月刊『文藝春秋』4月号、田中俊一・前原子力規制委員長の「私はなぜ飯舘村に移住したのか」の続きです。
・・・なぜ避難指示の解除まで6年もかかってしまったのか。これは、明らかに政府の失敗です。 そもそも、国は避難指示の解除について、年間積算線量が20ミリシーベルト以下になることを条件として掲げていました。その基準であれば、5年前にはほとんど全員が帰ることができたはずです。しかし世間では、国が長期的な目標とした年間1ミリシーベルトを目指すべきだという声もあった。そのために、国はいざとなると「年間20ミリでは地元が納得しない」という理由で、ずるずると避難指示解除を先延ばしにしたのです・・・
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田中俊一・前原子力規制委員長、「除去土壌の処分方法」
月刊『文藝春秋』4月号に、田中俊一・前原子力規制委員長が「私はなぜ飯舘村に移住したのか」を書いておられます。一部を紹介します。
・・・いま飯舘村には、フレコンバッグが約230万袋あるとされています・・・国の方針では、フレコンバッグは双葉町と大熊町をまたいで建設された中間貯蔵施設に運ばれ、可燃物と土壌に分別されて、可燃物は焼却された上で貯蔵されることになっています。しかし私は常々、その処分方法では、お金と時間を浪費するばかりだと訴えてきました。
いまの方法では、処分にかかる費用は1袋あたり5万円から10万円だと聞いています。その上、大量のフレコンバッグを中間貯蔵施設まで運ぶにも、大変な手間と費用がかかる。これでは、関連業者を儲けさせるばかりです。
私は、中間貯蔵施設に集めるのではなく、各自治体が管理処分場を設けて、土を埋設すればよいと事故直後から主張してきました。土壌に付着している放射性物質は、ほとんどが放射性セシウムですが、これは一度土にくっついてしまえば、そこらか動くことはほぼありません。雨などで土が流れてしまわないよう、しっかりと土止めをし、その上に綺麗な土を50センチもかぶせておけば、放射線も遮断されて安全に生活することができる。わざわざ中間貯蔵施設に運び込まなくても、十分安全に保管できるのです・・・
慶應義塾大学2018年準備
2018年春学期・公共政策論Ⅰ
2018年春学期・公共政策論Ⅰ―官邸、霞が関、被災地から見た政治と行政
(金曜日2限)「講義の記録」
現在日本の公共政策を、現場の実態から分析します。特に、政治と行政の役割の変化と、官・共・私による新しい公共を解説します。
講義は大きく分けて、3つの部分から構成します。
1は、東日本大震災対応での政府の役割と地域の公共。
2は、公共空間を支える、行政・企業・非営利活動。
3は、社会の変化と、政府の役割・行政手法の変化。
1 授業計画の説明。公共政策論とは
2 大震災から見た社会1-被災者支援
3 大震災から見た社会2-町をつくる
4 大震災から見た社会3-復興政策
5 社会は何でできているか1-街のにぎわいの3要素
6 社会は何でできているか2-NPOの役割
7 社会は何でできているか3-企業の社会貢献
8 社会は何でできているか4-社会的共通資本
9 社会は何でできているか5-二元論から三元論へ
10 公共政策の範囲と主体と手法
11 政府の役割1-社会と個人のリスクを引き受ける
12 政府の役割2-社会の変化と新しい課題
13 政府の役割3-役割と手法の変化
14 政府の役割4-これからの政治と行政
2018年春学期・地方自治論Ⅰ
2018年春学期・地方自治論Ⅰ―地方行政の仕組み(金曜日1限)
「講義の記録」
日本の統治機構は、中央政府において三権に分権されているとともに、地方自治によって国と地方とに分権されています。日本の政治と行政は、中央政府と地方政府によって担われています。
地方自治は、「民主主義の学校」とも呼ばれます。選挙を通じて代表を選び、税金を負担し、教育、清掃、上下水道などの行政サービスを受けます。
地域の暮らしを支えている地方自治が、どのような仕組みで成り立っているか、どのような機能を果たしているのかを学びます。
1 授業計画の説明
2 中央政府と地方政府1-地方自治の意味と機能
3 中央政府と地方政府2-主権の分割
4 中央政府と地方政府3-自治体の多様性
5 中央政府と地方政府4-国の仕事と自治体の仕事
6 中央政府と地方政府5-地方分権
7 自治体の仕組み1―市役所の仕事
8 自治体の仕組み2―市役所の仕組み
9 自治体の仕組み3―議会
10 自治体の仕組み4―条例
11 自治体の仕組み5―地方公務員
12 地域と住民1―住民の政治参加
13 地域と住民2―コミュニティ
14 地方行政の成果と課題
秋学期・地方自治論Ⅱ(自治体と地域の経営)は、役所の経営(特に地方財政)と、地域の経営(地域の課題と取り組み)を学びます。