今日は、日本経団連にお招きを頂き、復興の現状と課題を、お話ししてきました。企業には、救助の段階で、無償の支援やインフラの早期復旧など、たいへん貢献してもらいました。このホームページでも、紹介したとおりです。
復興の段階になって、各種の工事を担っていただくほか、商業サービスの再開、雇用の場の再建をお願いしています。(2012年5月21日)
先日21日に、経団連でお話しした概要が、経団連のホームページ「経団連タイムス」に載りました。こうして広く見てもらえるのは、ありがたいですね。
また、同日に別の部会で行われた、RCF復興支援チームの藤沢烈代表理事の「NPOから見た復興支援のあり方」も載っています。藤沢さんには、復興庁のNPO連携班も勤めてもらっています。
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講演
自治大での講義
今日は、自治大学校の「新時代・公共政策コース」で、大震災に対する政府の取組を講義しました(自治大のホームページに、なぜかシラバスが載っていません)。今日は2コマ、140分あったので、じっくりとお話しできると思っていましたが、いざしゃべり出すと、時間が足りないですね。この1年間の思い出や、考えたことが次々と頭に浮かんで。
昨年3月19日に、急きょ官邸に出頭して以来、自治大に行くのは初めてです。忙しくて、後任者への引継ぎもせず、置いてあった私物や資料は職員に運んでもらいましたので。
今日授業を受けた学生さんへ
当時の事情は「消防・防災」、被災者生活支援本部の写真は「被災者支援チームについて」、おわびの仕方は「仕事の仕方」を見てください。
日本行政学会で報告
今日は、日本行政学会(慶應大学)で、「東日本大震災における行政の役割」を報告してきました。私の役割は、被災者支援から復旧復興の過程において、政府の一員として携わったものから見た、行政の役割についてです。行政の研究者、それはまた官僚制の研究者でもありますが、その方々の前で、「今回の大震災に対し、日本の行政・官僚は何をしたか」の審判を受ける場でもありました。「まな板の鯉」です。
時間が限られているので、阪神淡路大震災の教訓を踏まえて、政府は今回、どのように「違った対応」をしたか。自治体(被災自治体、応援自治体)、企業、NPO・ボランティアとの役割分担。そして、被災者生活支援本部、復興本部、復興庁という臨時組織を立ち上げ運営していることの意味を、お話しました。レジュメを載せておきます。
この1年間、走り続けてきたので、私たちのしたことを振り返って整理してみる、良い機会でした。専門家の前で話すことは、いささか緊張します。しかし、旧知の先生方がたくさんおられるのと、基本的知識を共有していただいている方々なので、しゃべりやすかったです。
また、昨年この仕事に携わったときから、官庁、自治体、マスコミ、国民に私たちの仕事を知ってもらうために、ホームページを立ち上げ、なるべく多くの情報を載せるようにしました。また、これまでにない仕事なので、後世の人たちや研究者の方々にも利用していただけるよう、古くなったページも残してあります。
昭和50年(1975年)に東大法学部で、西尾勝先生の「行政学」の授業を受けました。そして、公務員を職業に選び、34年勤めてきました。この間いろいろと貴重な経験をさせてもらったので、その経験を後輩や研究者に提供することも、私の務めです。時間ができたら、この1年間の経験と考えたことを文章にまとめたいと思っています。
復興・英文資料
4月16日の「日米欧・東京フォーラム」での、発表資料(英文)を載せました。うまく貼り付けられないのですが、お許しください。
国際会議で報告
今日は、東京財団とThe German Marshall Fund of the United States (GMF) による「第1回日米欧・東京フォーラム」のセッションに呼ばれて、スピーカーの1人として出席してきました。私の出番は、東日本大震災に対する日本の取組と復旧状況の報告です。
アメリカとヨーロッパの著名人が参加しました。英語で行われたのですが、私は、同時通訳をお願いして、日本語で話させてもらいました。限られた時間なので、英語で資料を用意して臨みました。復興庁には英語に堪能な職員もいるので、資料作成・翻訳をお願いしました。「資料」
外国の方に報告するために、どのような資料がよいか考えましたが、この1年を振り返る良い機会でした。質問に簡潔に答えるのも、難しいですね。なるべく通訳しやすいように、考えながら話しました。主語がしばしば省略され、また述語が最後に来る日本語に対し、英語は述語が主語の次に来ます。ふだん通りに長々と目的語の部分を話して、最後に「・・ではありません」とか「・・と(私でなく)別の人が言っていました」と、日本語でしゃべると、通訳の方は困ります。
議論を聞きながら、いくつかのことを考えました。その一つが、応援と受援です。
発災直後に、救助などのために、国内外から部隊が応援に入ります。その際に重要なのは、送り出す方が直ちに応援に行くことができるように準備しておくことと、受ける方の応援を受け入れる体制です。後者の「受援能力」の重要性は、まだ十分に認識されていません。
現地に応援に入った部隊(消防、警察、自衛隊など)が、どこで何をすればよいか。どこで救助を求めているか。部外から来た部隊には、わかりません。どこに駐屯したらよいかもです。消防大学校では、受援能力の訓練をしています。各市町村の消防は、他の市町村に応援に行くのはお手のものですが、応援を受ける経験はまずはありません。混乱の中で、各地から来た部隊をどう誘導するか、どこに展開してもらうか。これは難しいです(2010年2月3日、2010年6月3日の記事。おまけ、校長も写っています)。
また、このような現場での受援だけでなく、政府での受援があります。外国からの部隊や医師団、さらには物資の受け入れです。今回の経験で、この窓口を一本化する重要性を学びました。