4月1日の読売新聞「論点スペシャル」「シャープ買収で見えたもの」から。石川正俊・東大情報工学系研究科長の発言
・・・シャープの液晶が優れた技術であることは間違いない。しかし、製品の根幹となる液晶のような技術を磨いていればモノが売れる、という産業モデルは時代に合わなくなっている。日本はとっくにそのことを学んでいたはずだ・・・
・・・大事なのは、技術力を磨くだけでなく、新しい社会価値を生みだす製品や市場を作ることだ。それを実現したのが米アップルの「iPhone」だ。暮らしや経済を変えるシステムを生みだした・・・
・・・私は長年、ICT分野で産学連携をしている。その体験から言えるのは、日本企業には貪欲さが乏しいことだ。私の研究成果が新聞などで報じられると、欧米、台湾、韓国の企業はすぐにメールや電話で接触してくる。日本企業は、早くて1か月後だ。社内の了解を取るのに時間を費やしている・・・
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経営難の企業をどこまで支援すべきか
公正取引委員会が、3月31日に「公的再生支援に関する競争政策上の考え方」を公表しました。新聞は、「税金を投じた救済で健全なライバル企業が不利になったり、支援を期待して経営者が緊張感を失ったりしないよう、安易な支援に歯止めをかける狙いだ」と伝えています。
放っておくと企業が破綻する。そして国力や雇用の場が失われる。そのようなときに、行政は支援すべきか。他方でそれは、公平な競争を阻害します。また、好調なときは「官の関与は最小限にすべき」と主張しておきながら、困ったときは「政府が支援すべき」とのご都合主義もおかしいです。
官と民との関係、行政はどこまで経済活動に介入すべきかを考える事例です。
目利きができる人とできない人
先日紹介した「日本百貨店」(2月28日の記事)。
ある人に言わせると、「目利きができる人と、できない人の差」とのことです。お金を持っていても、自分で品質を判断できない人は、高級百貨店でものを買います。それが、百貨店の信用力です。他方で、自分で品質を判断できる人は、高いお金を払わずに、よい品物を選びます。納得。私の若い頃に、家具屋さんに聞いた話です。事務所用の応接セット。なかなか売れないときには、値段を上げるのだそうです。そしてお客さんに、「こちらの方が高級ですよ」と勧めると、売れることがあるです。
とはいえ、食品にせよ衣類にせよ、なかなか目利きになることは難しいです。その際に、かつては、百貨店が一つの「保証」でしたが、もう一つの保証は「口コミ」です。「知っている人に勧められた」です。最近はインターネットで便利になり、情報を集めやすくなりました。もっとも、ええ加減な情報もあるので、そこは要注意です。信用できる人の話かどうか。日本百貨店の設立者の意図が、ホームページに詳しく載っています。ぜひお読みください。
地元の優れた産品
昨日、秋葉原に行ったついでに、「日本百貨店しょくひんかん」をのぞいてきました。「しゃれた容器」を見るためです。パンフレット通りの、しゃれたデザインでした。中身の食品も、工夫してあります。
ところで、この売り場は、JR秋葉原駅北の高架下です。全国各地から選ばれた地元産品が並んでいます。お薦めです。一度見に行ってください。こちら(百貨店)も、面白そうです。
百貨店と言えば、かつては、ヨーロッパからの舶来品を買いに行くところでした。でも、今やあらゆるものが、日本製が最高級になりました。イギリス製やフランス製と言っても、特段珍しくもなくなりました。すると、目利きの人は日本国内の逸品を選ぶのでしょうね。そして、アジアからの観光客です。日本人の知らない観光地、食堂、優れた品物を選んでいるようです。海外からの観光客に教えてもらう、日本の良さですね。
そして、この百貨店は高架下にあるように、立派な建物ではありません。品物で勝負しています。眼や舌が肥えた人たちは、これを選びそうです。このような店は、これから、はやりそうな気がします。他方で、百貨店は、アジアの人が高級品を買いに来る店に特化するのでしょうか。
建物の維持管理費
建物を建てると、その後の維持運営費が必要になります。建設を議論する際や、建物ができた際には、建設費が明示され、予算書やパンフレットに載ります。しかし、毎年の運営費は、パンフレットに載るのはまれで、議会でも余り議論になりません。
ビルを建てた場合の運営管理費を、鹿島建設が分析していることを、教えてもらいました。事務所、学校、ホテル、商業施設ごとに分析しています。単純化すると、建設費の4倍から5倍の経費がかかります。これは、50年間の試算のようです。
ただし、これは建物の維持管理費で、電気代とか修繕費です。役所が作る建物は、建物だけで終わりではありません。例えば、図書館だと、本を買い、司書を置きと、人件費やサービスのためのその後の経費が大きいのです。というより、毎年のサービスが主体で、建物は入れ物でしかありません。私の経験では、文化会館など箱物をつくると、年間の電気代などが1億円かかりました。その他に人件費は1人当たり1千万円ですから、10人置くと1億円が加算されます。そして、これは毎年かかります。
いったん建物を建てると、住民も議員さんもその運営費を忘れてしまいます。維持管理費にマイナスシーリングをかけると、電気代とか雨漏りの補修、さらには新刊書の購入費が、毎年1割ずつ削減されます。5年後の状況を想像してください。余り話題にならないので、財政課長も切りやすいのです。
バブル期に大きな箱物を建てた市で、後任の財政課長が「これなら建物を建てずに、飲んでくれた方がよかった」と言ったという笑い話があります。同じ金額を飲み代に使うと、何も残りませんが、維持費もかかりません。場合によって、建物は負の遺産になるのです。もちろん、飲むことは、お薦めではありません。