない体験ができるのがここの魅力」と話すのは、高校2年の真船蘭童さん(17)。キャプスには中学1年の時から通い、今は趣味のラップの腕前を磨くため、ロビーで練習に励む。施設のスタッフと相談し、今年2月には即興でラップを競う「MCバトル」の大会をキャプスで開催した・・・

・・・一方、キャプスの利用者の中には、家庭や学校生活に問題を抱える子もおり、スタッフが虐待や学校・SNSでのいじめなどの相談を受けることもある。キャプスでは事態を把握すると、学校や行政など関係機関と連携し、解決方法を模索する・・・

「上位下達」

「上位下達とは、上位の者の意志や命令を下位の者に徹底させること。下意上達とは、下位の人たちの意見や考えが上位の人に届くこと」
この文章の間違いを正せ。

わかりますか。「上位下達」は、「上意下達」の間違いです。先日、やらかしてしまいました。
職員研修で使う投影資料でです。中間管理職の仕事を説明する際に図を描いて、その横にこの言葉を添えてあります。漢字変換する際に、間違ったようです。この資料はもう何回も使っているのですが、気がつきませんでした。反省。
見た人から指摘を受けました。ありがとうございます。

さらに調べていて、もう一つの間違いに気がつきました。「上意下達」は「ジョーイゲダツ」「ジョーイカタツ」のどちらの読み方もあると思っていたのですが、「ジョーイカタツ」が正しいのだそうです。「NHK放送文化研究所

社員の育て方改革、タテ組織のOJTに限界

3月11日の日経新聞オピニオン欄に、原田亮介・論説主幹の「Z世代社員の「育て方改革」 タテ組織のOJTに限界」が載っていました。

・・・人手不足で人材獲得競争が激しさを増すなか、企業が若手の育成に苦労している。転職も含めて自分のキャリア形成を重視する「Z世代」の価値観が、伝統的なタテ割り組織とかみ合わないからだ。職場内訓練(OJT)で育てる従来のやり方には限界があり、企業も「育て方改革」に動き出している・・・

・・・いま30歳までの若者は、一般には1990年代後半から2012年までに生まれたZ世代と呼ばれる。その育て方に一石を投じたパナソニックのイベントには他の会社からの照会が相次いでいる。実際どの会社も悩みは多い。
「40代以上は一定の価値観で育っているが、Z世代の価値観は多様。人事部もどうマネジメントすればいいか悶絶している」。20年も転職支援に取り組んできた人材会社のあるトップは今までにない世代、とみる。

第1の特徴は有給休暇の取得やリモート勤務を重視する層が増えていること。残業などで自分の時間を侵食される職場を選びたがらない。働き方改革、コロナの影響が意識を変えている。
第2の特徴は就職時に最初から転職を視野に入れている層が増えていること。リクルートワークス研究所が19〜21年に就職した人を対象にした調査によると、今の会社に定年まで働きたい人は2割にとどまる。「すぐにでも退職したい」と「2、3年は働き続けたい」を合計すると半数近い44.5%に達する。
3つ目はキャリア(仕事の専門性)を会社ごと、職場ごとに伝承してきた企業の組織文化に対し、キャリアは自分に蓄積され、転職しても持ち運ぶという意識が高いことが特徴にあげられる。
4つ目の特徴は、タテよりもヨコのつながりを重視する考え方だ。SNSを使い慣れ、同級生や同期のコミュニティーで立ち位置をいつも確認してきた。上司よりも異なる職場や違う会社の同世代がどう働いているかに関心が強く、副業にも意欲的だ・・・

・・・もう一つ気がかりなことがある。企業は年功部分を反映して従来厚めだった中高年への配分を見直し、初任給の引き上げなど若手に手厚い配分に改め、賃金カーブをフラット化させつつある。取り残される中高年は賃上げの実感に乏しく不満がたまりやすい。
また若手の指導役の中間管理職は通常業務以外に、若手のキャリアプランの作成などを求められており、負荷が増している。その処遇を手厚くし、コーチング研修などを強化しないとうまくいかない・・・