月刊誌『世界』3月号(岩波書店)に、秋山訓子さん(朝日新聞記者)が、「内と外から世界を変えていく」を書いておられます。
今回のテーマは、「被災の現場と政府をつないだ民間登用国家公務員」です。公を官が独占するのではなく、民も担ってもらい、官はそれを後押しする事例として取り上げています。「新しい公共」の一事例です。
そこに、復興庁で働いてもらっている、田村太郎さんと藤沢烈さんの活躍が紹介されています。彼らがやってくれている、被災現場と市町村や国をつなぐ役割や効果を評価してくださっているのです。
記事でも紹介されているように、行政はいろいろと被災者を支援する制度を作っているのですが、住民の方には十分には理解されていないことが多いです。まず、どこにどのような制度があるかわからない、誰に相談して良いかわからない、書類を見ても「役所ことば」で理解できないなどです。
なるべくわかりやすい解説やパンフレットを作るようにしていますが、あまりにたくさんの制度があるので、私ですら全体を説明できません。いえ、どんなスーパーマンがいても、無理でしょう。住宅のこと、病院のこと、学校のこと、商店の再開のこと、ローンのこと・・
やはり「相談窓口」「相談に乗れる人」が必要なのです。また、現場での課題を吸い上げるにも、公務員だけでなく民間の方の力は大きいです。
復興本部と復興庁では、「ボランティア連携班」を作っています。NPOに活躍してもらうために、「活用可能な政府の予算一覧」「行政と民間が分担できる復興の分野」「NPOとの連携事例集」などを、提供しています。これらも、お二人の提言などを基にしています。
秋山さんの記事の中で、私も紹介してもらっています。行政とNPOとの間の敷居が高いときに、お二人が私たちに協力することのリスクを指摘しました。
・・・「あんたら、私に使われてもいいのか。(NPOからすれば)裏切り者かもしれないよ」
「違います。我々が岡本さんを使うんです」二人はそう答えたという・・・(p71)
この台詞には、私も一本取られました。詳しくは、雑誌をお読みください。
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原発事故避難者の意向調査、その2
先日(5日)の3市町村に続き、今日8日に、楢葉町と富岡町の住民意向調査結果を公表しました。富岡町では、戻りたいという人が16%、戻らない人が40%、決めかねている人が43%です。避難期間中の住居は、持ち家希望が49%、公営住宅は26%です。町外コミュニティに住みたい人は24%、住まない人が24%、判断がつかない人が48%です。町外コミュニティの希望者は、高齢者が多いです。
これで、7市町村の調査を公表しました。浪江町と大熊町(2回目)は、現在集計中で、3月には公表する予定です。このほかの市町村は、調査を行う予定はありません。
民間企業による復興支援、広義と狭義
復興庁のホームページに「民間企業による復旧復興支援活動」を「その類型」と「主な内容」に整理して載せました。
そこにも書きましたが、義援金や物資の無料提供など支援事業(狭義)だけでなく、本業による復旧支援も大きかったです。電気やガス事業、通信や鉄道は各企業の本業ですが、早期に再開することで、被災地の復旧が進みました。また、商店など各種サービス業の再開は、地域での暮らしの再開に不可欠でした。事業所の再開は雇用を継続でき、被災地域内への事業所の新設や移転は雇用を創出しました。
支援活動(狭義)には、「資金、物資、施設の提供」「被災地の産物を買うなどの応援活動」さらには「人材やノウハウの提供」もあります。
今後の参考になると思います。職員が、取りまとめてくれました。なお、取りまとめに際しては、経団連が調べた調査結果を参考にさせてもらいました。
復興推進委員会報告
今日7日、復興推進委員会の五百旗頭委員長から、復興大臣に、「平成24年度の報告」が提出されました。
第1章では、今回の災害と復興を歴史的な中に位置づけ、今回新たに取られた政策の特徴が整理されています。
第2章では、復興の現状が整理されています。そして、第3章では、今後の課題と提案として、「住民主体の事例共有とつながりの強化」「地域づくり・住宅再建の早期実現」「生活復興から発展する地域包括ケア」「被災地の将来を見据えた域産業・仕事支援」「福島をはじめとする原子力災害からの復興」「災害の記録と伝承」が述べられています。
委員の先生方が、何度も現地に足を運び、議論を重ねられた成果です。今後の復興作業に際し、活用させていただきます。ありがとうございました。
住民主体の地域の復興
今日6日、復興推進委員会を開きました。24年度の報告書をまとめるためです。
その場に、「復興に向けた取り組み事例」が、22例紹介されています。住民主体の復興やつながりの強化など、他の地区でも参考になる事例です。
復興には、国土の復興と生活の復興があります。国土の復興は、お金をつぎ込めば進み、写真でも見ることが容易です。しかし、生活の復興は、住民の努力と継続が必要で、お金を出せばできるというものではありません。これに力を入れていることも、今回の復興の特徴です。
マスコミは、しばしば「復興は進んでいない」と書きますが、このような地道な現場での努力も、紹介してほしいですね。