「社会」カテゴリーアーカイブ

社会

国際成人力調査、日本は一流

2024年12月11日の各紙が、「国際成人力調査」の結果を報道していました(遅くなってすみません)。朝日新聞「「成人力」日本トップ水準、だけど 思考・解決力、OECD調査

・・・経済協力開発機構(OECD)が10日、成人の社会生活スキルをはかる「国際成人力調査」(PIAAC〈ピアック〉)の結果を公表した。日本は全3分野で1~2位。3分野中2分野で1位だった前回に引き続き、世界トップ水準を維持した。
PIAACは2011~12年に初めて行われ、今回が2回目。22~23年に31カ国・地域の約16万人が参加し、日本は無作為抽出された5165人が、タブレット端末で解答した。3分野は、(1)読解力(2)数的思考力(3)状況の変化に応じた問題解決能力。

日本の分野別の平均得点(500点満点)は、「読解力」が289点(OECD平均260点)で2位、「数的思考力」が291点(同263点)で2位、「問題解決能力」は276点(同251点)でフィンランドと並んで1位だった。フィンランドは全3分野で1位だった。
OECDの分析では、参加国・地域の大半で10年前より「読解力」が横ばいか低下していた。日本も約10人に1人が基礎的読解力が足りていないと指摘。また日本を含む多くの国で、10年前より、親の学歴に比例して読解力の差が広がっているとした。

OECDのアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長は、日本について「高学歴の労働者でも『職場で必要とされる具体的なスキルが足りない』と考える人が多い」と指摘。リスキリング(学び直し)の必要性を主張した・・・
この項続く

コロナ死者、5年間で国内13万人

1月15日の読売新聞が「コロナ死者 国内13万人 初確認5年 高齢者が96%」を伝えていました。

・・・新型コロナウイルスの感染者が2020年1月に国内で初めて確認されてから15日で5年となる。昨年8月までの死者数は累計で13万人に上り、このうち65歳以上の高齢者が96%を占める。高齢者が重症化しやすい状況は変わっておらず、引き続き感染対策が求められる・・・

尾身茂・元対策分科会長の発言も載っています。
・・・政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会長を務めた尾身茂・結核予防会理事長が読売新聞のインタビューに応じ、日本の新型コロナ対応について「政府の検証が十分とは言えない」と述べ、徹底的な検証を求めた。

政府は、コロナ禍の反省を踏まえ、感染症対応の司令塔となる内閣感染症危機管理統括庁を2023年9月に設置し、24年7月には次の感染症危機に備えるための行動計画を改定した。
尾身氏はこうした動きを評価しつつ、「医療逼迫が起きた理由は何か。医療体制を根本的に見直す必要があるのかなど、本質的な問題をもっと深く分析する必要がある」と述べた・・・

長時間労働、女性正社員に壁

12月22日の朝日新聞1面は「長時間労働、女性正社員に壁 「育児と両立困難、非正規に」 67職種調査」でした。

・・・男性の労働時間が長い職種ほど、正社員として働く女性の割合が少ない傾向にあることが、朝日新聞の分析でわかった。結果からは、長時間労働を前提とした正社員の働き方が、子育て世代や女性の負担になっていることが浮かび上がる。

朝日新聞は、慶応大学の山本勲教授(労働経済学)の監修のもと、総務省の就業構造基本調査(2022年)で集計された計67の職種別に、男性正社員の週平均の労働時間と、女性正社員割合の関係を調べた。働き方の変動要因がより小さいとみられる男性の労働時間でみた。
その結果、男性正社員の労働時間が長い職種ほど、女性正社員の割合は低い傾向があった。

就業者が最も多い「一般事務職」は、労働時間が約45時間で女性割合は48・8%と高い。一方、労働時間が約46時間の「営業職」は女性割合が19・6%だ。
山本教授は「男性が長く働いていない方に女性が多くなる傾向が出ている」と説明する。
ソーシャルワーカーなどの「社会福祉専門職」や「介護サービス職」は約43時間、「会計事務職」は約44時間で、女性割合が6割を超えた。
労働時間が約50時間の「医師」は女性割合が24・9%で、約53時間と最も長いトラックドライバーなどの「自動車運転従事者」は、女性割合が2・8%とほかの職種に比べて著しく低かった。

総務省の労働力調査(2023年)によると、女性(15~64歳)の就業率は73・3%で、国際的にも高かった。ただ、非正規雇用者の割合は男性が17・3%なのに対し、女性は50・2%と高い。
また、女性の正社員の割合をみると、20代後半をピークに下がり続ける「L字カーブ」を描くという特徴がある。
一方、世界では長時間労働に依存せず、生産性を上げる働き方が広がっている。日本生産性本部によると、2023年の日本の就業1時間あたりの「労働生産性」は、経済協力開発機構(OECD)加盟国38カ国中29位。ドイツの年間労働時間は1343時間と加盟国の中で最も短く、労働生産性は日本よりも7割近く高かった。
山本教授は「長時間労働が当たり前になっている日本では、育児と仕事の両立が難しいために、非正規雇用を選ぶ女性が多い。長時間労働や硬直的な働き方は、女性活躍の最も大きな阻害要因となっている」と指摘する・・・

社会に遅れる放送?

12月21日の朝日新聞夕刊「回顧2024 放送・芸能 時代とのズレ、蜜月の終わり?」から。

・・・「今までは我々が(生活者を)リードしていたけど、今度はフォロワーになってきた」。10月21日に放送されたNHK「映像の世紀 バタフライエフェクト」で、バブル期の代表的経営者として取り上げられたダイエーの中内功さんは、業績悪化に苦しむ1999年にこう語っていた。「我々」とはもちろん「ダイエー」を指すが、いまならテレビを中心とした「放送」もそうかもしれない。

と思っていたら、11月6日、全国の放送関係者が一堂に会す民放連大会で、遠藤龍之介会長(フジテレビ副会長)があいさつでこの番組に触れた。「我々にも耳が痛いものがあります。お客様の先を走っていれば、振り返れば細かい表情が読み取れますが、先に走るランナーの顔は見えませんから」

今年もいい番組はたくさんあった。それでも、広く人々をリードする力はどれだけあっただろうか。もはや個別の番組の問題ではなく、テレビと社会の蜜月期が終わりに向かっているということかもしれない・・・

日本人は時間に厳格か

多文化共生に詳しい人に教えてもらいました。「外国人から、日本人は時間に厳格ではありませんね」と言われるのだそうです。
「え~、日本人が時間を守ることは有名じゃないの」と、聞き返しました。その答えです。
「日本人は会議の始まる時間は守りますが、いつ終わるかわからない会議を続けます。時間に厳格だとは思えません」とのことでした。

納得、目からうろこが落ちました。
私は、終了時刻の決まっていない会議は出ないことにしていました。『明るい公務員講座』59ページ。
30分を超える会議は何をしたいのかわからず、やたらと出席者が多い会議は儀式です。