かながわ政策法務研究会で講演

今日1月11日は、かながわ政策法務研究会に呼ばれて、船橋市まで講演に行ってきました。新年早々の出番でした。
60人余りの方が、聞いてくださいました。今日の参加者は、神奈川県内だけでなく、東北や関西からも。
かながわ政策法務研究会は、神奈川県内の自治体職員と研究者等を中心に結成された勉強会です。勉強熱心な公務員がいることは、頼もしいですね(ホームページがないとのことなので、リンクを張ることができません)。

主催者の注文に沿って、大震災で考えた町とは何か、住民の暮らしを支えるとは何かを、お話ししました。いま連載している「公共を創る」の要約にもなります。
質疑応答も、的確な質問が次々と出て、内容の濃い講演会になりました。
皆さんが、地域から日本を良くしてくれることを期待しています。
続きあり

被災外国人に、やさしい日本語

田村太郎さん(注)が、NHK大阪のニュース「被災外国人にやさしい日本語」(1月7日)に登場しました。

ちょうど昨日、このページで、通じないカタカナ語について書いたところです。
日本語になっていない、しかし日本人はそれで通じると思っているカタカナ語(カタカナ英語)、さらにはカタカナにもしないアルファベットのままの単語は、外国人にはわかりにくいです。特にアジアから来ている人には、難しいです。日本人でも高齢者は、困ります。
災害時は、特に伝わることが重要です。

このニュースは、13日朝の「おはよう日本」でも、放送されるとのことです。
(注)このホームページにしばしば登場する、災害支援などを行っているNPOの代表者。先日も「災害時施設運営管理者研修」に登場しました。

連載「公共を創る」第30回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第30回「社会的共通資本 資本の継承により安定社会が持続」が、発行されました。
前回から、社会の財産を説明しています。私たちが社会で暮らしていく際に必要な、「装置や環境」です。

これらの社会の財産を、社会的共通資本として整理しました。
すると、自然資本(自然環境)、施設資本(いわゆる社会資本、インフラ)、制度資本(各種サービス)、関係資本(ソーシャル・キャピタル)、文化資本(気風や助け合い精神、民主主義を支える精神など)と、分類することができます。
そこには、目に見えるもの、これまで行政が力を入れてきたものの他に、重要なものがあります。

困るハイブリッド語

1月9日の日経新聞「私見卓見」は、玉盛映聿・内閣府沖縄総合事務局道路案内標識ローマ字英語表示検討会委員「意味不明瞭なハイブリッド語見直しを 」でした。

・・・在日外国人の友人たちが「日本のハイブリッド語は理解するのが難しい」と言う。ハイブリッド語とは、日本語にアルファベットをミックス(混在)させた表記のことだそうだ。日本語はなんとか理解できても、アルファベットがわからない。外国語のつづりなのか、日本語のローマ字表記か、あるいは和製の外国語か、区別がつかずに困るという・・・
・・・観光客向けレンタカー案内の「1BOXカー」。「ワンボックス」と読む和製英語だ。日本語を覚えた友人は「いち・ボックス」と読んでしまったそうだ。求人広告の「ネイルOKクリニック」もわからない。注意書きを読んで、若い人のネイル(付け爪)をOK(許容)している職場であるクリニックだと理解できたという・・・
・・・訪日外国人客の8割がアジアからである。英語圏からの観光客と違い、アルファベットは苦手だという声が多い。そこで観光ルートの案内標識と関連施設では、中国語、韓国語、タイ語などの表記を用意している。しかし街中は依然、英語、フランス語、イタリア語などの単語に日本語のローマ字と和製外国語が混在したハイブリッド表記であふれている・・・

同感です。英語らしく表記した会社名や商品名は、日本語の文脈になじまないのです。
例えば、JR(ジェイアール)です。これだけでは、初めて見た人は、鉄道会社とは思わないでしょう。また、この単語を日本語の文章の中に入れてみてください。JRでは、据わりが悪いですよね。俳句や短歌には、「ジェイアール」で入れるのでしょうか。みんなが利用する鉄道ですから、もう少しわかりやすい略称はないのでしょうか。

最近よくニュースで取り上げられる「IR」も、わかりませんね。複合観光施設だそうです。これもよくわからない。カジノがある行楽地だそうですが。カジノも日本語ではありません。しいて言えば、賭博場でしょうか。
マンションの名前にも、訳のわからない、英語のような表記やカタカナ語があります。それがかっこよいと思っているのでしょう。

現代人の造語能力の低下を、嘆きます。明治人は苦労しながら、西洋語を日本語に置き換えました。哲学、化学、科学などなど、これが英語をカタカナにしただけの言葉(フィロソフィー、ケミカル、サイエンス)になっていたら、私たちも理解するのに苦労したでしょう。

かつて、次のようなことを書きました。「私の嫌いな言葉」(2006年4月26日)
「ロシアに出張したとき、同行した職員がロシアの友人への土産に「外来語辞典」を持って行きました。彼はロシアで暮らしたことがあり、日本語を勉強している友人への土産だというのです。私は、最初その意味が分かりませんでした。
「何で、そんなの持って行くんや」
彼曰く、「ロシア人にとって、日本語を勉強するとき、カタカナ英語は分かりにくいものなのです」・・・」
この項続く