「仕事の仕方」カテゴリーアーカイブ

生き様-仕事の仕方

在宅勤務

復興庁での在宅勤務奨励に合わせ、私もやってみました。自宅のパソコンと電話でもできないことはないのですが、保秘が必要な文書のやりとりを想定して、公用パソコンを持ち帰りました。

スマートフォンならアプリを入れるだけで、職場のパソコンにつながるとのことです。「自宅パソコンも、同じような設定にしてくれ」と担当者に相談すると、「そんな危険なことはできません」と、事情を説明してくれました。いろいろと聞いて、納得。
自宅の光回線には有線でつながず、無線でつなぎます。うまくいくか心配していましたが、教えてもらったようにすると、すぐにつながりました。家にいても、結構たくさんの電子メールが来ました(といっても、多くの人は私が家にいるかどうか知らないのですが)。

何度か書いたように、在宅勤務に向いている仕事と、向いていない仕事があります。
外国語の翻訳、原稿書き、校閲、数値の入力などは、テレワークに適した仕事です。どこにいてもできる、成果物がはっきりしています。他方で接客業は、在宅勤務ではできません。
役所のように事務の職場では、職員単独でできる仕事と、複数人(上司、同僚と)で行う仕事があります。電子メールやテレビ会議システムを使えば、できないわけではありません。しかし、すべての仕事ができるか。それは難しいでしょう。
その際に、どこまで仕事を止めるか。感染症対策と仕事の停滞とを秤にかけて、判断しなければなりません。

先日も職場で(窓を開け距離をとって)会議をしたのですが、本題は早々に終わってから、そのほかの話題で盛り上がっていました。「ちょと聞いていよいですか?」とか、その中の数人で「あの件ですが・・・」と打ち合わせとか。
そうなんですよね、会議って。国連総会は各国首脳の(言いっぱなしの)主張の場とも見えますが、その機会に国連に来た首脳たちが、個別に会談をするよい機会なのです。

男性会社員に見る働き方の変化

4月1日の日経新聞に、「新人とシニア、給与差縮む キミたちはどう働くか」が載っていました。
・・・多くの企業が1日、令和になって初めての新年度を迎えた。足元では新型コロナウイルスの影響が広がるが、働き方改革や人手不足を受けた仕事をする環境の変化も大きい。代表例が給料だ。年功序列型の見直しで、20歳代男性の平均年収は10年前に比べて4%前後増えた一方40歳代は10%弱減った。仮想の28歳男性会社員の生活シーンを通じ、令和の社会人が「どう働くか」を追う・・・

服装(スーツやネクタイの購入金額が20年間で大きく減っています)、在宅勤務、給料(20代の年収が増え、40代が減りました)、終業(飲酒の減)が取り上げられています。
この20年間で、かなり変わりました。働き方改革は始まったばかりなので、改革はこれからも、もっと進むでしょう。

予想外の出来事に対応する

この夏に予定されていた東京オリンピックが、延期になりました。新型コロナウィルス感染症の世界的流行で、やむを得ません。
延期になって、その対応作業が多岐にわたり、関係者の方は大変な仕事になると予想されます。日程の再設定、関係競技団体との調整、施設の確保、宿泊施設の確保、費用分担・・・。

私は、次のようなことを、頭で体操をしていました。
もし、この感染症の流行が、オリンピック開催の1か月前だったらどうなるか。あるいは、オリンピック開催中に発生したらどうなるか。
今回は、4か月前に判断することができました。この期間でも、さまざまな混乱が出るでしょう。しかし、直前や開催中だったら、その比ではありません。
また、地震のように予期できず突然来る災害と、今回の感染症のようにじわじわとやってくる病気とでも、対応の仕方は変わってきます。伝染病でも、今回より強毒性のものだと、また違ってくるでしょう。

何を優先して、何を我慢してもらうか。責任者と関係者は、難しい判断を迫られます。「平時ではない」ので、多少の混乱は致し方ありません。
国民に、それを納得してもらう説明が必要です。

日立製作所の雇用改革、その2

日立製作所の雇用改革」の続きです。

・・・入社年次にかかわらず、スキルや経験次第でポストや収入が決まる「ジョブ型」の雇用。一方で、課題もある。解雇されやすくなるのではないか、会社に対する忠誠心が失われるのではないか、といった点だ・・・

中畑専務
「従来の日本型雇用でも、事業が非常に厳しくなった場合には雇用を保てません。逆にジョブ型にしたほうが、ポジションが明確になって手を挙げられるし、チャンスを得られる制度だと説明しています」
「私の部下にはすでにジョブ型で働いている外国人が17人いますが、決まった仕事しかやらないなんていう社員は1人もいません。それこそ自分が成長するために仕事は広げます。従業員の意識調査でも、『日立で働くことに誇りを持っている』と回答したのは、海外が8割に対して日本は6割ぐらいなんです。ジョブ型で忠誠心が損なわれるというのは、理屈があるのかな、と」

日本型雇用のもとで働いてきたベテラン社員にとって、性急な改革は厳しいのではないだろうか。

中畑専務
「それはあると思います。私の世代はみな日本型雇用で育っていて、自分からキャリアを積んできた人はあまりいませんので。そういう人たちにも、例えばポジションごとにどういうスキルや経験が必要なのかを知らしめて次のステップやチャンスを渡す。そして、会社は教育を提供する」
「それでも手を挙げない人はいるかもしれません。結果として、いま部長だった人が係長になるかもしれません。会社として機会を与えたうえでの結果ならしかたがないとも言えます。逆に言えば、若い人にチャンスを与えることになります」
「ジョブ型への完全な転換には時間がかかると思います。理由の1つはやはり社員の意識が変わりにくいこと。もう1つは、日本全体で雇用の在り方が変わるのに時間がかかること。ただ日立の中は変えていけますから、4年後くらいには、『あの事業部のあの仕事をやりたい』と手を挙げ、異動し始めるようなイメージを持っています」

日経新聞「やさしい経済学」では、山田久・日本総合研究所副理事長の「日本型雇用、改革の行方」が始まっています。

日立製作所の雇用改革

NHKニュースウエッブに「日立の雇用改革」が載っていました。
・・・年功序列や終身雇用を柱とする「日本型雇用」の見直しが進んでいる。山場を迎えたことしの春闘でも、重要なテーマになった。とりわけ見直しの動きが進んでいるのは、グローバル企業との間で人材の獲得競争がしれつになっているIT関連の企業。その中にあって、「ジョブ型」と呼ばれる雇用体系に大きくかじを切ろうとしているのが日立製作所だ。世界で約30万人(このうち国内16万人)の社員が働く巨大企業の人事部門のトップに、そのねらいを聞いた・・・。

「日立でも定年まで働き続けるという考えの人は減ってきていて、20代・30代の3分の1は将来転職を考えています」
「マーケットはグローバルなので、いろいろな人が必要になります。海外企業の買収などもあって、日立はことし6割が外国人になります。日本型の雇用システムがなじまなくなっているんです」

日立が目指すのは、職務に応じて賃金や待遇が決まる制度。海外で一般的な「ジョブ型」と呼ばれる雇用体系だ。ポストごとに決められたスキルや経験を満たしていれば、年齢や社歴に関係なく、望む地位と報酬を得られることになる。「ジョブ型」への移行に向けて、会社は制度やシステムの整備を急いでいる。たとえば、会社がポストを明確に提示し、社員はみずからの経験や希望するポストなどをシステムに入力。双方をマッチングするようなイメージだ。

中畑専務
「人に仕事を割り当てるのではなく、仕事に人を割り当てるのです。これこれこういう仕事があります、そのために必要なスキルは何ですか、必要な経験は何ですかというのが先に明示されていて、そこに必要な人は誰ですか、ということです」
「日本の場合は人事異動で受け身が強かったと思いますが、ジョブ型では自分で自分のキャリアを考えていく、自分で切り開くという意識が必要になってくると思います。自分のキャリアを作るためにこのポジションを経験しておいたほうがいいといったことを自分で考えておく。そのためにはツールが必要で、会社はきちんと、こんなポジションがありますよ、どんな経験が必要ですよ、どんなスキルが必要ですよといったことを示していくことが必要だと思います」
この項続く