12月23日の朝日新聞社会面「2ちゃん、匿名の代償 「身バレ」で失った信頼」から。
・・ネット掲示板「2ちゃんねる」から今年8月下旬、3万件以上の会員情報が流出した問題が、思わぬ事態を引き起こしている。相手をののしり、自作自演の書き込みをした人たちが、ネット上で次々と特定されている・・
・・気鋭の男性小説家(35)はこの秋、作家仲間や出版社へのおわびに追われた。
作家は2ちゃんねるの掲示板で、ライバル視していた小説家を「虚言癖がある」と攻撃し、別の小説家の作品が原作の漫画については、アンケートをした出版社を「打ち切り確定なのに資源の無駄」と批判。一方、自身を「(出版社が)『作家買い』をする例外中の例外」と自賛していた。
一連の騒ぎで、ネットで暴言や中傷を繰り返していたことが発覚し、仕事上の関係先や信頼を失った。
作家は取材に「相手を見下したい、おとしめたいという漠然とした悪意があった。相手の欠点とみた部分を、一方的に罵倒する書き込みは快感だった」と振り返る。賛同する書き込みを見つけると、快感がさらに増したという・・
・・匿名の書き込みが誰のものか、投稿主の身元がわかってしまうことをネット用語で「身バレ」という。2ちゃんねるの会員情報流出から4カ月たった今も、ネット上では誰の書き込みかを特定する動きが続いている・・
・・今回は会員情報に加えて、数十万件の書き込み履歴が流出したことで、個人が特定された。ただ、これまでも身近な人物が情報を漏らすなど、ブログや掲示板の投稿主が特定されたケースは多い。「ネットに匿名は存在しない。そう思って利用した方がいい」。
「ネットの記録性にも目を向けて欲しい」と注意を呼びかけるのは、ネット上のコミュニケーションを研究する関西学院大の鈴木謙介准教授(社会学)だ。ネットに記録された情報は拡散し、消し去ることは不可能に近い。検索も簡単だ・・
記事には、「ネット利用の心がけ5カ条」も載っています。参考になります。このサイトは実名ですが、特に5番目は、私も時々やってしまいます。
1 情報は漏れると心得よ~第三者の流出事故まで防げない。
2 匿名なんて、あり得ない~IPアドレスや履歴、足跡だらけ。
3 いつか、あなたも狙われる~過去の情報が特定の材料に。
4 失敗は闇夜とともに~夜中は気持ちが大きくなる。
5 飲んだら書くな 書くなら飲むな~お酒は判断を鈍らせる。
カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方
生き様-仕事の仕方
企業が抱える法令順守トラブル
12月16日の日経新聞法務面に、同社が実施した「2013年企業法務・弁護士調査」結果が載っていました。
それによると、企業の4割以上が、国の内外で、コンプライアンス(法令遵守)でのトラブルを抱えています。
地域別(3つまで選択)では、アメリカが39%、中国が35%です。テーマでは、労働・労務関連が70%(複数回答)です。セクハラ・パワハラ関連が35%ですが、日本では55%になっています。
社員向けに、ソーシャルメディア利用指針を作る企業が増えています。40%が書き込む内容を制限するなどの禁止策をとっています。仕事について書くことを全面禁止している企業が34%、社名を使っての利用禁止が10%です。
公務員のセクハラ、パワハラ防止
12月は、1日から公務員倫理週間が始まり、4日からは「国家公務員のセクシュアル・ハラスメント防止週間」が始まりました。復興庁も常駐職員が500人になり、全職員に注意を喚起するとともに、ビデオ学習やインターネットによるテストを受けてもらっています。また、セクハラと合わせ、パワーハラスメントの防止も呼びかけています。
実際の事例を、見てください。ひどいのが、ありますね。国家公務員の人事関係の相談件数のうち、22%がパワハラで、セクハラが3%、パワハラ以外のいじめが6%です。職員教育が必要なわけです。
でも、12月は、1年で一番忙しい時期なのですよね。2つ合わせて「週間」をしなくても良いと思うのですが。倫理週間は、年末年始に羽目を外さないようにという、歴史的なものなのでしょう。セクハラ、パワハラは、春や秋にやれば良いのに。わざわざ重複して行うには、何か理由があったのでしょうね。
NPOと企業の復興協力、3
また、次のような発言もあります。
宮城:プロボノの派遣制度を構築されようとしている企業の方にも、これから挑戦しようという個人に対しても、大きな励みになりますね。去年、イギリスのロンドンに伺った時に、PwCの方が「災害や課題解決の現場に若い社員を連れて行くのもいいが、私たちはマネジメント層を送り込んでいる」と話していました。マネジメント層の意識が変わることは、組織に与える影響が非常に大きい。彼らを現場に送り込むことで視野が広がり、仕事に対する価値観を大きく進化させることになるのだと聞いて、なるほどと 納得しました。そういう意味では、マネジメント層の方にも入っていただく機会を作りたい と思っています・・
ご指摘の通り、仕事を進める上で、マネジメント層の働きも重要です。第一線で働く職員(いわゆる兵隊さん)を増やしただけでは、仕事はうまく進みません。彼らに指示を出し、導いていく中間管理職が必要です。現場で次々起きる問題や新しい課題を、ひとまず判断して処理する中間管理職です。この機能がないと、せっかくの多くの職員も烏合の衆になり、問題は全て本社の責任者に上がってきて、組織は動かなくなります。
NPOと企業の復興協力、2
「なぜ今、企業がNPOのリーダーシップに注目するのか?グローバル・ビジネスリーダーとNPOリーダーの対話から」の続きです。
宮城:現地に入っていきいきと活動されている方にふれることで、私たちも勇気づけられますね。「右腕」の方々が東北に入る前後で、人間として進化していると感じるほどに変化することもあります。困難を克服して何かを掴むプロセスは、何物にも代えがたいと感じます。私が企業経営者だったら、社員にそういう成長をしてもらいたいし、そういう人を採用したいと思うでしょう・・
日色:NPOのリーダーは、リーダーシップのあり方としては最も難易度が高いと思うのです。なぜなら、企業でははっきり決まっているルールやゴールが、NPOでは曖昧だからです。例えば、企業には権限構造があるので、上下関係が非常にはっきりしています。また、売上や利益など、評価尺度も明確です。一方でNPOのリーダーは、権限ではなく、ビジョンで人を巻き込まなければならないでしょう。リーダー自身に人間的魅力があることが必要ですし、情熱をもって真摯に仕事に取り組まなければ、同じ志をもった仲間は絶対についてこないと思います・・
日色:やや大きな話になりますが、NPOのリーダーシップには、グローバルに活躍するビジネス・リーダーに求められる要素がたくさん含まれているのです 。今日のグローバル企業はフラット化していて、一ヶ所で全ての物事が決まることはなくなりつつあります。例えば私は日本を担当していますが、グローバルやアジア・パシフィックなど様々なレイヤーのステークホルダーを巻き込みながら、ひとつひとつの意思決定をしているわけです。
そうなると、意思決定に関わる人が、自分の部下ではないということが往々にしてあります。ラインが異なるところでも、一つにまとめて動かしていかなければならない。これが中々難しいのです。そうなると、権限で人をひっぱるのではなくて、ビジョンと人間的魅力でものごとを動かすリーダーシップが重要になってくるのです。ますます複雑化する組織の中で、ビジネスパーソンがリーダーシップを発揮するために、現地で活動するNPOから学ぶことは非常に多いと思います。これが、私がプロボノに個人的に興味をもっている理由です・・
指摘の通り、企業や役所のように、権限と職責が階統制になっていて、目標や規則も明確な組織内でのリーダーシップと、そうでない集団(政党、NPO、同好会など)でのリーダーシップは、異なります。さらに、その組織内の職員を動かすことと、組織外の関係者を動かすことは、これまた大きく異なります。取引先なら、利害関係で動かすことはできますが。政府の責任者が、国会、他の政党、マスコミ論調、そして国民意識を動かすことを、考えてください。