カテゴリーアーカイブ:著作と講演

市町村アカデミー講義「目標設定と職場のマネジメント」

2023年7月26日   岡本全勝

今日は、市町村アカデミーで「目標設定と職場のマネジメント」の講義をしました。「管理職を目指すステップアップ講座」の一コマです。

このホームページや連載「公共を創る」でもしばしば指摘しているように、日本の労働者の生産性は先進国では最下位です。世界最高水準の経済力を持った日本が、なぜそんなに悪いのか。
それは、各人や各組織に対し、達成するべき目標が明確に示されていないからです。日本の職場の特徴であった「みんなで一緒に頑張ろう」「先輩を見て、去年を見て仕事をする」では、ダメなのです。

日本の組織の強みは、中間管理職です。欧米型と言われるトップダウン、かつての日本型と言われたボトムアップではなく、中間管理職(ミドル)が組織を支えています。その人たちに、力を発揮してもらうにはどのようにしたら良いか。生産性を上げるためにも、職員たちにやりがいを持ってもらうためにも、それが重要です。

連載「公共を創る」第156回

2023年7月20日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第156回「福祉提供国家から安心保障国家へ」が、発行されました。前回「生活者省」の設置案を説明しました。今回は、生活者省の役割、自治体への影響などを説明します。

次に、もう一つの行政の役割の変化を説明します。それは、福祉提供国家から、安心保障国家への転換です。
まず、目標が福祉から安心に変わります。現在問題になっている孤立や孤独、社会生活で自立できない人のためには、福祉の提供では問題は解決しません。安心を保障しなければなりません。
そして、政府が自らサービスを提供する方式から、政府がサービスの提供と質に責任を持ちつつ、その実施については民間を利用する方式へ変わります。そして、民間の提供を含め、その量と質に責任を持つことが、政府の役割になります。
すると政府の役割が、提供者の論理から、生活者の論理に変わることが見えてきます。

人事院初任研修3

2023年7月19日   岡本全勝

人事院初任研修」「人事院初任研修2」の研修生の反応が送られてきました。いくつかを、一部改変して紹介します。

【基調講義について】
・前例のない事態に対してどう組織を作り、次々に噴出する問題に対して動いていったのか、その本人から当時の思いを聞くことができ、非常に有意義だった。自分の仕事の大半は前例があるものばかりだが、自分は何ができるのか、どのような付加価値を付けられるのかを常に考え行動できるようにしたい。

【全体討議】
・自らの班内で出なかった考えや視点について他の班の発表を通じて学ぶことができた。 また、考えていたことに対するコメントを岡本講師からいただき、自分たちが考えた対応と現実とのすり合わせのようなことができた。 深掘りよりも広く論点整理が重要であることを学ぶことができた。
・与えられた課題がどれも、議論次第で自由に展開できる余地が残されているものだったため、各班が発表する内容も多種多様なものとなりました。他省庁同期との議論から得られた様々な知見は大変勉強になりました。また、岡本講師が、行政の永遠の課題として、「公共の福祉」と「国民感情」のバランスがあり、これに逃げずに対応する必要性をお話しくださった点は、大変印象深かったです。

復興とレジリエンスの政治社会学研究会

2023年7月15日   岡本全勝

今日、7月15日は、復興とレジリエンスの政治社会学研究会で、東日本大震災の経験を話しました。原田博夫・専修大学名誉教授のお招きで、政治社会学会の活動の一つです。オンラインでした。

専門家の方々なので、質問も高度でした。想定外の危機が起きたときの対応のコツについて、大津波、原発事故、新型コロナでの対応の違いを説明しました。

連載「公共を創る」第155回

2023年7月14日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第155回「「生活者省」設置の提言─「安全網」への転換を明確化」が、発行されました。

前回に引き続き、行政の手法の転換を説明します。企画にあっては、先進国に学ぶ「追いつき型」から、国内の課題を拾い上げ対策を考える「試行錯誤型」に変わります。そして、手法は「モノとサービスの提供」から「人への支援」「人の意識への働きかけ」に変わります。また「社会の通念を変える」ということも必要です。

これらを踏まえると、行政の役割は、これまで「社会の先導者」であったものから、「困った人を支える社会の安全網」に変わります。
明治以来の省庁を見ると、富国強兵、生産と公共サービス提供に重点を置いてきたことが分かります。「安全網」への転換を明確にするため、私は「生活者省」の設置を提唱しています。