「著作と講演」カテゴリーアーカイブ

十津川村で講演

21日に、奈良県知事に呼ばれて、十津川村まで講演に行ってきました。県内市町村長の勉強会です。市町村が直面している課題について、歴史的な背景や、国際的な環境から、お話ししてきました。知事さんをはじめ、皆さん熱心に聞いてくださいました。
十津川村は、高校1年生の時に、和歌山県新宮市で開かれた高校総体サッカー大会から、奈良交通のバスで帰ってくる時に通って以来です。この長距離バスは、大変な旅でした。ヘヤーピンカーブの連続です。最後部に座っていると、カーブではバスのおしりが振って、道路の上ではなく、崖の外を通っている(下は川が流れている)といった代物でした。
40年ぶりに行くと、道路ははるかに良くなっていました。村長さんの案内で、村内をいくつか見せてもらいました。といっても、琵琶湖や淡路島と同じくらいの面積がある、広大な村です。そのほとんどが、急峻な山です。熊野古道が、世界遺産に登録されています。

今週は、月曜と火曜日に自治大学校で講義。水曜日に慶応大学で講義。木曜日に十津川村で講演。さらに、行きと帰りの新幹線では、原稿を執筆。最近は車中では、本を読むか寝るかでしたが、締め切りが迫っているので、そうも言っておられず。携帯パソコンを持ち込み、こつこつと書きました。十津川村の温泉でも、早々と温泉につかってから、執筆。因果な商売だと嘆きながら、パソコンに向かいました。よく働きました(笑い)。明日は、日本大学大学院の講義です。

山梨県で講演

今日は、山梨県市町村職員研修所まで、講演に行ってきました。連続講座「地域力創造と地域おこしのヒント」の、一コマを担当しました。椎川忍総務省自治財政局長(前地域力創造審議官)の肝いりで、2日間にわたって開かれています。ほかの講師は、菅原文太さん、安田喜憲先生です。夏休み最後の土曜日なのに、250人を超える人たちが、集まってくださいました。ありがたいことです。
私の講演は、地域からというより、日本の地域社会の課題を、歴史的に、また経済的、国際的に位置付けて、なぜ日本の地方行政が成功し、そして停滞しているかを解説しました。そして、これからの地方公務員は、何をしなければならないかも。
例によって、笑えるが、暗くなる話です。でも、これまでのやり方が通用しなくなっているのですから。その困難な条件を、理解してもらわなければなりません。放課後の懇親会で、何人もの参加者から、「厳しいですが、その通りですね」との声を、かけてもらいました。
17年前に、交付税課に派遣されていて、苦労をかけた県職員が、迎えに来てくれました。立派になっておられます。ありがとうございました、神宮司さん。

社会のリスクの変化と行政の役割

月刊『地方財務』(ぎょうせい)で、2010年10月号から連載中。
2011年4月号で中断中。すみません。大震災というリスクの対応を実践しています。原稿は後回しです。

(目次)
はじめに-政府が取り組まなければならないリスクとは何か・・・2010年10月号
第1部 社会のリスク
第1章 リスクの分類-私たちを取り巻く新しいリスク・・・2010年11月号
1 リスクの分類
2 分類の視点
第2章 政府の対応-進む対策・・・2010年12月号
1 武力攻撃事態や災害への備え
2 事故や犯罪への対策
3 健康の危険への対策
4 社会生活の危険への対策
第3章 新しいリスクはなぜ生まれるのか-豊かさの影・・・2011年1月号
1 新しいリスクとは何か
2 科学技術が生む新しいリスク
3 豊かな社会の新しいリスク
第4章 政府の役割の変化-豊かさから安心へ
1 リスクに対する政府の役割・・・2011年2月号
2 個人の責任、政府の責任・・・2011年3月号
3 リスク社会と国家の変貌・・・2011年4月号

第2部 行政組織のリスク
第5章 自治体の危機管理
第6章 「行政の危機」を管理する

(連載の原稿)
今日は、頑張って、原稿を書き上げました。雑誌『地方財務』10月号から連載する予定の「社会のリスクと行政の役割」です。このホームページでも書いていましたが、日本大学法学部大学院で半年間講義をし、またいくつかの場所で講演をしました。それを、連載する予定です。乞うご期待。もっとも、長尾編集長の厳しい眼に、合格したらですが。
講義ノートはあるのですが、原稿の形にするには、労力が必要です。連載は久しぶりなので、勘を取り戻すのに、時間がかかります。本業でも講義がありますし、それ以外の講演や原稿も引き受けているので、なかなか時間が取れません。自分で、忙しくしているのですがね。(2010年8月21日)

月刊『地方財務』10月号に、拙稿「社会のリスクの変化と行政の役割」第1回が載りました。
近年、これまでにない社会のリスクが顕在化し、政府(中央と地方)は、対策を迫られています。大震災、テロ、ミサイル発射、製品事故、新型インフルエンザ、サイバーテロといった、生命・身体・財産への被害だけでなく、いじめ、引きこもり、自殺、セクハラ、虐待、無縁社会といった、人間関係のリスクも、大きな問題になっています。
また、かつて日本は、世界一安全で安心な国だと言われていました。しかし、国民の安心は揺らいでいます。なぜ、そうなったのか。それを生んだ社会の変化と、行政の役割について考えます。
内閣官房再チャレンジ室長や、総理秘書官を務めていた時に考えていた課題を、整理し直そうという試みです。日本大学法学部大学院で、春学期に講義したノートを基に、執筆中です。(2010年10月5日)

10月号を読んだ読者から、早速、お便りがありました。次のような趣旨です。
・・岡本校長の講義で聴きましたが、戦後50年で大方の行政サービスが出揃い、豊かになったからこそ発生したリスクも多いという気がしました。今後、どのように話が展開してくのか、大変興味を持っています・・
ありがとうございます。私が対象としているのは、現在の日本社会であり、日本の行政です。びっくりするような新事実を書く、わけではありません。しかし、「このような見方もあるのか」「そう考えると、わかりやすい」と言っていただけるような角度からの、分析をお示しできたらと考えています。励ましのメールを頂いたので、頑張って続きを書きましょう。(2010年10月6日)

連載「社会のリスクの変化と行政の役割」の11月号のゲラが届いたので、朱を入れて返送しました。長尾編集長が、まず朱を入れてから、送ってきて下さいます。間違いなく、私の原文が、読みやすく正確になっています。いつも、「なるほどねえ」と感心し、反省します。私は、かなり読みやすい文章を書いている、つもりなのですがね。
昔と違い、原稿の受け渡しはデジタルですから、校正も楽になりました。文章が落ちたりすることや、誤植はないです。原稿とゲラとの読み合わせは不要です。それでも心配なので、見比べはしますが。しかし、これで安心できず、12月号の原稿締め切りが、迫ってきます。(2010年10月15日)

今日は、『地方財務』連載12月号の原稿を、完成させました。今回は第2章で、新しいリスクに対する政府の対応を、具体的に並べました。元となる日大大学院での講義ノートはあるのですが、もう一度事実確認をすると、結構時間がかかりました。
その点、インターネットは便利ですね。これがなければ、それぞれの対策や法律を確認するのに、もっと多くの時間がかかり、とても間に合いませんでした。ミサイル防衛から共生社会まで、これだけの範囲のリスクと対応を一人で調べるのは、やや無理がありますね。しかし、私が得た知識や教訓、またこのような見方もあるのだということを、皆さんにお伝えできればと思って、頑張っています。
それでも、締め切りまでに編集長に送れば、一安心。でも、すぐに次の号の締め切りが来ますし、来月末締め切りの原稿をもう1本抱えています。(2010年10月24日)


連載「社会のリスクの変化と行政の役割」が載った、月刊『地方財務』11月号が発行されました。第2回目は、第1章リスクの分類-私たちを取り巻く新しいリスク-です。古典的な身体・生命・財産へのリスク(災害、事故、武力攻撃など)だけでなく、経済社会システムへのリスク(ライフラインの途絶、金融危機など)や人間関係(他者との関係、社会とのつながり)へのリスク(不登校、引きこもり、自殺、児童虐待など)まで範囲を広げて、近年の社会のリスクを整理しました。
インターネットにたとえると、古典的なリスクはハードウエアの故障です。机の上のパソコンが、金槌で叩かれたようなものです。二つ目の経済社会活動の混乱は、ネットワークの故障です。パソコンは正常ですが、光ファイバーがとぎれるか中継装置が故障して、インターネットがつながりません。三つ目の人間関係へのリスクは、コンテンツの障害です。パソコンもネットワークも問題がない、しかし画面では文字化けが起こって意味が通じません。
私の主張は、政府(中央、地方)は、この新しいリスクへの対応を迫られているということです。ご関心ある方は、お読みください。(2010年11月1日)

今日は、連載「社会のリスクの変化と行政の役割」12月号の、印刷原稿の校正をしました。出張中に、自宅にゲラが届いていました。ここまでは順調なのですが、ほっとしておられません。容赦なく、次の締め切りが追いかけてきます。パソコンと基礎データを中国に持っていったのですが、時間が取れず、そんなには進みませんでした。出張先のホテルで書こうという魂胆が、間違っていますよね。(2010年11月13日)

(ウルリッヒ・ベック氏)
11月11日の朝日新聞夕刊が、ウルリッヒ・ベックさんの来日を、取り上げていました。ベック氏は、ドイツの社会学者で、著書『危険社会』で有名です。
彼の主張するリスク社会論は、多岐にわたるのですが、私はそのうちの「近代後期の個人化」に、大きく影響を受けました。最近、講義し連載している「社会のリスクの変化と行政」は、それを基にしています。(2010年11月16日)

連載「社会のリスクの変化と行政の役割」1月号の原稿を書き上げ、長尾編集長に送りました。ネパール出張の飛行機の中、カトマンズのホテルで、精を出した甲斐がありました。旅先では確認できなかった点を調べて、今日完成させました。
例によって、ある文章をあっちへ持っていったり、こっちとくっつけたり。小さなか所で行き詰まってみたり。あれも書きたい、これも書きたい、でもバランスを失する。良く書けたと思っても、全体を通してみるとすわりが悪く、ばっさり削ったり、と悩み続きの執筆でした。締め切りが来たので、このあたりで手放します。
今月締め切りの原稿が、もう1本残っています。そろそろ、年賀状の苦行にも、着手しなければならないし。(2010年11月27日)

連載第3回が載った、月刊『地方財務』(ぎょうせい)12月号が発行されました。今回は、第2章「政府の対応-進む対策」です。第1章で取り上げた様々なリスクに対し、中央政府と地方政府が近年充実した対策を、解説しました。
法律や事実を確認するのに、結構な手間がかかりました。ご関心ある方は、お目通しください。また、「これが抜けている」といったものがあれば、御指摘下さると幸いです。(2010年12月4日)

連載「社会のリスクの変化と行政の役割」第4回が載った、月刊『地方財務』1月号が発行されました。今回は、第3章「新しいリスクは、なぜ生まれるのか」です。第1章と第2章は幅広い事実の整理でしたが、第3章からはそれらの背景を分析します。
近年、リスク論や危機管理論が流行する背景には、新しいリスクが増えたことがあると言われます。しかし、よく見ると、古くからのリスクが再認識されたり、社会のリスクに「格上げ」されたものもあります。
それらを除いて、新しいリスクが生まれる原因は、一つには科学技術の発達であり、もう一つは豊かな社会が生む新しい不安です。それを、解説しました。ご関心ある方は、お読みください。「ふ~ん、こんな見方もあるのか」「そうか、こうなっているのか」と思っていただければ、うれしいです。
2月号の原稿は正月休みに書き上げ、編集長に送って、一安心。しかし、編集長からは、「3月号の原稿は、今月末が締め切りです」と、温かい言葉(!)を頂きました。はい。(2011年1月5日)

連載『社会のリスクの変化と行政の役割』3月号原稿を、昨日書き上げて、編集長に送りました。先日、2月号の原稿を渡したばかりなのに、すぐ1か月が経ってしまいます。
2月号から、第4章「政府の役割の変化」に入っています。3月号は、個人の責任と政府の責任を、いろんな角度から解説しました。オリジナルなことはそんなに書いていないのですが、行政学、福祉論、法学、経済学、心理学などのこれまでの知見と、日本の現状・具体例を広い視野から整理しようと試みています。管見では、そのような視点から整理したものが見あたらないので、結構「時間と体力」が必要です。
いろいろと書きたいことが浮かんできて、2月号は第1節だけで分量を超過。3月号も第2節だけで、分量をはるかに超過。第3節は、4月号に先送りしました。2月は28日しかないので、すぐに次の締め切りが来ますね。

職員研修会

今日は、相模原市役所に職員研修の講師に行ってきました。相模原市は、神奈川県北部、東京都八王子市の南にあります。こう言ったらわかりますかね。今年の4月に政令指定都市になりました。市の歴史も浅く、全国的にはまだよく知られているとは言えないでしょう。しかし、緑が多く平坦な土地で、これからも発展が見込まれる場所です。
旧知の幹部に、かつてお約束していたのですが、いろいろ忙しく、今日になりました。職員研修でお話しするのは、久しぶりです。例によって、職員の皆さんには、厳しいことを申し上げました。でも皆さん、しっかりと聞いてくださいました。
今回は、少し工夫して、聴衆にも参加してもらう場面を作りました。皆さん、若いのにしっかりしておられて、頼もしく思いました。市役所と市民のためにさらに研鑽されることを、期待しています。
講演の中で紹介した富山県政策情報誌「でるくい」は、こちら。拙著「明るい係長講座」は、こちらをご覧ください。

2010-8-2sagamihara

関西大学講演

6月26日に、関西大学で講演してきました。林宏昭先生に呼んでいただきました。吹田市との、地域連携事業だそうです。現在の私の関心である、「社会のリスクと政府の働き」を、地域社会の問題から、お話ししました。雨の土曜日にもかかわらず、90人の人が集まってくださいました。大学院生から、かなりご高齢の方まで。ありがたいことです。
災害や事故といった古典的な危険だけでなく、ライフラインが止まった時や金融システムが麻痺するような社会のネットワークの危機、さらには、いじめや引きこもり、自殺といった社会とのつながりを持てなくなる危険などまで範囲を広げて、お話ししました。少し毛色の変わったリスク論なので、どこまで理解してもらえるか心配でしたが、皆さん頷いて聞いてくださって、とても反応が良く、気持ちよくお話しできました。
放課後は席を変えて、関西在住の旧知の学者さんたち(文化系も理科系も)と、異業種勉強会をやってきました。これまた、ありがたいことです。

2010-6-26kanndai