カテゴリーアーカイブ:社会の見方

店員の名札「日本語話せます」

2025年10月21日   岡本全勝

銀座を歩くと、外国人が多いですね。
8月は日本全体では340万人ですが、うち中国から102万人、韓国66万人、台湾62万人、香港22万人で、この4つの国と地域が飛び抜けています(訪日外客数、2025 年 8 月推計値)。欧米ではアメリカが19万人。銀座でも、この比率に近いのでしょう。

銀座の中心街は高級ブランド店が並んでいて、ヨーロッパの都市や観光地なみです。たぶん、その4か国の言葉が話されているのでしょう。日本人はどの程度、そこで買い物をしているのでしょうか。
ある人曰く「今は店員が胸に下げている札に「××語話せます」と向こうの言葉で書いてあるけど、いずれ「日本語話せます」と書かれますよ」。

ウインブルドン選手権で開催地のイギリス人が勝てず、海外勢が勝つことをウインブルドン現象と言います。アジアからの訪日客が、日本で、欧米製品を買うことは、どのように表現するのでしょうか。

子どものSNS依存の危険性2

2025年10月21日   岡本全勝

子どものSNS依存の危険性」の続きです。読売新聞は続いて、10月4日の1面で「米、子供のSNS規制拡大 10州で法施行 年齢確認など」を伝えていました。

・・・SNS事業者を相手取った訴訟が急増する米国で、子供のSNS利用を規制する法整備が拡大している。2日時点で、全米50州のうち少なくとも10州で関連法が施行され、新たに4州で施行を控える。一方、事業者側による訴訟で関連法の施行が差し止められるなどした州は7州に上り、子供を守るためのSNS規制を巡る綱引きが激化している。

子供のSNS利用を規制する関連法が施行されている10州のうち、テネシー、ミシシッピ州は未成年のSNSアカウント作成時に、ユタ州はSNSアプリのダウンロード時に、年齢確認や保護者の同意などを義務付けた。フロリダ州では、保護者が子供のアカウント削除を請求できる制度が導入されている。
米国で子供のSNS利用規制の動きが広がる背景には、メンタルヘルスなどへの深刻な影響がある。米疾病対策センター(CDC)の調査では、高校生の77%が頻繁にSNSを利用し、依存度が高いほどいじめや抑うつ、自殺企図が増える傾向が示された。
カリフォルニア大サンフランシスコ校の小児科准教授ジェイソン・ナガタ氏は、「子供の過度のSNS利用がうつ病や摂食障害などを招く」と規制の必要性を訴える。

今後、バーモントやミネソタ、ネブラスカ、バージニアの4州でも、新たな関連法の施行を控える。そのうちミネソタ州では6月、SNS利用時に「メンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性がある」との警告を表示するよう義務付ける法案を全米で初めて可決した。
ただ、これらの州の関連法が実際に施行に至るかは不透明だ。SNS事業者側による差し止め訴訟が相次いでいるためで、これまでに少なくとも7州で関連法の施行が差し止められるなどした・・・

子どものSNS依存の危険性

2025年10月20日   岡本全勝

10月3日の読売新聞が1面で「子供SNS依存 米訴訟増 2000件 仕組み「高い中毒性」」を伝えていました。
・・・子供のSNS利用が深刻な依存を引き起こし、心身をむしばんでいるとして、米国でSNS事業者を相手取る訴訟が相次いでいる。全米の訴訟件数は9月時点で計約2000件に上っており、原告団は「依存性を高める設計により、子供がSNS中毒に陥り、摂食障害や自殺につながっている」などとして、損害賠償や改善策を求めている。

米国では2021年9月、インスタグラムを運営するフェイスブック(現メタ)の内部告発で、SNSが「少女のメンタルヘルスを悪化させる影響を社内で把握していた」ことが明らかになり、メタや、ユーチューブを運営するグーグル、ティックトックなど、SNS事業者を相手取った訴訟が相次ぐようになった。
22年10月、数百件に上る同種の訴訟が「マルチディストリクト訴訟(MDL)」に併合された。その後も訴訟件数は拡大を続け、原告団弁護士によると、今年9月に1961件に達した。
原告側は、SNSが閲覧時間を最大化するよう設計されており、通知機能や次々と表示される投稿が脳内の快感物質の放出につながると主張する。青少年の依存行動を助長し、様々な精神的・身体的被害をもたらしており、SNSは「欠陥製品だ」と訴えている。
米保健福祉省によると、米国では現在、13~17歳の95%がSNSを利用する。原告弁護団のロナルド・ミラー弁護士は、「SNS事業者は、タバコ産業やスロットマシン産業の手法を取り入れ、子供の未発達な脳が衝動を抑えにくいことを知りながら、中毒性を高める仕組みを意図的に組み込んだ」と指摘している・・・

・・・「お姉ちゃんが動かない」。2021年2月、米ウィスコンシン州ミルウォーキーの住宅で、息子から異常を伝えられた父親が子供部屋のある2階に駆け上がると、娘(当時9歳)がドアノブにペット用のリードを引っかけ、首をつった状態で見つかった。娘は搬送先の病院で脳死状態と診断され、まもなく息を引き取った。
痛ましい事故は、SNSで拡散されて子供たちの間で流行していた、首を絞めるなどして一時的に意識を失う行為をSNSに投稿する「ブラックアウト・チャレンジ」挑戦中に起きた。米ブルームバーグによると、こうしたSNS上の「過激な遊び」に影響され、22年11月末までに14歳以下の子供が少なくとも20人死亡した・・・

・・・若者が特にSNSに没頭しやすいのは、感情をコントロールする司令塔的な働きを担う、脳の「前頭前野」が未成熟であることが関係しているとされる。自らの承認欲求がSNSで満たされると、途中で利用を止められなくなってしまうと専門家は指摘する。
米保健福祉省は、2023年に公表した報告書で、SNSを1日3時間以上使う子供は、精神状態が悪化するリスクが2倍になるとの研究結果を紹介し、「SNSの過度の使用は睡眠障害やうつ病などと関連がある」と警告する。10歳代の半数以上が「SNSをやめるのは難しい」と感じているとの調査結果もあり、SNSには強い中毒性がある可能性を示している・・・

空飛ぶクルマは飛ぶか

2025年10月19日   岡本全勝

空飛ぶクルマが、長く話題になっています。大阪・関西万博で予定されていた飛行ができなかったとか。

さて、街の上を飛び交う時代が来るのでしょうか。私は、ないと思います。
機械としては、完成するでしょう。しかし、それが空を飛び交うこととは別のことです。社会に実装するには、大きな問題があります。
・空には、車線がありません。どこを飛んでも良いのでしょうか。想像図には、数台の車が飛んでいる絵が描かれています。1台や2台なら問題ないでしょうが、自動車のように普及したらどうなるのでしょうか。たくさんのクルマが飛び交うと、ぶつかることも起きます。
・空には、信号機も標識も浮かんでいません。ヘリコプターや飛行機は、航空管制でぶつからないようにしています。電波で規制し、制御するのでしょうか。
・ドローンの飛行を見たことがありますが、騒音がすごいです。
・車でも故障することがあります。空飛ぶクルマが故障したら、墜落します。もちろん、それはヘリコプターや飛行機も同じです。少なくとも、我が家の上は飛んで欲しくありません。

空飛ぶクルマと言っても、人が乗って運転するドローンであって、機能はヘリコプターと同じですよね。タクシーのように運転手がいれば、ヘリコプターと変わりません。自分で運転するなら、自家用ヘリですね。
・自動車免許と同じくらいの教習で、免許は取れるのでしょうか。
・離着陸場は、どうするのでしょうか。どこでも良いのでしょうか。駅前などの車寄せやタクシー待機場に、空から車が着陸するのでしょうか。高速道路の途中で、空飛ぶクルマが出たり入ったりしても良いのでしょうか。

西洋優位の根拠が失われた末に

2025年10月18日   岡本全勝

9月28日の読売新聞「あすへの考」、イアン・モリス・スタンフォード大学教授の「揺らぐ米欧「民主主義は最良か」」から。

・・・西洋は19世紀半ば以降、世界を支配し、欧米の白人男性であれば凡庸であっても快適な生活が送れた。しかし21世紀に入り、中国が強大な「世界の工場」になったことで、米国でも製造業の白人労働者らが困窮する事態に陥った。トランプ陣営の標語は、白人男性らの悲痛な叫びでもあるのです。
西洋は西洋が世界を支配する根拠は、紀元前5世紀の都市国家アテネの民主制に象徴される、古典古代文明の卓越にあると主張してきた。ところが第2次大戦後、敗戦国の日本が高度成長を遂げて西欧を追い抜き、世界一の米国に迫る状況が発生する。西洋優位の鍵が古典古代の「卓越」とする限り、日本の躍進は説明できない。西洋優位の根拠が失われたのです・・・

・・・東洋に先んじた理由は古典古代の「卓越」ではなく、地理的条件だ。農耕で先行した約2000年の「時間差」をもとに西洋は西暦6世紀までは優位を維持した。
6世紀中頃、ペストが東西世界で猛威をふるいます。いち早く復興したのは東洋(中国)です。隋の時代の7世紀に運河を整備します。それ以前の世界の主役はローマ帝国で、地中海交易で繁栄した。隋の運河系統は私に言わせれば「中国の地中海」。それを動脈として中国は発展し、以後1200年ほど東洋(中国)が西洋に対して優位を保ち続けます。
・・・世界の交易の主舞台は「海」から「大洋」に移ります。ただ明は対外交易を制限する。中華帝国は既に豊かであり、西欧やアフリカと交易しても大きな利益は望めないと判断した。これが再度の優位逆転をもたらすことになります。
中国から学んだ西洋で大型帆船が建造され、大西洋を渡った先の南北アメリカが新たな富の源泉になる。産業革命を起こした英国が大洋を支配し、北米を中心に植民地を広げ、グローバル化を推進します・・・

・・・私は2010年に、「2103年に東洋は西洋をしのぐ」という説を公表しました。私なりの「社会発展指数」を尺度とした予測で、東西の世界がそれぞれ従来の歩みを続けるのが前提でした。その後の15年の間に不測の出来事が起きました。英国のEU離脱、トランプ大統領の登場、民主主義の後退、ロシアのウクライナ侵略、AI(人工知能)革命などです。
国民国家を枠組みとする近代民主主義は2世紀以上続いてきた。国家経営上、有効だったからです。米欧の民主主義陣営は第1次大戦、第2次大戦、対ソ冷戦にそれぞれ勝利しました。
しかし、米中対立の時代を迎え、米欧で「民主主義は今日も最良の統治制度なのか」「多数決に縛られることなく、強力な為政者が政策を断行する方が有効ではないのか」との自問が続いています。ポピュリズムの台頭やトランプ現象はその表れでもある・・・