復興庁では昨日土曜日に、職員のパソコンを入れ替えました。各自のパソコンに入っている個別の情報は、いったん外部の記憶媒体に引っ越しさせます(これは金曜日までに行いました)。そして、新しいパソコンに移し替える作業が必要です(職員は月曜日に行います)。
私の場合は、職員に手伝ってもらいました。でも、新たにパソコンを立ち上げると、いろいろと不都合なことが出てきます。画面の文字が小さかったり、印刷したらいつもと違う印刷機に出てきたり、メールを送っても署名がつかなかったり・・。一つひとつ解決する必要があります。慣れている機械が変わると、不便ですね。逆にいうと、いかに便利な機械であるかを再認識させられます。月曜日の朝は、多くの職員がぼやくのでしょうね。
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坂根社長。悪い報告を先に
日経新聞「私の履歴書」坂根正弘・元コマツ社長の続きです。11月27日の「コマツウェイ」から。
坂根社長が社長職を譲る際に、経営の基本路線を社員全体に行き渡らせるために、小冊子を作ります。それが「コマツウェイ」です。第1章がマネジメント編で、その中の一つに「ビジネス社会のルールを順守すること」があります。
・・法令違反や不祥事をなくそうという趣旨だが、単に言葉を掲げるだけでは何も変わらない。そこで導入した施策の一つが「報告の順番はバッドニュースが先」の原則だ。
コマツの事業責任者や子会社のトップは月1回、フラッシュレポートと呼ばれる報告書を社長に提出するが、そのレポートの一番上に「バッドニュース」を書かせることにした。コンプライアンス・環境・安全に関わる悪い報告を最初に書いた上で、品質問題や業績報告に入っていく。これを毎月繰り返していると、ルール順守の意識が自然に高まり、組織の体質や風土もいい方向に変わるだろうと期待している・・
なるほどと思います。なかなかできないことです。
坂根社長。独自性にこだわる部分と、標準的なものを採用する部分と
日経新聞「私の履歴書」坂根正弘・元コマツ社長の続きです。11月23日の「業務システムを外注化」から。
・・技術には、他社と差別化するための戦略技術と、日々の業務を粛々と進めるための基盤技術がある。前者について独自性を追求するのは当然だが、後者まで自前主義、独自主義にこだわると、社内でしか通用しないガラパゴス的な世界が形成され、特にグローバルオペレーションの効率が悪くなる。コマツ独自の業務システムは、その典型だった・・
かつてコマツでは子会社があって、そこが開発したITシステムを使って、生産・経営管理をしていました。しかし、それをアメリカの合弁会社に持ち込むと、うまく行きません。人の流動性の高い社会では、ITの担当者も頻繁に入れ替わります。そんなところでコマツ専用のオーダーメイドのシステムを使っていては、効率が悪くなるのです。合弁相手の会社は、既製服とも言うべき市販の標準的なシステムを使っています。そこで坂根さんは、会計システムについて、コマツのシステムをやめて、市販のものを使うことを決断します。ここには書かれていませんが、廃止になった部門からは、大きな反対が出たと思われます。でも、それを押し切るのが決断ですよね。
・・むろんITでも、独自技術にこだわるところはこだわった。今コマツは、オーストラリアとチリの鉱山で無人ダンプトラックの運行管理システムを提供しているが、競合に先駆けて可能になったのは、モジュラーマイニングシステムズという米企業を買収し、彼らの通信インフラとソフト技術をうまく活用したからだ。
既製服とオーダーメイドをどう組み合わせるか、それが技術経営のポイントである・・
詳しくは、原文をお読みください。
レストラン調理場での壮絶な修行、3
斉須さんは、いつまでも下働きに甘んじてはいません。ずるをする同僚を殴ります。オーナーの奥さんと意見の合わない時、不条理と感じた時は、ソースがついたアスパラガスを投げつけ、彼女のドレスを汚します。そして、料理長になる夢を見て、どうすればなれるかを考えます。
・・「ヴィヴァロア」でお客さんに提供しているサービスの水準を日本でもやってみたい、と強く願いました。ただ「ヴィヴァロア」の従業員の一人として働くことと、自分が料理長としてその水準を作り出すということが、まったく別ものだということも、肌で感じはじめていた時期でした。
自分が従業員として働いている時には、チームの勢いに乗っかっていればいいのです。おもしろいし、ラクです。しかし、料理長は既にある環境や雰囲気に乗っかることはできない。その環境や雰囲気を一から作り出さなければいけない。
従業員としてフルに活躍できるからといって自分でもできると思ってしまえば、すぐに落っこちるだろうなぁ、と感じていた・・(オーナーのやりかたを)チームメイトとしてではなく、リーダーのあり方を見ていた。彼のやっていることをどうスライドさせれば、ぼくが日本で同じことをできるようになるのか?・・(p132)
そしてよき同僚に恵まれ、彼と2人で店を開きます。その店はミシュランの2つ星を取ります。
・・料理は技術よりも人格なのだと教えられたような気がします。ベルナールがいなければ、今のぼくはないでしょう。人が真摯に生きていくことのすばらしさを教えてくれたのは彼です・・(p186)
そして、彼ベルナールの人となりを作った生い立ちも、書かれています。
斉須さんが新人を採用する際の基準が、書かれています。
・・採用するかしないかを決める基準は、ふたつだけです。気立てと健康。そのふたつには、余計な作為が入っていないからいいのです。どこを切っても裏表なく人に接する人はすばらしい。
まわりの誰もが「あ、この子は何でも嫌がらずにやるな」と、憎からずおもうでしょう?そう思ってもらったら、もう成功の切符を手にしたようなものです。そういう人ならどこに行ってもうまく行くでしょう・・(p258)
まだまだ紹介したい内容がありますが、それは本をお読みください。これだけの内容が詰まった本が、600円(税別)です。お買い得です。
レストラン調理場での壮絶な修行、2
(レストラン調理場での壮絶な修行、2)
斉須政雄著『調理場という戦場』の続きです。斉須さんは、3店目にして、三つ星レストランで働くことになります。パリの高級住宅街にあるヴィヴァロアです。その店のオーナーに、斉須さんは理想像を見いだします。その立ち居振る舞いにです。
・・オーナーがやってことと言えば、一日じゅう掃除をしている…ほとんど掃除しかしていない。彼の印象に残る姿と言えば「掃除をしている姿」です。
レストランで何よりも重要なのは「清潔度」だということや、お客さんに対する家庭的な態度…ぼくは大切なことの大半を彼から教わったような気がします。仕事場のありようや空気は、そっくりそのまま仕事に映し出されるとと知りました・・(p91)
お店にはワイン会社の営業の人などがよく来ますが、あまりに従業員然としているから、オーナーとわからないのです。洗い場のおじさんのように見えるオーナーに向かって、「オーナーはどこにいますか?」と訊ねます。オーナーは茶目っ気を出して、洗い場のおじさんを呼びに行ったりします。
お客さんが喜んで「今日の料理はすばらしかった」と言うと、オーナーはお客さんを厨房に連れて行きます。「すばらしいのは私じゃない。彼が作ったのですよ、この子」と従業員を誉めます。
職員が気持ちよく働くことができる職場を作るコツは、どこも同じですね。この項まだ続く