田中俊一・前原子力規制委員長、「除去土壌の処分方法」

月刊『文藝春秋』4月号に、田中俊一・前原子力規制委員長が「私はなぜ飯舘村に移住したのか」を書いておられます。一部を紹介します。
・・・いま飯舘村には、フレコンバッグが約230万袋あるとされています・・・国の方針では、フレコンバッグは双葉町と大熊町をまたいで建設された中間貯蔵施設に運ばれ、可燃物と土壌に分別されて、可燃物は焼却された上で貯蔵されることになっています。しかし私は常々、その処分方法では、お金と時間を浪費するばかりだと訴えてきました。
いまの方法では、処分にかかる費用は1袋あたり5万円から10万円だと聞いています。その上、大量のフレコンバッグを中間貯蔵施設まで運ぶにも、大変な手間と費用がかかる。これでは、関連業者を儲けさせるばかりです。
私は、中間貯蔵施設に集めるのではなく、各自治体が管理処分場を設けて、土を埋設すればよいと事故直後から主張してきました。土壌に付着している放射性物質は、ほとんどが放射性セシウムですが、これは一度土にくっついてしまえば、そこらか動くことはほぼありません。雨などで土が流れてしまわないよう、しっかりと土止めをし、その上に綺麗な土を50センチもかぶせておけば、放射線も遮断されて安全に生活することができる。わざわざ中間貯蔵施設に運び込まなくても、十分安全に保管できるのです・・・