カテゴリー別アーカイブ: 講演

講演

フィリピン国会事務局研修講師

今日7月7日は、フィリピン国会事務局職員研修で、政策研究大学院大学に行ってきました。
対象者は、上下両院の事務局職員たち45人です。コロナ禍で来日することができず、オンラインでの研修です。私は日本語でしゃべり、同時通訳を介します。講義骨子や投影資料は、事前に英語に翻訳してもらいました。
フィリピン政府の研修では、昨年に次官級の研修講師を務めました。「フィリピン政府次官研修の講師

今回も要望は、東日本大震災での対応についてです。フィリピンも自然災害多発地帯ですから、日本の経験には興味を持ってもらえるようです。前回の経験を基に、資料と話の内容を少々入れ替えて話しました。質問や感想がたくさん出たので、うまく伝わったということでしょう。

人事院の初任行政研修講師

今日7月4日は、人事院の初任行政研修・行政政策事例研究「東日本大震災事例」の基調講義に行ってきました。これは、去年行ったのと同じ講義です。「令和3年度人事院初任行政研修講師
今回は、北区西ヶ原の人事院の研修所で、90人のうち半数が対面で、半数は隣の部屋で画面で行いました。

この研修は、歴史的に意義が大きい過去の行政事例を題材として、当時の困難に対応した関係者の話を聞き、行政官として取るべき行動を討議します。
研修生たちは、東日本大震災発災当時は小学生です。説明の際に、当時の現地の写真が効果的です。みなさん、熱心に聞いてくれました。ついつい熱がこもって、時間が足らなくなりました。もっとも、これは織り込み済みです。質疑応答も適確な質問が出て、うれしかったです。
今年は、福島の被災地視察も行われるようです。津波被害と原発事故被害の現場を見て、その悲惨さを実感してください。

今日は基調講義をすると共に、研修生が討議する課題を3つ与えました。彼らは班別にこの課題の一つを議論し、14日の発表会に臨みます。

講義は難しい

これまで何度も講義や講演をしましたが、何度やっても、しゃべることは難しいです。まず、本人の実感と反省があります。「今日はうまく話せたな」「観客の受けがよかったな」と思うときと、「今日はいまいちだったな」と思うときがあります。他方で、研修講義などでは、参加者による評価が出ます。なかなか満点は、もらえません。

市町村アカデミーでの研修生による講師の評価を見ると、高い評価の講師とそうでない講師がいます。中には全員が高評価の講師がおられます。尊敬します。
他方で、研修生の評価が低い講師がいます。その理由は、研修生の聞きたいこととズレていた場合や、内容はよいのに講師の言いたいことがうまく伝わらなかった場合があるようです。
前者は、学校側が講師に講義の趣旨目的を十分伝えていなかったことも考えられます。これは、事前の説明と打ち合わせで防ぐことができます。

後者は、伝え方が下手なのです。いくつか型があります。
・資料を棒読みする講師。
・早口、小声で聞き取りにくい講師。
・内容を詰め込みすぎで、消化不良になる。結局何を伝えたいのかが分からない。
この3番目は、公務員によく見ることができます。私もよくやりました。今も、時々やってしまいます。
昔は「時間が余ったらどうしよう」と心配して、たくさんの内容を準備したものです。これは、ダメでした。たくさんのことを伝えたいと思うのが、逆効果になっています。過ぎたるは及ばざるがごとし。

その対策は、私の場合は、講義の最初に「今日はこれだけを持って帰ってください」と、要点を3つほど挙げることです。そして、思い切って資料を簡素化することです。
公務員の講師は、しばしば執務で使っている説明資料を投影して説明します。これは絶対ダメです。
パワーポイントの資料は文字数が多くて、投影されても聴衆は読み取ることができません。投影するなら、絵や写真で、文字なら3行ほどの要点にしましょう。たくさんの資料を伝えたい場合は、講義とは別に「持ち帰り資料」にするとよいです。

神戸防災技術者の会で講演

14日は、K-TEC(神戸防災技術者の会)に呼ばれて、神戸で講演しました。夜18時半からの講演に、たくさんの人が集まってくださいました。
神戸防災技術者の会」は、阪神・淡路大震災の復興を経験した神戸市の職員たち(退職者と現役)がつくっておられる会です。その経験を活かし、防災の普及活動などをしておられます。東日本大震災でも、経験と技術で復興の支援をしてくださいました。今もしばしば現地を訪れるなど、被災地とのつながりを大切にしています。

お礼を込めて、話してきました。東日本大震災では、孤独防止など阪神・淡路大震災を教訓にしつつ、他方で街が飲み込まれたり全町が避難しなければならないという違いにも配慮しました。発災直後の私たちの合い言葉は、「阪神・淡路大震災を参考にしつつ、参考にしない」でした。

阪神・淡路大震災から27年が経ち、経験していない若者も増えています。教訓は語り伝えられていますが、実際に体験したり見たりとは、違います。引き継ぐことは、時間とともに難しくなります。

福島県SDGs推進プラットフォームキックオフイベント

今日6月13日は、福島市で開かれた、福島県SDGs推進プラットフォームキックオフイベントに行ってきました。2月に行った「ふくしまSDGS推進フォーラム」の続きです。趣旨には、次のように書かれています。
「ふくしまSDGs推進プラットフォームの活動開始を宣言するとともに、県内外の企業、団体、行政等の皆様と連携・協働を深め、SDGsの推進を共通目標とした豊かな県づくりを前に進めていく機運醸成を図ってまいります。」

私の出番は、村尾信尚・関西学院大学教授、内堀雅雄・福島県知事との討論です。福島県立あさか開成高等学校の生徒さんたちの事例発表を踏まえ、助言や意見を述べることです。「福島民報記事
このような政策は難しいです。道路や施設を造る事業なら、できあがれば完成です。しかし、国民の意識や行動を変えることは、終わりはなく、また行政の呼びかけだけでは実現しません。
「持続可能目標」は国連が提唱し、政府や企業も賛同しています。しかし、今日学生たちが発表したように、国民みんなが身近なところで、できることから実行する必要があります。大げさな催し物や難しい決意ではないだけに、持続と巻き込みが難しいです。