カテゴリーアーカイブ:このページの歴史

ページ開設3周年

2005年1月8日   岡本全勝
このホームページを開設してから、3年が経ちました。最初は、大学院での授業のために作りました。その後「下宿人を置いて、お客の呼び込みもしました。1年目は合計30ページ余りをつくり、総観客は1万人でした。2年で合計100ページ、累計観客4万人でした。3年で200ページを超え、観客累計は18万人を超えました。
この1年は、「日々の三位一体改革」や「法律ができるまで」「国会というところ」をたくさん追加しました。これが「観客動員」につながったと思います。ある人からの年賀状に「最近HPの更新が多いですが、飲む機会が減ったのですか」と書いてありました。うーん、そうかなあ。
最初のころ1日3人だった観客は、最近は平日は600人を超えます。ありがとうございます。これからも、ご期待に応えられるようにがんばります。

三位一体改革39

2004年12月24日   岡本全勝
これまでの3年間の進行過程を、表にしました。「三位一体改革の目標と実績」です。ご利用ください。(12月11日)
この表が、好評です。何人かの先生や政治関係者から、「出典を明示するので、使わせてもらいます」と連絡をいただきました。どうぞ、どんどん使って下さい(12月15日)
(17年度交付税総額)
18日に、麻生大臣と財務大臣の折衝が行われ、17年度の地方財政対策が決まりました。地方交付税総額は、前年度並みとのことです。地方団体には、これで安心してもらえます。
16年度の交付税総額(+臨時財政対策債)が大幅に減ったことから、17年度総額について地方団体は重要な関心を持っていました。「骨太の方針2004」や、11月26日に決まった「全体像」政府与党案でも、「17・18年度は、地方団体の財政運営に必要な総額を確保する」と明記してありました。
もっとも、重要なのは地方財政計画の姿と、地方税(+臨財債)などを含めた一般財源総額です。交付税総額は、〈歳出総額-特定財源-地方税など〉によって決まるのですから。
その際の新聞の「変な記事」については、マスコミ論1をご覧ください。(12月18日)
(社会のキーワード)
読売新聞によると、今年1―11月に記事中で使われた言葉の頻度や増加傾向などを基に予測した「2005年の注目キーワード」上位10位に、「三位一体改革」が選ばれたそうです。(12月18日)
18日に決まった17年度の地方財政対策は、総務省のHPをご覧ください。ここには、ポイントを書いておきます。
①地方財政計画規模=1.3兆円、1.5%減
②計画と決算との乖離是正=投資からソフト経費へ0.35兆円
③交付税総額横ばい、臨時財政対策債1兆円削減、「税+交付税+臨財債」は横ばい。
④財源不足=総額11兆円(3兆円減)、通常分7.5兆円(2.7兆円減)
⑤国庫補助金改革・税源移譲=1.1兆円。うち、所得譲与税化(老人ホーム運営費など)0.7兆円、税源移譲予定特例交付金化(義務教育)0.4兆円。
国の一般会計歳出では、交付税総額は0.8兆円減(特例交付金を入れると0.4兆円減)なのに、地方財政計画ではなぜ横ばいか。
それは、国の交付税特別会計で加算したからです。その財源は、16年度の剰余金です。国税の増による交付税財源の増加を、16年度に使わず、17年度に繰り越したのです。その処理のための、16年度補正予算と交付税法改正を、1月の国会に提出します。(12月20日)
19日の毎日新聞「発言席」に、梶原拓知事会長が「地財計画に分権潮流反映を」を書いておられました。20日の朝日新聞夕刊「窓」には、坪井ゆづる論説委員が「真摯とどぶ」と題して、参議院決算委員会での与党議員の追求を書いておられました。
なお、地方交付税の正式名称(法律などでの名称)は、「地方交付税」です。国の予算書に歳出として載る場合に「地方交付税交付金」という名前が使われます。それが交付税特別会計に繰り出され、地方に配分されるときには「地方交付税」です。(12月20日)
21日の日本経済新聞は、国の予算案の解説の中で、三位一体改革を詳しく解説していました。「国・地方の効率化停滞」という表題は、記事の内容とずれていましたが。20日の毎日新聞夕刊でも、宮田哲記者が「税源移譲9割が必要経費。分権・行革、効果乏しく」を解説していました。(12月21日)
22日の朝日新聞は「来年度予算案」「分権社会遠い道のり。首相、かすむ指導力」を解説していました。23日には、「義務教育費削減問題、官邸・文科省譲れぬ解釈」を解説していました。また23日の日本経済新聞は、「義務教育国庫負担、自民文教族温存へ始動」を書いていました。
でも、変ですよね。文部科学大臣って、総理に任命されているんです。三位一体改革が、日本の政治過程・政治構造・総理の指導力を問うもの、変革しようとしているものであることが見えます。(12月23日)
ご要望にお応えして、簡単な解説「三位一体改革の基本解説」を載せました。初心者の方には、三位一体改革は難しいですものね。さらに加筆中です。(12月18日、19日)
24日の朝日新聞「私の視点」に、小西砂千夫関学教授が「地方税を上げ赤字解消を」を、書いておられました。また同紙夕刊では、1面トップで大きく、板垣記者が、来年度予算政府案のうち、三位一体に焦点を当てて解説していました。図表も工夫してあり、わかりやすかったです。(12月24日)

三位一体改革38

2004年12月16日   岡本全勝
4日の朝日新聞も、知事アンケート結果を載せていました。「大半の知事が不満や批判を表明した」。不満の内容は、昨日書いたとおりです。評価できる点は、国と地方の協議の継続・税源移譲の実現・交付税総額確保などです。
あれほど隔たりがあった、政府(地方案)と与党が合意し、「双方五分五分」といわれるのですから、地方側は不満があるでしょう。
でも、これで終わったわけではありませんから、次に向かって頑張ればいいのです。分権は、一回の決定ですむような課題ではありません。仕掛けと手順が必要なのです。そのために、土俵も設定してあります。後は、盛り上がりを続けられるかどうかです。それは、地方団体側の努力にかかっています。観客も見ています。(12月4日)
4日の東京新聞も、全知事へのアンケート結果を載せていました。5日の産経新聞「紙面批評」は、「多角的に改革の検証を」を書いていました。「・・新聞は記事に・・という見出しを掲げたが、これでは、読者の目には国と地方、あるいは省庁同士が単に権限争いをしているように映ってしまうのではないだろうか」「マスコミが一件落着を許さず、ネチネチと報道し続けることが、改革の次のステップにつなげていくことになるのではないか」。同感です。(12月6日)
5日の読売新聞「政思万考」では、「地方の意見を聞くとは、幕末に老中阿部正弘が諸藩にペリーへの対応方法を求めたとき以来、なかったことだ」という話を紹介し、その後、幕府が滅びたことを書いていました。確かに、諸侯の意見を聞くのは、幕末開国をめぐって(1853年)以来のことですが、違う点もあります。
150年前は意見を求めたのに対し、今回は原案作成を依頼したこと。よって、前回はそれぞれ意見を出したのに対し、今回は意見をまとめたことです。今回はそれだけに、地方の対応は、すごいことなのです。
従来型の統治システムが限界に来ているという点は、類似しているように思えます。幕府も現在の日本政府も、有能な官僚をそろえながら、改革できないという点も。その後、日本が新しい時代に適応できるように「脱皮」するかどうかは、その後の政治にかかっています。明治国家は、それを成し遂げましたが。
諸侯に意見を聞いたことで、幕府の権威が落ち、政治秩序が流動化しました。今回「地方に原案作成を依頼したこと」が、新しい政治構造を作る動きへと「うねりが高まる」かどうか、これは関係者の動きにかかっています。(12月6日)
7日の産経新聞「正論」は、「教育の地方分権化が馴れ合い行政防ぐ」を主張していました。朝日新聞は文科省「補助金減でも国の権限維持」を書いていました。三位一体改革が、お金の奪い合いにとどまらないことが、よく見えます。(12月7日)
8日の朝日新聞「私の視点」は「補助金改革、地方の発想生かす運用を」を載せていました。また、日本経済新聞は、小泉総理が、「地方の意見を聞くのは幕末黒船以来のこと」と自賛しておられると伝えています。150年ぶりのことです。(12月8日)
麻生総務大臣の最新コラムは、「分権への開国-三位一体改革の全体像の取りまとめを終えて-」です。(12月9日)
【増税?】
来年度の税制改正が、与党でまとまりました。新聞では、「増税」「家計に負担の増」と書かれています。確かに「来年度の国民には負担の増」となりますが、この表現では一面しか伝えていません。
まず、今回の主な部分は、定率減税の廃止です。これは「減税の廃止」です。その意味では、「増税」ではありません。この半世紀間、日本が本格的増税をしたことがないことについては、拙著「新地方自治入門」p299をご覧ください。
次に、総理も発言しておられるように、この減税をした分は、赤字国債・赤字地方債で埋めています。即ち、将来の国民=子供や孫たちに負担させています。来年の国民への「増税」は、国債や地方債を減らします。それは、国債等の償還金の減=将来の国民にとって「減税」になります。もっとも、将来の国民からすると、「そもそも負担しなくてもよい、親父たちの借金の返済」が減るのですから、当たり前のことです。
この「減税廃止」をしても、なお多額の国債を発行し、将来の子供たちに送りつけているのです。現在の政治では、「将来の国民の声」が反映されません。もし彼らが発言したら、「もっと増税せよ」と言うでしょう。「自分たちの世代の受益は自分たちで負担せよ。子や孫に負担を送るな」と。このように「世代間の公平」が無視されています。その意味では、私たちの世代は「とんでもないこと」を続けています(前掲拙著p115)。
本当の増税は、赤字国債を発行しなくても良いようにすることです。(12月16日)

2004.12.15

2004年12月15日   岡本全勝

このHPの訪問者(カウンター)が、ついに、お師匠さんの「板倉庵」に追いつき、追い越しました。お師匠さんのHPは、日本一の「手打ち蕎麦のHP」です。

三位一体改革37

2004年12月3日   岡本全勝
29日の新聞から。日本経済新聞は「分権実現へ道遠く・知事らに不満の火種」「闘う地方、課題が山積」を取り上げていました。批判や不満が多い中で、中西晴史編集委員は、次のように評価しています。
「落ち込む必要もない。2年ほど前まで、『概ね3兆円の税源移譲』など予想した者は皆無に近かったのだ」
「新たな改革のページも開いた。①首相が地方に案を求めた。②地方も初めて削減案をまとめた。③族議員と役所による不透明な政策決定過程に地方が割り込んだ-といった点だ。ほふく前進だが、官僚主導の縦割り中央集権国家に着実に風穴をあけている」。また、説明不足の各省に対し注文を付け、今後の方法論も書いてくださっています。
同じコーナーで、例年開催されていた「補助金予算確保大会」が、中止になったことも伝えられています。そうです、地方からの陳情が、補助金システムを温存してきたのです。地方団体の「覚悟」に、エールを送ります。
読売新聞は、青山彰久記者が、地方への税源移譲を解説していました。産経新聞「産経抄」は、官僚を批判しつつ、明治維新を成功させたのは武士道精神であったと述べています。(11月29日)
30日の朝日新聞は、「三位一体改革、正念場はこれから」「政官の壁は厚かった。第2幕政治色強まるか」を解説していました。また「ポリティカにっぽん」では「三位一体改革幕が下りた後に」を書いていました。東京新聞は、「義務教育、地方独自策まだ足かせ」を解説していました。
そうです。今回の決定過程で、次なる課題と・誰が敵で・どのように攻めるべきかが、見えてきました。来年とその次に向かって、作戦を練りましょう。
その前に12月には、17年度の地方財政対策・交付税の総額決定があります。(11月30日)
新聞報道も、一段落したようです。
1日の読売新聞は、増田寛也知事の「国の形への志見えず」を載せていました。日本経済新聞夕刊「ニュースなるほど」は、三位一体改革の決定過程を分析し、「政高党低に微妙な変化」を解説していました。(12月1日)
2日の読売新聞「方位計」は「分権へ殿様連合の覚悟は」を、東京新聞「記者の眼」は「三位一体は住民意識改革」を書いていました。(12月2日)
3日の毎日新聞は、全知事へのアンケート結果を載せていました。それによると、知事の7割が全体像の評価に否定的でした。その理由は、補助金削減の内容が主だということです。首相が指導力を発揮したかという問には、7割の知事がある程度発揮した、と答えています。地方6団体が主導的役割を果たしたかについては、8割以上が、果たしたあるいはある程度果たした、と肯定的な評価をしています。良い企画ですね。東京新聞は、3知事・1市長・1町長の評価を載せていました。
やはり、地方の不満は、補助金改革の内容についてです。金額は2.8兆円確保しましたが、義務教育は不確定・望んでいなかった国民健康保険で金額確保・公共事業での税源移譲はなし、といったところが不満の中心でしょう。
また、去年の1億円補助金改革の時は、公立保育園といった一般財源化=自由化のシンボルがありました。その点では、「今年は地方の自由度が広がる「タマ」がない」と指摘する記者もいます。確かにそうです。
総理の出番がなかったことについても、不満があるようです。小泉改革は、既存勢力に対し総理が切り込む、というスタイルです。既存勢力と革新勢力が協議して合意をすると、同じ結論であっても、国民の評価が「下がる」ということです。政治は国民に見せる「演劇」ですから。
地方団体首長による評価の他、記者による多面的な評価がされることを期待しています。(12月3日)