責任者は何と戦うか。その1、事態の把握と戦う

先日から、「責任者は何と戦うか」というテーマを考えていたので、その件について書きます。抽象的な話で、理解しにくいでしょうが、お許しください。
第一の事例は、危機が起きたときです。自然災害(例えば地震や津波)、大事故(原発事故、工場の爆発)、事件(組織内の不祥事)などが起きた場合です。
戦わなければならない「敵」の第一は、「事態」です。今起きている事態を把握できているか、そして掌握できているか。それとも、できていないか。これが、「勝てるか、負けるか」の分かれ道になります。把握は全体の情報を持っていること、掌握はコントロールできていることと、しておきましょう。
事態を把握・掌握できておれば、対応は容易です。しかし、大きな危機の場合は、全体像を把握することは困難です。その場合は、情報不足を想像力で補う必要があります。そして、この先どのような事態になるかという「予想」も必要です。相手が自然やモノなので、人を相手にするよりは、予想は楽な面もあります。相手が人だと、次にどんな手を打ってくるか、可能性が広がり、予測が大変です。
その情報や予測を基に、先手を打つことができるか、後手に回るか。攻めて行くか、受け身に回るか。これで、事態が収束できるかどうかが、決まります。さらに、周囲の人・マスコミ・国民が、責任者を見る目が違ってきます。
すなわち、同じ大きな被害であっても、「責任者が把握し対策を打っている(それでもこれだけの被害になっている)」と皆が思うか、「責任者が事態を掌握できていない(だから被害がこんなに広がっている)」と思われるかの違いです。「後手に回っている」という、新聞記事の見出しを想像してください。この項、続く。