昨日11月22日、岩手県宮古市田老で、まち開きが行われました。田老地区は、明治と昭和の津波に遭い、巨大な防潮堤を造りました。しかし、今回の大津波はそれをも乗り越えて、町を流し去りました。そこで、近くの高台に集団移転することにしました。大がかりな工事でした。写真に見えている、奥の山を切り取って平らにして、約230の宅地を造成したのです(工程表)。今回の大災害での、一つの象徴的な地区です。造成工事ができて、順次、家が建ち始めています。
月初めには、宮城県石巻市のまち開きに行ってきました(11月3日の記事)。各地で、工事ができあがりつつあります。
カテゴリーアーカイブ:災害復興
大震災対応の評価
毎日新聞、五百旗頭真先生の連載「大災害の時代」11月19日は「リスボンの教訓 復興を導く高い指導力」です。
リスボン地震(1755年)、関東大震災(1923年)、阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)の4つの大地震をとりあげ、政府の対応の評価をしておられます。取り上げた項目は、危機管理、応急対応、復旧、創造的復興です。東日本大震災では、地震・津波対応と原発事故対応をわけておられます。地震・津波対応は、高い評価をもらっています。原文をお読みください。
公共インフラ復旧状況
岡本行夫さん、希望の狼煙
岡本行夫さんが、キャノンの研究機関『キャノングローバル戦略研究所」のホームページに、「日本人の復興力」を書いておられます。希望の狼煙プロジェクトです。
私は当時(2011年夏)、被災者支援本部から復興本部に勤務していました。この試みを聞いたとき、目から鱗が落ちるというか、行夫先輩のアイデアと実行力に脱帽しました。
その後も、いろいろとご指導いただいています。行夫さんは、1991年の湾岸戦争時の、外務省北米一課長時の対応が有名です。若い人はご存じないでしょうか。手嶋龍一著「一九九一年日本の敗北」(1993年新潮社)、「外交敗戦―130億ドルは砂に消えた」(2006年、新潮文庫に再録)をお読みください。
社会科学による大震災の分析5、その3
日本学術振興会「大震災に学ぶ社会科学」第2巻『震災後の自治体ガバナンス』第5章、北村亘・大阪大学教授の「被災自治体に対する政府の財政措置」から。
・・・一連の分析を通じて明らかになったことは、広範囲での甚大な被害からの復旧・復興に対して、政府は、発災直後の2011年度の一連の補正予算などで巨額の財源を確保し、特別な税財政制度の整備を行ったということである・・・また、政府の巨額の財源は、被災地域の地方自治体の状況に応じて柔軟に交付されていることも明らかになった。第1に指摘しておくべきことは、発災直後に被災3県を中心に予算が交付されたあと、2012年度には実際のまちづくりの担い手である被災市町村にまで財源は到達したということである・・・
・・・2011年3月の発災直後から今日までの政府の対応は、常に厳しい批判にさらされている。どうしようもない苛立ちや焦りは政府関係者の失言などで増幅されることもあった。しかし、財政力の乏しい東北地方の自治体に、裁量度の大きい交付金の交付や予算年度を越えて執行できる取り崩し型基金の創設という形で潤沢に財源を供給したことは、広範囲を襲った大規模災害における1つの財政モデルを提供している・・
むすびのごく一部だけを引用したので、先生の検証を、ぜひ原文でお読みください。地方団体の方とマスコミの方には、読んで欲しいです。
公平な評価を、ありがとうございます。日本のマスコミと学界では、ともすれば、というかほぼ確信的に、「政府は批判すべきもの」という前提があります。このように客観的に検証していただくと、ありがたいです。マスコミは、このような事実と評価は報道してくれないのでしょうね。そして国民は、批判記事ばかりを読むことで、「政府は悪い奴」と思いこむのでしょうね。A新聞さん、Y新聞さん、M新聞さん、N経済新聞さん。誉めてくれとは言いませんが、たまにはこのような視点からの記事を書いてくださいよ。