「仕事の仕方」カテゴリーアーカイブ

生き様-仕事の仕方

難しい判断をする基準

「全勝さんは、ある難しいことを判断し、決断するときに、何を基準にしていますか」と、問われることがあります。私は、次のように、答えています。
私が、難しい判断をする場合に、視点は3つあります。過去、現在、未来です。
1つは、過去の事例であり、歴史です。前例があるなら、それを参考にするべきです。もちろん、その前例通りにしろ、というわけではありません。
ある事案には、そこに至る歴史があります。いろんないきさつと関係者との関わりの結果、ここまで来ているはずです。だいたい、私のところに持ち込まれるのは、関係者の間でもめた案件ですから。それを無視して、白地で判断することは無謀です。
また、専門家がいるのなら、その人の意見を聞いてみるべきです。
第2は、現在であり、部外者です。すなわち、周りの人が、私の結論をどう思うかです。私が正しいと思っても、国会議員やマスコミなどが、「なるほど」と思ってくれないと、収まりません。上司と部下とで、「これくらいが、よいですね」といっても、外部の人が納得しないと、意味がありません。
もちろん、それらの人におもねる、ということではありません。官僚ですから、筋は通す必要があります。
第3は、未来です。未来の人が、どう評価するか。将来の子どもたちに、どのような説明ができるかです。
筋を通す場合、それが正しいかどうか。それは、未来の人たちが評価します。10年後や20年後の人たちに、「私は、このような理由で、このような判断をした」と、説明できるかどうかです。
これは、次のような表現をする場合も、あります。
岡本全勝Aの斜め後ろに、岡本全勝Bがいて、Aに向かって「おまえ、そんなことを言ってよいのか」と、牽制するのです。難しい判断の時は、一人になって、この3つを頭の中で「体操」します。
かつて、このホームページでも、書いたことがあるはずなのですが、検索しても見つからないので、書いておきます。最近も、そのような事態があったので。

7月も忙しい

7月の第1週も、終わりました。今週も、忙しかったですねえ。国会が終了し、参議院選挙が始まって、少しは通常の仕事のペースになるかと、期待していたのですが。
各省の人事異動があり、挨拶に来てくださる方が多かったです。その場で、早速仕事の打ち合わせをしたり。
また、各省とともに、平成26年度予算要求の作業が始まっています。復興庁は、「前年通り」という概念がないので、未来の予測と、その際に必要となる経費の想定をしなければなりません。これは、かなり難しい仕事です。そして、それらの内容を決めるとともに、8月末の概算要求に向けての段取りが、必要です。締め切りに間に合わない仕事は、意味がありません。
もちろん、今年度の各種予算の執行、新たな課題への対応、さらには「新しい東北」のモデル事業を組み立てる作業と、結構盛りだくさんの仕事が待っています。
私の仕事は、それら課題を一覧表にして、各担当参事官に実行の工程表を作ってもらうこと、その進行管理をすることです。そして、その状況を大臣に随時報告することです。「前年通り」とは行かないので、決まっていることの実行だけでなく、未来予測をしながらの執行管理が重要です。
職員には、年休を取ってもらいたいのですが。「国会が終わったので、休みを取れよ」と言ったすぐ後に、「あの資料、まだできないかなあ・・」と催促しています。悪い上司です。

復興の現状を見える化する

(復興の現状を見える化する)
復興に向けた道のりと見通し」(最も簡単な図)を、更新しました。ご覧頂くとわかるように、がれき片付けや住宅着工など、着実に事業が進んでいます。もちろん、工事が進むと、新しい課題も見えてきます。
ところで、霞が関では、各省で夏の定期人事異動が行われました。異動した人が、挨拶回りに来てくださいます。ありがたいことに、これまで多くの省の方と仕事をし、知り合いになったので、さまざまな方が来てくださいます。今の事務所は、霞が関から少し離れている民間ビルですが、そこまで来てくださるのです。昇進される方の裏で、退職される方も多いので、寂しいものもあります。
ある官庁の幹部が、私の部屋の前に貼ってある、この「復興に向けた道のりと見通し」を見て、「全勝さんらしいなあ・・。一目でわかるね」と、お褒めの言葉を頂きました。この図のアイデアは私ですが、仕上げて、さらにわかりやすくしてくれたのは、A君とI君です。

国会終了と、職員の活躍

第183回国会が、先週閉会しました。で、いつものように、職員と打ち上げをしました。その席上で、職員から突き上げを食らいました。「岡本統括官のホームページに、私たちへの感謝の言葉が、まだ載りません」と。
申し訳ない。職員から提出された「原稿」に加筆して、下に載せます(苦笑)。

復興庁には、国会班という班があり、国会関係の業務はここが仕切っています。開会中は、復興特別委員会や予算委員会の他に、毎日色々な委員会が開かれ、質疑が行われます。質問通告が遅かったり、答弁案の作成が遅くなって、国会班の職員は、しばしば夜明けまで残業します。申し訳ない。
また、毎日夕刻になると、私と職員は、明日のどの委員会でどのような質問が復興庁に通告されるのかが、気になります。いくらたくさん質問が出ても苦にならないのですが、いつ質問が判明するかわからないと、夜の行動の予定が立たないのです。私は、夕方になると、国会班のところまで出かけて、白板に書かれている質問通告状況を確認していました。
各省庁には、各職員がパソコンから質問通告状況を把握できるシステムがあります。しかし、このシステムの作成を業者に発注すると、けっこうな費用がかかるため、復興庁では断念していたようです。ところが、国会班のO君は、1時間もかからずに、それを作り上げてくれました。
これで、私も職員も、いちいち国会班の白板を見に行かなくても良くなりました。もっとも、私は見に行くたびに、「まだ質問は出ないのか。早くもらってきてくれれば、早く答を書いて家に帰るぞ」と叫んでいたのですが、それができなくなって、少し寂しくなりました。