カテゴリー別アーカイブ: 講演

講演

9月11日講演、多様な主体による復興支援

今日は、仙台で開かれた会議「寄りあいNIPPON」で、基調講演をしてきました。150人を超える人が、集まってくださいました。この会議は、行政だけでなく、NPOや企業など、復興に携わっているさまざまな分野(セクター)の方が、課題を共有し連携協力することで、今後の復興を進めようという仕掛けです。
ありがたい試みです。本来なら、復興庁や地元自治体が仕掛けてもよい会議です。田村太郎さんの「指示」で、二つ返事で引き受けました。
このページでも繰り返し述べているように、復興は行政だけで、できるものではありません。インフラ復旧は行政ができますが、被災者の不安に答えることや、見回りや相談業務などは、NPOの助けが必要です。復興を「国土の復旧」ではなく、「暮らしの再建」ととらえると、企業、NPOそのほかの中間団体、コミュニティなど、さまざまな人や団体の協力が必要です。
私の持ち時間は25分なので、復旧の現状と課題はごく短くして、NPOや企業の方に期待することを、述べてきました。官庁からの解説ではなく、民間の方々への扇動(アジテーション)でした。私の思いが、伝わりましたかね(苦笑)。
発災直後の救助の時期、避難所生活の時期、そしてこれからの本格住宅への移住の時期と、時間が経つと現地での課題も変わってきます。NPOなどに期待する活動内容も変わってきます。これをどう誘導するか。市町村役場とどのように協力しながら進めるか。被災者や国民の理解をどう得るか。必要な資金をどのように調達するか。課題はたくさんあります。
私の持論については、次のページをご覧ください。
「被災地から見える「町とは何か」~NPOなどと連携した地域経営へ~」(共同通信社のサイト「47ニュース、ふるさと発信2012年8月31日)

通訳つき講演

今日は、国際研修交流協会の国際セミナーで講演をしに、裏磐梯まで行ってきました。私の役割は、復興の成果と課題をお話しすることです。時間が限られているので、最も簡単な3枚紙で、お話ししました。
内外から来られた100人もの方が、聞いてくださいました。さまざまな職種の方である上に、同時通訳つきなので、なるべく通訳しやすいように心がけて、しゃべりました。資料は日本語でしたが、英文も用意しておくべきでした。
他の講師の講義も聴きながら、「どのように話すと、聞いてわかりやすいか」を考えていました。U副知事の話は、内容といい、資料といい、しゃべり方といい、堂に入ったすばらしいものでした。
私は、普段から早口なうえに、次々と話したいことが頭に浮かぶので、話が飛んでしまいます。
まずは、ゆっくりと話すこと。これは、発声をゆっくりすることではありません。それよりは、文章と文章の間に、息継ぎを入れることです。一度、試してください。
次に、主語と述語をわかりやすく、短い文章で話すこと。特に通訳があるときは、自分が通訳だったら「どんな話し方だと、通訳に困るか」を、考えてみてください。長い文章の最後に。「・・とは、私は考えません」なんてこられたら、困りますよね。
通訳がある場合は、さらに単語にも、注意が必要です。日本人同士なら伝わる単語も、外国人に伝えようとすると、難しい場合があります。「がれきの広域処理」といっても、「広域処理」は、解説が必要ですよね。
欲張って、多くの内容を話そうと考えないこと。話のポイント、覚えて帰ってもらいたいことは、3つまでです。それ以上は、講演では無理です。そして、そのポイントを繰り返し伝えること(1、2、3の次は「たくさん」。2008年8月16日)。
自分が聴衆だったら、どれだけ覚えて帰ることができるか。それを考えたら、細かいことやたくさんのことは、伝わりません。
磐梯高原は気温20度で、さわやかでした。新幹線とバスの窓から見える田んぼでは、稲が実り穂を垂れていました。まだ青いですが。家に帰ると、近所で高円寺阿波踊りが始まっていました。こちらは熱気がむんむんです。

日本学術振興会による大震災シンポ

今日は、仙台で開かれた、日本学術振興会による「震災に学ぶ社会科学―東日本大震災学術調査シンポジウム」で基調講演をしてきました。パネルディスカッションや懇親会にも、参加してきました。光栄なことです。
先日、予告編で書きましたが、発災直後から2年、引き続き救助と復興に責任を持っている官僚として、経験をお話しすることは務めだと信じています。千年に一度、百年に一度の経験をしたのですから。発災以来2年が経ち、関係者が、客観的にかつバランスよく物事を見ることができるようになりました。
聞くところによると、日本学術振興会は自らは事業をしないそうですが、これは村松岐夫先生の肝いりで進められているとのことです。これだけ広い分野でこれだけのメンバーが大震災を検証することは、貴重なことだと思います。
たくさんの日本を代表する学者の方々が、参加しておられました。旧知の先生たちにご挨拶をするとともに、お名前だけしか知らない先生方とも知り合いになってきました。ありがたいことです。

経済同友会での講演概要

経済同友会の広報誌『経済同友』4月号に、3月10日に仙台で行った講演の概要(P3)が載りました。
地域の復興には、産業と雇用の回復が不可欠です。また、この講演でも強調しましたが、東日本大震災が「行政と民間企業とNPOの連携元年」になってほしいと、期待しています。
経済界の方が、復興に関心を持ち、協力していただけるのは、力強い限りです。ありがとうございます。